◇弁理士法(法律第四九号)(通商産業省)
1 この法律は、弁理士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、工業所有権の適正な保護及び利用の促進等に寄与し、もって経済及び産業の発展に資することを目的とすることとした。(第一条関係)
2 弁理士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならないこととした。(第三条関係)
3 弁理士は、工業所有権に関する特許庁における手続等についての代理並びにこれらの手続に係る事項に関する鑑定その他の事務を行うことを業とすることとした。(第四条第一項関係)
4 弁理士は、関税定率法に規定する認定手続に関する税関長に対する手続等についての代理及び工業所有権、半導体回路配置又は特定不正競争(商品等表示、商品の形態又は技術上の秘密に関する不正競争)に関する仲裁事件の手続(経済産業大臣が指定する団体が行う仲裁の手続(当該手続に伴う和解の手続を含む。)に限る。)についての代理を業とすることができることとした。(第四条第二項関係)
5 弁理士は、弁理士の名称を用いて、工業所有権、半導体回路配置若しくは著作物に関する権利若しくは技術上の秘密の売買契約、通常実施権の許諾に関する契約その他の契約の締結の代理若しくは媒介を行い、又はこれらに関する相談に応じることを業とすることができることとした。(第四条第三項関係)
6 弁理士は、工業所有権、半導体回路配置又は特定不正競争に関する事項について、裁判所において、補佐人として、当事者又は訴訟代理人とともに出頭し、陳述又は尋問をすることができることとした。(第五条関係)
7 弁理士は、審決等に対する訴訟に関して訴訟代理人となることができることとした。(第六条関係)
8 弁理士試験について、弁理士の業務拡大に対応して試験科目の充実を図るとともに、弁理士の量的拡大を図るため、選択科目の見直し等試験内容の簡素・合理化を図り、さらに、一定の資格を有する者に対する試験の一部免除規定を創設することとした。(第九条〜第一六条関係)
9 弁理士となるには、日本弁理士会に備える弁理士登録簿に、登録を受けなければならないものとすることとした。(第一七条関係)
10 日本弁理士会は、心身の故障により弁理士の業務を行わせることがその適正を欠くおそれがあること等を理由にその登録を拒否しようとするときは、登録審査会の議決に基づいてしなければならないこととした。(第一九条関係)
11 弁理士の義務として、信用品位の保持、業務上知り得た秘密の漏洩等の禁止、利益相反行為の禁止を定めることとした。(第二九条〜第三一条関係)
12 弁理士の懲戒制度を整備することとした。(第三二条〜第三六条関係)
13 弁理士は、この法律の定めるところにより、特許業務法人を設立することができるものとし、法人の社員の資格、業務の範囲、設立の手続等について定めることとした。(第三七条〜第五五条関係)
14 日本弁理士会は、弁理士の品位を保持し、弁理士の業務の改善進歩を図るため、会員の指導、連絡及び監督に関する事務を行い、並びに弁理士の登録に関する事務を行うことを目的とすることとした。(第五六条第二項関係)
15 日本弁理士会は、会則を定め、これに会議に関する規定、弁理士の登録に関する規定、会員の品位保持に関する規定、日本弁理士会及び会員に関する情報の提供に関する規定等を記載しなければならないこととした。(第五七条関係)
16 弁理士又は特許業務法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、工業所有権に関する特許庁における手続等(特許料の納付手続、特許原簿への登録の申請手続等を除く。)についての代理又はこれらの手続に係る事項に関する鑑定等を業とすることができないこととした。(第七五条関係)
17 罰則について必要な規定を設けることとした。(第七八条〜第八四条関係)
18 この法律は、一部の規定を除き、平成一三年一月六日から施行することとした。