所得税法

第九十五条(外国税額控除)
 居住者が各年において外国所得税(外国の法令により課される所得税に相当する税で政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)を納付することとなる場合には、第八十九条から第九十二条まで(税率及び配当控除)の規定により計算したその年分の所得税の額のうち、その年において生じた所得でその源泉が国外にあるものに対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額(以下この条において「控除限度額」という。)を限度として、その外国所得税の額をその年分の所得税の額から控除する。
2 居住者が各年において納付することとなる外国所得税の額がその年の控除限度額と地方税控除限度額として政令で定める金額との合計額を超える場合において、その年の前年以前三年内の各年(以下この条において「前三年以内の各年」という。)の控除限度額のうちその年に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この条において「繰越控除限度額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、その繰越控除限度額を限度として、その超える部分の金額をその年分の所得税の額から控除する。
3 居住者が各年において納付することとなる外国所得税の額がその年の控除限度額に満たない場合において、その前三年以内の各年において納付することとなった外国所得税の額のうちその年に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この条において「繰越外国所得税額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、当該控除限度額からその年において納付することとなる外国所得税の額を控除した残額を限度として、その繰越外国所得税額をその年分の所得税の額から控除する。
4 第一項の規定は、確定申告書に同項の規定による控除を受けるべき金額及びその計算に関する明細の記載があり、かつ、外国所得税を課されたことを証する書類その他大蔵省令で定める書類の添附がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定による控除をされるべき金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。
5 第二項及び第三項の規定は、繰越控除限度額又は繰越外国所得税額に係る年のうち最も古い年以後の各年について当該各年の控除限度額及び当該各年において納付することとなった外国所得税の額を記載した確定申告書を提出し、かつ、これらの規定の適用を受けようとする年分の確定申告書にこれらの規定による控除を受けるべき金額を記載するとともに、当該申告書に繰越控除限度額又は繰越外国所得税額の計算の基礎となるべき事項を記載した書類その他大蔵省令で定める書類を添附した場合に限り、適用する。この場合において、これらの規定による控除をされるべき金額は、当該各年分の確定申告書に当該各年の控除限度額及び当該各年において納付することとなった外国所得税の額として記載された金額を基礎として計算した金額を限度とする。
6 税務署長は、第一項から第三項までの規定による控除をされるべきこととなる金額又は前項に規定する控除限度額若しくは外国所得税の額の全部又は一部につき前二項の記載又は書類の添附がない確定申告書の提出があった場合においても、その記載又は書類の添附がなかったことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載又は書類の添附がなかった金額につき第一項から第三項までの規定を適用することができる。
7 第九十二条第二項前段(配当控除)の規定は、第一項から第三項までの規定による控除をすべき金額について準用する。
8 第一項から第三項までの規定による控除は、外国税額控除という。