特許・実用新案の出願と審査に関して(詳細情報)

2004年1月以降の国際出願関係手続きQ&A

  
<この記事に関する問い合わせ先>

  
特許庁審査業務部国際出願課
電話:03−3581−1101 内線2642
E-mail:PA1A00@jpo.go.jp



関係
 


EASY出願
1
PCT-EASY出願手続きは変わりないのですか?  WIPOから提供されているPCT-EASYを使っての出願は、紙による国際出願の提出であることは変更ありませんが、新制度等を取り込んだ新バージョンのPCT-EASYを使用していただくことになります。また、PCT-EASYは、PCT-SAFE(セーフ)という呼称になります(PCT-SAFEは将来のPCT電子化にむけて拡張された機能をも含むソフトですが、当面はその機能は使えません)。
2004年1月以降に出願するための新たなPCT-EASY(SAFE)提供時期等のお知らせは、WIPOから登録ユーザーへメールで連絡される予定です。
 なお、既にPCT-EASYのアドレス帳に登録されている出願人等の情報はPCT-SAFEへ移行することができます。
 また、EASYによる手数料の減額は、16600円から8300円へ変更されます。
EASY出願
1-2
新たなPCT-EASY(SAFE)ソフトウェアの対応するオペレーションシステム(OS)に変わりはないのですか?  PCT-SAFEインストールの手引き」
http://www.wipo.int/pct-safe/en/support/documents.htmPCT-SAFE Client User Guide (in Japanese) を参照)の中の「3. 要求されるシステム構成」に関し、対応するオペレーションシステム(OS)が、Windows 98以降と説明されていますが、WIPOのPCTホームページ上ではWindows 98はPCT-EASYモードにおいて国際出願を準備するために利用可能であるものの、強くより上位のOSを利用することを推奨する。(Although Windows 98 can be used for preparing international applications in PCT-EASY mode, it is strongly recommended that one of the higher supported operating systems be used.)」と説明しています。国際出願日確保に大きな影響を与える可能性がありますので、特許庁国際出願課としても、PCT-SAFEソフトウェアをインストールするコンピューターのOSはWindows NT, Windows 2000, Windows XPを推奨します。
EASY出願
1-3
PCT-EASYのユーザー登録をしていないのでメールが来ないのですが、新しいPCT-EASY(SAFE)の情報はどこから入手すればいいのですか?  次のURL内の情報をご参照ください。
http://www.wipo.int/pct-safe/なお、このページからPCT-SAFEのソフトウエアのダウンロードができます。
 また、Q&A1-2からのリンク先のページには、「PCT-SAFEインストールの手引き」の他に、日本語によるPCT-SAFEのユーザーマニュアル、ユーザー管理マニュアル、重要なお知らせ(バグの修正情報等)が掲載されていますので、併せてご覧ください。
簡素化
振込済み証明の提出
2
東京三菱銀行の口座へ振込をする手数料(国際出願手数料、ヨーロッパ特許庁に支払う調査手数料、予備審査請求の際に支払う取扱手数料)について振込済み証明書の提出を省略はできますか?
省略できます。
ただし、次の2つを満たしていることが必要です。(1)振込時に要件に従った事項をATM等で入力すること。(2)2004.1.1以降にした国際出願の手数料であること。
従って、これらを満たしていないものは補正命令により振込済み証明書を提出していただくことになります。
なお、(1)の要件は国際出願手数料表の末尾をご覧ください。また、(2)についてはとくに、取扱手数料の支払いの際に、当該案件の出願日が2004.1.1後でなければ省略できないので、国際出願日をご確認ください。
 規則改正の適用関係一覧<PDF 59KB>へ

規則改正全体
2-2
今回の規則改正の全体を知りたいのですが、なにか資料はありますか。
はい。大阪、名古屋、東京で開催した特許協力条約(PCT)規則改正に関する説明会の際に配布しましたテキストがあります。説明会テキスト(平成16年1月1日発効の規則改正の概要<PDF 420KB>)へ なお、説明会で配布したテキストをお持ちの方は、誤り、不明確な部分がありますので、正誤表をご覧のうえ、修正をお願いいたします。(上記の電子データは修正済みです。)  正誤表<PDF 14KB>へ

規則改正の日本語訳
2-3
改正後の条約規則の日本語訳はありますか
仮訳ですが、Q&A2-2からリンクする「平成16年1月1日発行の規則改正の概要」の巻末に参考資料として掲載しています。 正式なものは外務省告示として、官報掲載されます。

簡素化
委任状の提出
3
出願時には委任状の提出を省略できるのですか?
はい。
2004年1月以降にする国際出願については、手続負担を軽減するため、国際出願時における代理権を証する書面を要求しないこととしました。
なお、1.出願後の代理人の選任、2.取下げ(国際出願、指定国の指定及び優先権主張)手続に関しては、従前どおり委任状の提出が必要です。

みなし
全体
4
みなし全指定とは、指定の概念が無くなるのですか?
指定の概念は無くなりません。
みなし全指定とは、国の指定(旧願書V欄のチェック)をひとつひとつしなくとも、出願時におけるPCT条約加盟国の「全てを指定したものとみなす」こととする願書記載要件の緩和です。

みなし
願書様式
5
願書様式のV欄はどのように変わりますか?
「指定する国名のチェック」欄は、みなし全指定(Q&A4)に伴いなくなります。ただし、V欄にはQ&A6で説明する「指定から除外する国名」が記載されることとなります。
日本語願書様式
英文願書様式
日本語予備審査様式
日本語予備審査様式
みなし
願書様式
6
新しい願書V欄には、3ヶ国指定除外のチェックボックスがありますが、いずれ日本も加わるのでしょうか?
日本のチェックボックスは加わりません。
この指定除外のチェックボックスは、国内優先権制度を持つ国が、その制度にかかる国内法の改正を行う間にみなし全指定の適用を除外するためのものです。改正後は、これらの国々のチェックボックスは除去されます。我が国は、指定の取下げをもって対応することとしましたので、この経過的な措置の適用を受けていません。

みなし
国内優先
7
みなし全指定により、日本も指定したことになりますが、優先権の基礎を日本の国内出願とした場合、その日本の国内出願はみなし取下げとなるのですか?
国際出願が国内出願を基礎として優先権の主張をする場合には、それが適式に主張されていれば特許法 41条、42条が規定する国内優先権制度が適用されます。その結果、先の国内出願は優先日から15ヶ月経過後にみなし取下げとなります。みなし取下げを回避することが必要な場合には、Q&A8で説明する手続が必要です。

みなし
国内優先
8
優先権の基礎となった日本の国内出願が、「みなし取下げ」にならないようにするにはどうすればいいのですか?
次の2つのいずれかの方法があります。
(1)
規則90の2.2に従い、日本の指定を取り下げる。
(ただし、当該国際出願は日本への国内移行ができない。)
(2)
国内優先権主張を取り下げる。
(ただし、国際出願を国内移行した場合、国内優先権の基礎となる国内出願と後の出願である国際出願の両者が併存し、実体審査の問題となる。)
国内優先権適用回避の方法一覧表

みなし
米国
8-1
みなし全指定により、米国も指定していることになりますが、米国の出願人は、発明者に限られています。 仮に出願人が法人のみとした国際出願は認められないのですか?
国際出願は認められます。 ただし、その国際出願は、指定官庁たる米国特許商標庁によって拒否されることがあります。 そのため、このような米国の出願人要件を満たしていない国際出願については、受理官庁から出願人あてに注意喚起の通知(RO/132)が発出されます。 もしも、米国に国内移行をする意志があれば、発明者に出願人の地位を与える等、米国の出願人の関係を整えた名義変更届を提出してください。

みなし
保護種類
9
国の指定と共に保護の種類を願書で明示していましたが、新様式には記入欄がありません。例えばある国の実用新案を取りたいときはどのように表記するのですか?
出願時に保護の種類を明示表示する必要はありません。 ある指定国において、特定の保護の種類を求めたい場合には、
その国へ国内移行するときに当該指定国に対して、特定の保護の種類、例えば実用新案の保護を求める旨を表示をすることになります。
なお、追加特許、追加証、追加発明者証、追加実用証、継続出願、一部継続出願については、国際調査の目的から出願時に追記欄へ従来どおり、該当する保護の種類を表示する必要があります。
また、日本において実用新案の保護を求める旨の表示は、国内書面中に従前からある、【出願の表示】、【出願の区分】へ「実用新案登録」と記載してください。

みなし
料金
10
指定手数料は無くなるのでしょうか?
無くなります。
みなし全指定により、指定手数料は基本料金に統合され、新たな手数料である「国際出願手数料」となります。

料金
規則改正
11
各料金の支払期限と支払額はどのように規則改正されたのでしょうか?

次の表をご覧ください。
日本特許庁が徴収する料金の規則改正

改正適用
予備審査
請求期間
12
予備審査請求に期限が設けられると聞きました。
国際出願日に関わりなく2004.1.1以降に予備審査請求をするとその期限が適用されるのですか?
いいえ
予備審査請求に期限が設けられる国際出願は、国際出願日が2004.1.1以降の国際出願のみです。その期限は、国際調査報告の発送から3ヶ月、または優先日から22ヶ月のいずれか遅く満了する日までとなります。2003.12.31までの国際出願日を持つ国際出願に対しては、現行に従い、特段の期限なく、予備審査を請求することができます。
規則改正の適用関係一覧

改正適用
全体の関係
13
みなし全指定、国際調査見解書の作成、予備審査請求の期限、料金改正等の新手続が適用されるのは国際出願日が2004.1.1以後のものに限られますか?
規則改正の適用関係一覧をご覧ください。

改正適用 2004.1.1後の取扱手数料
13-2
上記Q&AのPDFファイル「規則改正の適用関係一覧」を見ています。そのなかで、ケース2の「取扱手数料 金額欄」に「旧(\16,600)」とありますが、これは「旧(\19,200)」または「新(\16,600)」の間違いではないのですか?
いいえ。間違いではありません。
予備審査請求時の2つの手数料の欄で言う「新、旧」と金額欄の「括弧の金額」は異なるものを示しています。 「新、旧」は「支払期限と金額を適用する基準日」の規則改正(PDFファイルの一番下の新旧表)の適用を示しています。つまり、金額欄の旧は、「予備審査請求日の金額が適用される」 ことを、支払期限欄の「旧」は、「請求日から1ヶ月以内に支払う」を示しています。 一方の括弧内の金額は、「予備審査請求日の金額」とは いくら なのかを示しています。そして、「予備審査請求日の金額」は、条約規則 96.1の手数料表中で、 取扱手数料 233スイス・フラン(2003年現在、=\19200)と定めていますが、今回の改正では、この取扱手数料金額を、特段の経過措置を設けることな く、2004.1.1をもって、233スイス・フラン(\19200)から200スイス・フラ ン(\16600)へ変更します。 従って、ケース2の取扱手数料の金額欄の「旧(\16,600)」は、「請求日における規則96.1の表に規定される取扱手数料金額である200スイス・フラ ン(\16,600)を支払う」ということを示しています。

緩和
署名要件
14
国際出願願書の署名要件の緩和がなされる背景は何ですか?
みなし全指定の導入により、すべての国際出願が自動的に米国をも指定することとなります。国際出願は、米国を指定する場合、その発明者が出願人になることが要求されます。つまり、米国を指定しない国際出願においては発明者であった者も、みなし全指定によって「発明者である出願人」として、すべての指定国の出願人としての地位を得ることとなります(ただし、指定国たる米国に限定した出願人を明記する場合には、この限りではありません)。一方、現状のPCTは、国際出願願書は、すべての「出願人」によって署名されなければならないと規定しています。
これら2つの手続を出願人への過剰な負荷なしに実行するために、願書における署名要件の原則(全員が署名する)は維持しつつも、その原則が願書上で満たされていないとしても、「ひとりの出願人の署名があれば」方式的には補正指令の対象としないことが、規則改正よって実現しました。出願人の署名要件の緩和とは、すなわち、願書における出願人の署名にかかる「方式上のチェック要件の緩和」です。

緩和
署名要件
15
署名要件の緩和とQ&A3の委任状の省略を合わせて考えると、代理人が行う国際出願の際は、出願人の署名または押印がなくていいということですか?
はい。
緩和前は、代理人が出願手続きする場合の多くは、願書へは代理人が署名(押印)し、出願人の署名(押印)は委任状で行っています。このようなものは、緩和後は、Q&A3のとおり委任状を求めませんので、結果的に出願人の署名(押印)がひとつもなくても国際出願できます。

緩和
記載要件
16
願書における出願人の表示要件が緩和されることも上記Q&A14と同様の趣旨ですか?
そのとおりです。

緩和
記載要件
17
では、願書における出願人の表示要件の緩和は、「出願人全員がその表示をしなくてもよい」という意味でしょうか?
はい。
願書における出願人の表示(あて名、国籍、住所)要件緩和は、すべての出願人について記載されていないとしても、当該受理官庁に対して国際出願をする資格を有する出願人のひとりが氏名、あて名、国籍、住所を記載していれば方式的要件としてはそれで足りるという意味です。そのひとりの出願人の氏名、表示の記載で十分なので、記載不備による方式的な補正指令の対象とはなりません。

拡張
全体
18
拡張国際調査で作成された国際調査報告は現在の国際調査報告とどこが異なるのですか?
従来からの国際調査報告の一部として、今後は発明の特許性についての審査官の見解(国際調査見解書:ISOまたは WO/ISA)が加わります。
拡張された国際調査は、審査官が国際調査と同時に、発明の特許性(産業上の利用性、新規性、進歩性)についての肯定的または否定的な見解書を作成し、国際調査報告書に添付します。この国際調査機関による見解書は、出願人が国際予備審査を請求せずとも、また発明の特許性が肯定的な場合であっても(現在の国際予備審査の見解書は発明の特許性に否定的な見解があったときのみに作成されます)必ず作成されるので、出願人は、PCT国際段階のより早い時期に利用価値の高い審査官の判断を手に入れることができます。
また、見解書は、その国際出願について国際予備審査請求がされない場合は、「特許性に関する国際予備報告(第I章)(IPRP(第I章))」と改称されて指定国に送付されます。
他方、国際予備審査が請求された場合には、国際調査見解書は原則として国際予備審査機関による第一回目の見解書とみなされます。その後の国際予備審査の手続は現行と同様です。ただし、現行の「国際予備審査報告」は、上記「IPRP(第I章)」と平そくを合わせ、「特許性に関する国際予備報告(第II章)(IPRP(第II章))」と併称されることとなります。

拡張
ISO、WO/ISA
19
国際調査見解書の作成期間はいつまでですか?また、作成言語は?
国際調査見解書(ISOまたは WO/ISA)は、国際調査報告書と同時に作成されます。つまり、国際調査機関が国際出願の写しを受領してから3ヶ月以内、または優先日から9ヶ月以内のいずれか遅い日までが作成期限です。また、国際調査見解書は、国際調査報告書の言語と同じ言語で作成されます。
なお、作成された(1)国際調査報告書と(2)国際調査見解書は、出願人と国際事務局へ送付されます。国際事務局は、国際調査報告のみを国際公開し、国際調査見解書は国際公開しません。その後の見解書の取り扱いはQ&A22をご覧ください。

拡張
ISO、WO/ISA
20
国際調査報告とともに受領した国際調査見解書に対して出願人がとりうるアクションはなんですか?
次の5つが考えられます。
(1)国際調査見解書に対する反論を「コメント」として国際事務局に対して提出する。ただし、この「コメント」は、国際事務局が指定官庁に転送するために単に受付けるもので、PCT条約上で明文化されていない「非公式なコメント」として取り扱われます。(2)国際事務局に対して19条補正を提出する。(3)国際予備審査請求をする。それによって、国際調査見解書に対して正式に反駁、抗弁することができます。(4)国際出願を取り下げる(5)何もしない。
否定的な国際調査見解書に対しては、出願人は(1)から(4)のいずれかを希望することが予想されますが、国際予備審査報告を肯定的な報告に転じさせたいときには、(3)により34条補正や答弁書を提出することが必要です。

拡張
ISO、WO/ISAへのコメント
21
国際調査見解書に対して、非公式に反論する「コメント」を提出できると聞きました。
いつまでに、だれが、どのように、どこへ出せばいいのでしょうか?
いつまでに…国際段階であれば、いつでもできます。
誰が…出願人
どのように…様式はありませんので自由な形式で書面を作成してください。
どこへ…国際事務局あてに提出してください。

拡張
ISO、WO/ISAへのコメント
22
国際事務局へ提出した「非公式のコメント」は、どのように扱われるのですか?
また、「非公式のコメント」を出せば何か効果があるのですか?
そのまま、国際事務局から指定官庁へ送付されます。
条約上明示された効果はありませんが、国際予備審査を請求しない場合に、国際調査見解書に対する意見、反論を指定官庁に対して示すことができます。その意見、反論は、指定官庁の実体審査の際に参酌されることとなります。

拡張
ISO(みなされた1回目の見解書)に対する抗弁・補正
23
国際予備審査請求がされた場合、国際調査見解書は 「国際予備審査機関が作成した第一回目の見解書」とみなされるとのことですが、従来の見解書には補正書や答弁書による、応答期間が明示されていました。 この、みなされた1回目の見解書に対する応答期間がいつまでかを明示した通知は、改めて出願人に送付されるのですか?
国際調査見解書に対する応答期間に関する通知等は、発出されません。
国際予備審査における見解書を受けて行う補正、答弁の目的は、主に国際予備審査報告においてそれらが適切に反映されることです。したがって、国際調査見解書が国際予備審査の1回目の見解とみなされた場合であっても、それに対して補正、答弁する際には、国際予備審査報告の作成に着手される以前でないと意味がありません。そこで、PCT規則、及び国際調査見解書の注意書きにおいても、出願人が国際調査見解書に対して何らかの応答をする場合には、その応答期限の目途として優先日から22ヶ月を推奨し、示しています。それまでに国際調査見解書に対する応答が提出されていれば、国際予備 審査機関が予備審査に着手する以前ですので、それらの応答が確実に予備審査に参酌されることとなります。
また、注意すべきは、国際予備審査報告の作成が現状のタイミングよりもかなり早まることです。つまり、国際調査見解書は、国際予備審査機関の見解書が既に作成されている扱いとなるので、予備審査請求→見解書作成→(指定応答期間内に抗弁・補正)→報告書作成という流れが、新たな制度により、予備審査請求=見解書作成済みとみなす→(既に応答期間が指定済み 抗弁・補正)→報告書となり、途中が省略された迅速な処理となります。
従って、みなされた1回目の見解書に対する抗弁(答弁書)、補正を行うことにより、肯定的な国際予備審査報告の作成を望む場合には、できれば国際予備審査の請求と同時、あるいは請求後すみやか に抗弁(答弁書)、補正を行うことが重要です。

なお、34条補正あるいは何らかの抗弁が提出されると、場合によっては同機関から2回目の見解書が出されます。そのようなときには、2回 目の見解書で示された応答期間内に再度34条補正をすることもできることになります。

予備審査請求
24
国際予備審査の手続に何か変更はありますか?
国際予備審査に関して大きな変更点は、 (1) 国際予備審査を請求する期限(*文末参照)が新たに設けられ、(2) 国際予備審査に必要な手数料の支払い期限は、国際予備審査の請求期限までとなることです。
手数料の支払い期限が現行の請求から1ヶ月以内から優先日から22ヶ月に改正されたことにより、国際予備審査の請求は国際出願時にしておき、実際にその請求を有効にするのは、必要な手数料を22ヶ月の満了前までに支払うことでコントロールすることが可能となります。
その他の変更点は、次のとおりです。(1)願書の要件の緩和と同じく、複数の出願人がいる場合の出願人記載要件、署名要件の緩和、(2)みなし全選択による、国の選択、後にする選択、選択通知等の廃止、(3) 国際予備審査に必要な手数料額の適用を、請求日の額から支払日の額へ変更
なお、これらの改正に関連した効果、作用も付随して改正されています。
*予備審査請求の期限*
国際調査報告の発送の日から3ヶ月、または優先日から22ヶ月のいずれか遅く満了する日(それを過ぎると、請求はなかったものとみなされます。)

予備審査請求
Q24-2
予備審査の請求期限と手数料の支払期限が新たに導入されたため、予備審査機関の審査開始が請求期限(Q&A24参照)以降となりましたが、もっと早く予備審査を開始してほしいときは、どうすればいいのですか。
次の方法により予備審査の早期開始ができます。
1. 国際予備審査請求時に早期開始を希望する。
2004.1月版の新様式で設けられた国際予備審査請求書<PDF 94KB>の「第IV欄 国際予備審査に対する基本事項」の 「4.  出願人が国際予備審査を規則54の2.1(a)に基づき適用される期間の満了よりも早く開始することを明示的に希望する。」
のチェックボックスにレ印を付けて提出してください。
2. 予備審査請求の後に早期開始を希望する。
予備審査請求後に、2004.1施行の国際出願法施行規則の改正で新たに設けられた「国際予備審査開始請求書」(同規則様式第21の3(第21の4(英語)))をIPEA/JPに提出してください。
国際予備審査開始請求書の様式見本<PDF 12KB>
 ただし、これらのいずれかの方法で早期開始請求を行ったとしても、Q&A24でご説明したとおり、予備審査手数料の支払いがなければ予備審査機関は予備審査を開始しません。

予備審査報告
25
特許性に関する国際予備報告(第II章)は、現行の国際予備審査報告と違いがありますか?
内容は全く同じもので、国際予備審査報告の副題として「特許性に関する国際予備報告(第II章)(IPRP(第II章))」が併記されます。今後は、IPRP(第II章)という呼称が一般的になっていくものと思われます。

予備審査報告
26
IPRP(第I章)とIPRP(第II章)の違いは何ですか?
審査官が特許性を判断する発明の土台が異なります。
IPRP(第I章)は、特許性に関する審査官の見解を示す対象は、"国際出願時の国際出願"です。他方、IPRP(第II章)は、"その後の補正(19条、34条)及び出願人から審査官への反論等を踏まえて練り直された国際出願"を対象として作成されたものです。このように、IPRP(第I章)とIPRP(第II章)とは、報告書の対象となる国際出願の土台が異なることになります。

予備審査報告
27
では、IPRP(第I章)とIPRP(第II章)ともに、特許性の判断をする「基準日」は同一ということですか?
はい。ともに優先日が基準日となります。
IPRPは、第I章、第II章のいずれであっても、発明の特許性にかかる審査官の判断です。したがって、判断の基準日はいずれも同じ基準日を持つ必要があります。そこで、現行国際予備審査における特許性の判断基準日としている「優先日(優先権主張があれば基礎出願日、なければ国際出願日)」をIPRPにとっての統一的な基準日としています。
なお、IPRP(第I章)を構成する国際調査見解書の作成は、国際調査報告書の作成と同時に行われますが、前者は優先日を特許性判断の基準日とし、後者は国際出願日を先行技術判断の基準日とします。これは、先行技術の判断を、たとえ指定国によって優先権主張が有効に認められなかったとしても、その価値を減じないために、より広めの範囲で先行技術の調査をしているからです。

国内移行期限経過後の権利回復
28
今回のPCTの改正規則では、国内移行期限を過ぎても、権利回復が認められる救済措置が導入されたと聞きました。救済の事由として何が認められますか?
(1)出願人の故意でない事由により徒過した場合、(2)出願人が相当な注意を払ったにもかかわらず徒過した場合、の二つの事由のいずれかを指定官庁が国内法令に規定し、国内移行期限を徒過した国際出願の権利回復に適用します。この救済措置は、条約としては2003年1月1日に発効していますが、指定国によってはこの救済措置の国内適用をいまだ保留している国もあります(日本も保留している国のひとつ)。指定国への国内期限徒過によって喪失した権利を回復するためには、当該指定国が本改正規則を国内法令に適用し、かつ徒過の事由がその国の認める事由であることが前提条件となります。

国内移行期限経過後の権利回復
29
本件の権利回復規定(規則49.6)が規定する「出願人が国内移行期限を遵守できなかった場合」の「出願人」には、代理人も含まれますか?
「出願人」には、代理人も含まれます。
そもそもPCTでは、規則2.1に規定されるように「出願人」は、出願人の代理人その他の代表者をも含んだ概念です。その考え方を適用し、また本件改正の国際会議においても「出願人」の定義に「代理人ほか」を除外することで議論がなされた経緯もありませんので、「出願人が国内移行期限を遵守できなかった場合」の「出願人」には、代理人も含まれるものと思われます。しかし、具体的な判断基準と事例は、各指定国の国内法令の問題でありますので、PCTとしての統一された見解は今のところありません。

国内移行期限
経過後の権利回復
30
国内移行期限の徒過に対する権利回復の救済措置は、いつまでに、どのような手続きによって認められるのでしょうか?
いつまでに…国内移行期限を徒過した日から12ヶ月以内(または、徒過の事由が解消した日から2ヶ月以内、いずれか早く満了する日まで)
どのような…出願人は国内移行手続きを行うとともに、権利回復の申請と徒過の事由を説明する必要があります。指定官庁が要求する場合には、回復のための手数料、または必要な証拠等を提出する必要があります。

オンライン出願
31
オンライン出願はいつからできるのですか?
未定です。
2004年のなるべく早い時期の開始を目指していますが、WIPOのオンライン出願ソフトの不具合解消の進ちょく状況によります。
 → PCTオンライン出願の延期について


[更新日 2004.1.21]