◇著作権法の一部を改正する法律(平成十八年法律第一二一号)(文部科学省)
1 放送の同時再送信に係る制度の見直し
 (一) 放送される著作物等は、非営利かつ無料の場合には、専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として、自動公衆送信することができることとした。(第三八条関係)
 (二) 放送される実演を有線放送した有線放送事業者は、実演家に報酬を支払わなければならないこととした。(第九四条の二関係)
 (三) 商業用レコードを用いた放送又は有線放送を受信して放送又は有線放送を行った放送事業者等は、実演家又はレコード製作者に二次使用料を支払わなければならないこととした。(第九五条及び第九七条関係)
 (四) 放送される実演又はレコードは、専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として、送信可能化することができることとするとともに、当該送信可能化を行う者は、実演家又はレコード製作者に補償金を支払わなければならないこととした。(第一〇二条関係)
2 情報化等に対応した定義の見直し及び権利制限の拡大
 (一) 同一構内の無線通信設備による送信について、公衆送信の範囲から除外することとした。(第二条関係)
 (二) 視覚障害者情報提供施設等は、公表された著作物について、専ら視覚障害者の用に供するために、録音図書を用いて自動公衆送信することができることとした。(第三七条関係)
 (三) 著作物は、特許や薬事等に関する審査等の手続のために必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、複製することができることとした。(第四二条関係)
 (四) 記録媒体を内蔵する機器の記録媒体に記録されている著作物は、必要と認められる限度における保守若しくは修理又は当該機器の欠陥等による交換のため、一時的に複製することができることとした。(第四七条の三関係)
3 著作権等の侵害とみなす行為の見直し
 著作権等を侵害する行為によって作成された物を、情を知って業として輸出し又は輸出目的で所持する行為を侵害とみなす行為とした。(第一一三条関係)
4 罰則の見直し
 (一) 著作権、出版権及び著作隣接権の侵害に係る刑事罰について、懲役刑及び罰金刑の上限を引き上げるとともに、法人処罰に係る罰金刑の上限を引き上げることとした。(第一一九条及び第一二四条関係)
 (二) 秘密保持命令違反に係る刑事罰について、法人処罰に係る罰金刑の上限を引き上げることとした。(第一二四条関係)
5 この法律は、平成一九年七月一日から施行することとした。ただし、1の(四)については公布の日から起算して二〇日を経過した日から施行することとした。