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第二条 締約国の法令及び特定の国際条約によって与えられる他の保護の適用 |
(1) | 〔締約国の法令及び特定の国際条約〕 |
この改正協定は、締約国の法令によって与えられる一層厚い保護の適用に影響を及ぼすものではなく、また、著作権に関する国際条約及び協定によって美術の著作物及び応用美術の著作物に与えられる保護又は世界貿易機関を設立する協定に附属する知的所有権の貿易関連の側面に関する協定によって意匠に与えられる保護に何ら影響を及ぼすものではない。 |
(2) | 〔パリ条約を遵守する義務〕 |
締約国は、パリ条約の規定で意匠に関するものを遵守する。 |
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第一章 国際出願及び国際登録 |
第三条 国際出願をする資格 |
締約国である国の国民若しくは締約国である政府間機関の構成国の国民である者又は締約国の領域に住所、常居所若しくは現実かつ真正の工業上若しくは商業上の営業所を有する者は、国際出願をする資格を有する。 |
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第四条 国際出願をするための手続 |
(1) | 〔直接又は間接の出願〕 |
| (a) | 出願人は、その選択により、国際事務局に対し直接に、又は出願人の締約国の官庁を通じて国際出願をすることができる。 |
| (b) | (a)の規定にかかわらず、いずれの締約国も、宣言により、自国の官庁を通じて国際出願をすることができない旨を事務局長に通告することができる。 |
(2) | 〔間接の出願の場合の送付手数料〕 |
いずれの締約国の官庁も、自己を通ずる国際出願について送付手数料を支払うことを出願人に要求することができる。 |
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第五条 国際出願の内容 |
(1) | 〔国際出願に必須の内容〕 |
国際出願については、一の所定の言語で作成し、及び次のものを含め、又は添付する。 |
| | (i) | この改正協定に基づく国際登録の請求 |
| | (ii) | 出願人に関する所定の事項 |
| | (iii) | 国際出願の対象である意匠の一の複製物又は出願人の選択による二以上の異なる複製物の写し(所定の方法により提出されるもの)の所定の部数。ただし、意匠が平面的なものであり、かつ、(5)の規定に基づいて公表の延期の請求がなされている場合には、国際出願には、複製物を含めることに代えて、所定の部数の意匠の見本を添付することができる。 |
| | (iv) | 意匠を構成する一若しくは二以上の製品又は意匠が使用されることとなる一若しくは二以上の製品の所定の表示 |
| | (v) | 指定締約国の表示 |
| | (vi) | 所定の手数料 |
| | (vii) | その他の所定の事項 |
(2) | 〔国際出願に追加される必須の内容〕 |
| (a) | その官庁が審査官庁である締約国であって、自国の法令が意匠の保護の付与のための出願について自国の法令に基づいて出願日が認められるためには、当該出願が(b)に規定する要素のいずれかを含むことをこの改正協定の締約国となる時に要求するものは、宣言により、当該要素について事務局長に通告することができる。 |
| (b) | (a)の規定に基づいて通告することができる要素は、次のものとする。 |
| | (i) | 出願の対象である意匠の創作者の特定に関する表示 |
| | (ii) | 出願の対象である意匠の複製物又は特徴についての簡潔な説明 |
| | (iii) | 請求の範囲 |
| (c) | 国際出願に(a)の規定に基づいて通告を行った締約国の指定を含む場合には、当該国際出願には、所定の方法により通告の対象である要素についても含める。 |
(3) | 〔国際出願の他の内容〕 |
国際出願には、規則に定める他の要素を含め、又は添付することができる。 |
(4) | 〔同一の国際出願における二以上の意匠〕 |
国際出願には、所定の条件に従い、二以上の意匠を含めることができる。 |
(5) | 〔公表の延期についての請求〕 |
国際出願には、公表の延期についての請求を含めることができる。 |
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第六条 優先権 |
(1) | 〔優先権の主張〕 |
| (a) | 国際出願には、パリ条約の締約国若しくは世界貿易機関の加盟国において又はこれらの国についてされた一又は二以上の先の出願に基づく優先権をパリ条約第四条の規定に基づいて主張する申立てを含めることができる。 |
| (b) | 規則は、(a)に規定する申立てを国際出願をした後に行うことができることを定めることができる。この場合には、規則は、当該申立てを行うことができる期限について定める。 |
(2) | 〔優先権の主張の基礎となる国際出願〕 |
国際出願は、その出願日から、出願の結果のいかんを問わず、パリ条約第四条に規定する正規の出願と同等のものとする。 |
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第七条 指定手数料 |
(1) | 〔所定の指定手数料〕 |
所定の手数料は、(2)の規定が適用される場合を除くほか、各指定締約国についての指定手数料を含む。 |
(2) | 〔個別の指定手数料〕 |
締約国であってその官庁が審査官庁であるもの及び政府間機関である締約国は、宣言により、これらの締約国が指定されている国際出願及び当該国際出願による国際登録の更新について、(1)に規定する所定の指定手数料を個別の指定手数料によって置き換えることを事務局長に通告することができる。当該個別の指定手数料の額は、当該宣言において表示するものとし、その後の宣言において変更することができる。それらの締約国は、最初の保護期間及び各更新期間について又は当該締約国が認める最長の保護期間について、当該個別の指定手数料の額を定めることができる。もっとも、当該個別の指定手数料は、当該締約国の官庁が同じ数の意匠に対して同じ期間の保護を付与するために出願人に支払わせることのできる額から国際手続の利用による節約分を減じた額に相当する額を上回ることができない。 |
(3) | 〔指定手数料の移転〕 |
国際事務局は、締約国について支払われた(1)及び(2)に規定する指定手数料を当該締約国に移転する。 |
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第八条 不備の補正 |
(1) | 〔国際出願の審査〕 |
国際事務局は、国際出願の受理の時に当該国際出願がこの改正協定及び規則の要件を満たしていないと認める場合には、出願人に対し所定の期間内に必要な補正をするよう求める。 |
(2) | 〔補正されない不備〕 |
| (a) | 国際出願は、出願人が所定の期間内に(1)に規定する求めに応じない場合には、(b)の規定が適用される場合を除くほか、放棄されたものとみなす。 |
| (b) | 第五条(2)の規定に関連する不備又は締約国が規則に従って事務局長に通告した特別の要件に関連する不備がある場合において、出願人が所定の期間内に(1)に規定する求めに応じないときは、国際出願は、それらの要素又は要件を要求した締約国の指定を含まないものとみなす。 |
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第九条 国際出願の出願日 |
(1) | 〔直接の国際出願〕 |
出願日は、国際出願が国際事務局に対して直接にされる場合には、(3)の規定が適用される場合を除くほか、国際事務局が当該国際出願を受理した日とする。 |
(2) | 〔間接の国際出願〕 |
出願日は、国際出願が出願人の締約国の官庁を通じてされる場合には、所定の方法により決定する。 |
(3) | 〔特定の不備のある国際出願〕 |
出願日は、国際事務局が国際出願を受理した日において、当該国際出願に出願日の延期を要する所定の不備がある場合には、国際事務局が当該不備の補正を受理した日とする。 |
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第十条 国際登録、国際登録の日、公表及び国際登録の秘密の写し |
(1) | 〔国際登録〕 |
国際事務局は、国際出願を受理した後直ちに、又は第八条の規定に従って補正をするよう求めている場合には必要な補正を受理した後直ちに、国際出願の対象である意匠を登録する。その登録は第十一条の規定に従って公表が延期されるか否かにかかわらず、するものとする。 |
(2) | 〔国際登録の日〕 |
| (a) | 国際登録の日は、(b)の規定が適用される場合を除くほか、国際出願の出願日とする。 |
| (b) | 国際登録の日は、国際事務局が国際出願を受理した日において、当該国際出願に第五条(2)の規定に関連する不備がある場合には、国際事務局が当該不備の補正を受理した日又は国際出願の出願日のいずれか遅い日とする。 |
(3) | 〔公表〕 |
| (a) | 国際登録は、国際事務局が公表する。その公表は、全ての締約国において十分なものとみなされるものとし、名義人が他の方法による公表を求められることはないものとする。 |
| (b) | 国際事務局は、公表された国際登録の写しを指定官庁に送付する。 |
(4) | 〔公表前の秘密の保持〕 |
国際事務局は、(5)及び次条(4)(b)の規定が適用される場合を除くほか、公表するまで国際出願及び国際登録を秘密のものとして取り扱う。 |
(5) | 〔秘密の写し〕 |
| (a) | 国際事務局は、登録の後直ちに送付される国際登録の写しを受け取ることを希望する旨を国際事務局に通報しており、かつ、国際出願において指定されている官庁に対し、当該国際出願に添付されている関連のある証明書、文書又は見本と共に当該写しを登録の後直ちに送付する。 |
| (b) | 官庁は、国際事務局が国際登録を公表するまで、国際事務局によって送付された当該国際登録の写しを秘密のものとして取り扱うものとし、また、当該国際登録の審査及び当該官庁が権限を有する締約国において又は当該締約国についてされた意匠の保護を求める出願の審査の目的のためにのみ、当該写しを使用することができる。特に、当該官庁は、当該国際登録の根拠となる国際出願をする資格についての紛争に係る行政的又は法的手続を目的とする場合を除くほか、当該国際登録の名義人以外の当該官庁の外部のいかなる者に対しても、当該国際登録の内容を漏らすことができない。当該行政的又は法的手続の場合には、当該国際登録の内容は、当該行政的又は法的手続に関係する当事者であって秘密の保持を尊重する義務を負うものに対し、秘密のものとしてのみ開示することができる。 |
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第十一条 公表の延期 |
(1) | 〔公表の延期に関する締約国の法令〕 |
| (a) | 締約国は、自国の法令が意匠の公表の延期について所定の期間よりも短い期間を規定している場合には、宣言により、認められる延期の期間を事務局長に通告する。 |
| (b) | 締約国は、自国の法令が意匠の公表の延期について規定していない場合には、宣言によりその事実を事務局長に通告する。 |
(2) | 〔公表の延期〕 |
国際出願が公表の延期の請求を含む場合には、当該公表は、次の時に行う。 |
| | (i) | 国際出願において指定されたいずれの締約国も(1)の規定に基づく宣言を行っていない場合には、所定の期間の満了の時 |
| | (ii) | 国際出願において指定された締約国のいずれかが(1)(a)の規定に基づく宣言を行っている場合には、当該宣言において通告された期間の満了の時又は、当該宣言を行った指定された締約国が二以上あるときは、当該締約国の宣言において通告された最も短い期間の満了の時 |
(3) | 〔適用される法令により延期することができない場合の延期の請求の取扱い〕 |
公表の延期が請求され、かつ、国際出願において指定された締約国のいずれかが自国の法令により公表を延期することができないことについて(1)(b)の規定に基づいて宣言を行っている場合には、 |
| | (i) | 国際事務局は、(ii)の規定が適用される場合を除くほか、その旨を出願人に通知する。当該出願人が所定の期間内に国際事務局に対する書面による届出により当該宣言を行った締約国の指
定を取り下げない場合には、国際事務局は、当該公表の延期の請求を考慮しない。 |
| | (ii) | 国際事務局は、国際出願に意匠の複製物を含めることに代えて意匠の見本が添付された場合には、当該宣言を行っている締約国の指定を考慮しないものとし、その旨を出願人に通知する。 |
(4) | 〔早期の公表又は国際登録への特別なアクセスの請求〕 |
| (a) | 名義人は、(2)の規定により適用される延期の期間中いつでも、国際登録の対象である意匠の一部又は全部の公表を請求することができる。この場合には、延期の期間は、国際事務局がその請求を受理した日に満了したものとみなす。 |
| (b) | 名義人は、(2)の規定により適用される延期の期間中いつでも、国際事務局に対し、国際登録の対象である意匠の一部若しくは全部についての抄本を自己が定める第三者に提供するよう、又は当該第三者に対して当該意匠の一部若しくは全部へのアクセスを認めるよう請求することができる。 |
(5) | 〔放棄及び限定〕 |
| (a) | 名義人が(2)の規定により適用される延期の期間中のいずれかの時において全ての指定締約国について国際登録を放棄する場合には、当該国際登録の対象である一又は二以上の意匠については、公表しない。 |
| (b) | 名義人が(2)の規定により適用される延期の期間中のいずれかの時において全ての指定締約国について国際登録をその対象である意匠の一部に限定する場合には、その他の意匠については、公表しない。 |
(6) | 〔公表及び複製物の提出〕 |
| (a) | 国際事務局は、所定の手数料の支払を条件として、この条の規定により適用される延期の期間の満了の時に国際登録を公表する。当該手数料が所定の方法により支払われない場合には、国際登録は、取り消され、及び公表されない。 |
| (b) | 名義人は、第五条(1)(iii)の規定に従って国際出願に意匠の一又は二以上の見本が添付された場合には、所定の期間内に、国際事務局に対し、当該国際出願の対象である意匠の複製物の所定の部数の写しを提出する。名義人が所定の期間内に当該写しを提出しない限り、国際登録は、取り消され、及び公表されない。 |
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第十二条 拒絶 |
(1) | 〔拒絶する権利〕 |
指定締約国の官庁は、国際登録の対象である意匠の一部又は全部が当該指定締約国の法令に基づく保護の付与のための条件を満たしていない場合には、当該指定締約国の領域における国際登録の一部又は全部の効果を拒絶することができる。ただし、いずれの官庁も、国際出願の形式若しくは記載事項に関する要件であって、この改正協定若しくは規則に定めるもの又は当該要件に追加的な若しくは当該要件と異なる要件が当該指定締約国の法令の規定を満たしていないことを理由に国際登録の一部又は全部の効果を拒絶することができない。 |
(2) | 〔拒絶の通報〕 |
| (a) | 国際登録の効果を拒絶する官庁は、所定の期間内に国際事務局に対しその拒絶を通報する。 |
| (b) | 拒絶の通報には、当該拒絶の根拠となる全ての理由を記載する。 |
(3) | 〔拒絶の通報の送付及び救済手段〕 |
| (a) | 国際事務局は、名義人に拒絶の通報の写しを遅滞なく送付する。 |
| (b) | 名義人は、国際登録の対象である意匠について、拒絶を通報した官庁に適用される法令に基づいて保護の付与のための出願をしたとしたならば与えられたであろう救済手段を与えられる。そのような救済手段は、少なくとも当該拒絶の再審査若しくは見直し又は当該拒絶に対する不服の申立ての可能性から成る。 |
(4) | 〔拒絶の取下げ〕 |
拒絶は、その一部又は全部について、当該拒絶を通報した官庁がいつでも取り下げることができる。 |
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第十三条 意匠の単一性に関する特別の要件 |
(1) | 〔特別の要件の通告〕 |
締約国は、自国の法令が、同じ出願の対象である二以上の意匠が意匠の単一性、製品の単一性若しくは使用の単一性の要件に合致すること若しくは同一の組若しくは構成の品目に属すること又は一の独立かつ別個の意匠のみを単一の出願において請求することができることをこの改正協定の締約国となる時に要求する場合には、宣言により、その旨を事務局長に通告することができる。もっとも、当該宣言は、国際出願が当該宣言を行った締約国を指定する場合であっても、第五条(4)の規定に基づいて国際出願において二以上の意匠を含める出願人の権利に影響を及ぼすものではない。 |
(2) | 〔宣言の効果〕 |
(1)に規定する宣言を行った締約国の官庁は、自国が通告した要件に適合するまでの間、前条(1)の規定に基づいて国際登録の効果を拒絶することができる。 |
(3) | 〔登録の分割について支払うべき追加の手数料〕 |
(2)に規定する拒絶の通報の後に、当該通報に記載された拒絶の理由となった問題を克服するために関係する官庁において国際登録が分割される場合には、当該官庁は、当該拒絶の理由となった問題を回避するために必要とされる追加の国際出願について手数料を課することができる。 |
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第十四条 国際登録の効果 |
(1) | 〔適用される法令に基づく出願の効果〕 |
国際登録は、国際登録の日から、指定締約国において、当該指定締約国の法令に基づく意匠の保護の付与のための正規の出願と少なくとも同一の効果を有する。 |
(2) | 〔適用される法令に基づく保護の付与の効果〕 |
| (a) | 国際登録は、第十二条の規定に従いその官庁が拒絶を通報していない指定締約国において、遅くとも拒絶を通報するために当該指定締約国に認められている期間の満了の日から、又は当該指定締約国が規則に基づいて宣言を行った場合には遅くとも当該宣言において特定された時から、当該指定締約国の法令に基づく意匠の保護の付与と同一の効果を有する。 |
| (b) | 国際登録は、指定締約国の官庁が拒絶を通報し、その後当該拒絶の一部又は全部について取り下げた場合には、当該指定締約国において、当該拒絶が取り下げられた範囲については、遅くとも当該拒絶が取り下げられた日から、当該指定締約国の法令に基づく意匠の保護の付与と同一の効果を有する。 |
| (c) | この(2)の規定により国際登録に与えられる効果は、登録の対象である一又は二以上の意匠であって、指定官庁が国際事務局から受理し、又は該当する場合には当該指定官庁における手続によって修正されたものについて適用する。 |
(3) | 〔出願人の締約国の指定の効果に関する宣言〕 |
| (a) | その官庁が審査官庁である締約国は、宣言により、事務局長に対し、自国が出願人の締約国である場合には、国際登録における自国の指定が効果を有しない旨を通告することができる。 |
| (b) | 国際事務局は、(a)に規定する宣言を行った締約国が出願人の締約国及び指定締約国の双方として国際出願に表示されている場合には、当該指定締約国の指定を考慮しない。 |
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第十五条 無効 |
(1) | 〔防御の機会の要件〕 |
指定締約国の領域における国際登録の効果の一部又は全部に関する当該指定締約国の権限のある当局による無効の決定は、当該国際登録の名義人に自己の権利を防御する機会を適時に与えることなく行うことができない。 |
(2) | 〔無効の通報〕 |
その領域において国際登録の効果が無効となった締約国の官庁は、その無効について知った場合には、その旨を国際事務局に通報する。 |
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第十六条 国際登録に関する変更その他の事項の記録 |
(1) | 〔変更その他の事項の記録〕 |
国際事務局は、国際登録簿に所定の方法により次の事項を記録する。 |
| | (i) | 指定締約国の一部又は全部及び国際登録の対象である意匠の一部又は全部についての国際登録の所有権の変更。ただし、新権利者が第三条の規定に基づいて国際出願をする資格を有する場合に限る。 |
| | (ii) | 名義人の氏名若しくは名称又は住所の変更 |
| | (iii) | 出願人又は名義人の代理人の選任及び当該代理人に関する他の関連事項 |
| | (iv) | 国際登録に関し、指定締約国の一部又は全部について行われた名義人による放棄 |
| | (v) | 国際登録に関し、指定締約国の一部又は全部について、国際登録の対象である一又は二以上の意匠に対して付された名義人による限定 |
| | (vi) | 国際登録に関し、国際登録の対象である意匠の一部又は全部についての指定締約国の権限のある当局による当該指定締約国の領域における効果の無効 |
| | (vii) | 国際登録の対象である意匠の一部又は全部についての権利に関する他の関連事項であって規則に定めるもの |
(2) | 〔国際登録簿における記録の効果〕 |
(1)(i)、(ii)及び(iv)から(vii)までに規定する記録は、関係する締約国の官庁の登録簿に記録されたとしたならば有したであろう効果と同一の効果を有する。ただし、締約国が宣言により事務局長に対し、(1)(i)に規定する記録について、自国の官庁が当該宣言において特定する証明書又は文書を受領するまで自国において効果を有しない旨を通告する場合は、この限りでない。 |
(3) | 〔手数料〕 |
(1)に規定する記録については、手数料の支払を条件とすることができる。 |
(4) | 〔公表〕 |
国際事務局は、(1)に規定する記録に関する記載事項を公表する。国際事務局は、公表された当該記載事項の写しを関係する締約国の官庁に送付する。 |
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第十七条 国際登録の最初の期間及び更新並びに保護の存続期間 |
(1) | 〔国際登録の最初の期間〕 |
国際登録は、国際登録の日から起算して五年を最初の期間として効果を有する。 |
(2) | 〔国際登録の更新〕 |
国際登録は、所定の手続に従い、所定の手数料を支払うことを条件として、更に五年の期間更新することができる。 |
(3) | 〔指定締約国における保護の存続期間〕 |
| (a) | 指定締約国における保護の存続期間は、国際登録が更新されることを条件として、(b)の規定が適用される場合を除くほか、国際登録の日から起算して十五年とする。 |
| (b) | 指定締約国の法令に基づいて保護が付与されている意匠について十五年を超える保護の存続期間を当該指定締約国の法令に定めている場合には、保護の存続期間は、国際登録が更新されることを条件として、当該指定締約国の法令に定める期間と同一とする。 |
| (c) | 締約国は、宣言により、自国の法令に定める最長の保護の存続期間を事務局長に通告する。 |
(4) | 〔部分的な更新の可能性〕 |
国際登録の更新は、指定締約国の一部又は全部及び国際登録の対象である意匠の一部又は全部についてすることができる。 |
(5) | 〔更新の記録及び公表〕 |
国際事務局は、国際登録簿に更新を記録し、その記録に関する記載事項を公表する。国際事務局は、公表された当該記載事項の写しを関係する締約国の官庁に送付する。 |
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第十八条 公表された国際登録に関する情報 |
(1) | 〔情報へのアクセス〕 |
国際事務局は、公表された国際登録に関し、所定の手数料を支払った上で国際登録簿の抄本又は国際登録簿の内容に関する情報を請求するいかなる者に対してもこれらの抄本又は情報を提供する。 |
(2) | 〔認証の免除〕 |
国際事務局が提供する国際登録簿の抄本は、締約国における認証のいかなる要件も免除される。 |
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第二章 管理規定 |
第十九条 二以上の国の共通の官庁 |
(1) | 〔共通の官庁の通告〕 |
この改正協定の締約国となる意思を有する二以上の国が意匠に関する国内法令を統一した場合又はこの改正協定の締約国である二以上の国が意匠に関する国内法令を統一することに合意した場合には、これらの国は、事務局長に次のことを通告することができる。 |
| | (i) | 一の共通の官庁がこれらの国のそれぞれの官庁を代行すること。 |
| | (ii) | この改正協定の第一条、第三条から前条まで及び第三十一条の規定の適用上、統一された法令が適用されるこれらの国の領域全体が単一の締約国とみなされること。 |
(2) | 〔通告が行われる時〕 |
(1)に規定する通告は、次の時に行う。 |
| | (i) | この改正協定の締約国となる意思を有する国については、第二十七条(2)に規定する文書を寄託した時 |
| | (ii) | この改正協定の締約国については、国内法令が統一された後のいずれかの時 |
(3) | 〔通告の効力発生の日〕 |
(1)及び(2)に規定する通告は、次の時に効力を生ずる。 |
| | (i) | この改正協定の締約国となる意思を有する国については、当該国がこの改正協定に拘束される時 |
| | (ii) | この改正協定の締約国については、事務局長が当該通告につき他の締約国に通報した日の後三箇月を経過した時又は当該通告に示されたそれ以降の日 |
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第二十条 ハーグ同盟の構成国 |
締約国は、千九百三十四年改正協定又は千九百六十年改正協定の当事国と共に同一の同盟の構成国となるものとする。 |
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第二十一条 総会 |
(1) | 〔構成〕 |
| (a) | 締約国は、千九百六十七年補足協定第二条の規定に拘束される国と共に同一の総会の構成国となるものとする。 |
| (b) | 総会の各構成国は、総会において一人の代表により代表されるものとし、代表は、代表代理、顧問及び専門家の補佐を受けることができる。また、各代表は、一の締約国のみを代表することができる。 |
| (c) | 総会の構成国でない同盟の構成国は、総会の会合にオブザーバーとして出席することを認められる。 |
(2) | 〔任務〕 |
| (a) | 総会は、次のことを行う。 |
| | (i) | 同盟の維持及び発展並びにこの改正協定の実施に関する全ての事項を取り扱うこと。 |
| | (ii) | この改正協定又は千九百六十七年補足協定に基づき特に与えられた権利を行使し、及び任務を遂行すること。 |
| | (iii) | 事務局長に対し改正会議の準備に関する指示を与え、及び当該改正会議の招集を決定すること。 |
| | (iv) | 規則を修正すること。 |
| | (v) | 同盟に関する事務局長の報告及び活動を検討し、及び承認すること並びに事務局長に対し同盟の権限内の事項について全ての必要な指示を与えること。 |
| | (vi) | 同盟の事業計画を決定し、及び二年予算を採択すること並びに同盟の決算を承認すること。 |
| | (vii) | 同盟の財政規則を採択すること。 |
| | (viii) | 同盟の目的を達成するために適当と認める委員会及び作業部会を設置すること。 |
| | (ix) | (1)(c)の規定が適用される場合を除くほか、国、政府間機関及び非政府機関であって、総会の会合にオブザーバーとして出席することを認められるものを決定すること。 |
| | (x) | 同盟の目的を達成するために他の適当な措置をとり、及びこの改正協定に基づく適当な他の任務を遂行すること。 |
| (b) | 総会は、同盟以外の諸同盟であって、機関が管理業務を行っているものにも利害関係のある事項については、機関の調整委員会の助言を受けた上で決定を行う。 |
(3) | 〔定足数〕 |
| (a) | 各事項に係る総会においての投票については、当該各事項について投票権を有する国である総会の構成国の二分の一をもって定足数とする。 |
| (b) | 総会は、(a)の規定にかかわらず、いずれの会合においても、各事項について投票権を有し、かつ、代表を出した国である総会の構成国の数が当該各事項について投票権を有する国である総会の構成国の二分の一に満たないが三分の一以上である場合には、決定を行うことができる。ただし、その決定は、総会の手続に関する決定を除くほか、次の条件が満たされた場合にのみ効力を生ずる。すなわち、国際事務局は、当該事項について投票権を有するが代表を出さなかった国である総会の構成国に対し、その決定を通報し、その通報の日から三箇月の期間内に賛否又は棄権を書面によって表明するよう要請する。当該期間の満了の時に、賛否又は棄権を表明した国である総会の構成国の数が会合の定足数の不足を満たすこととなり、かつ、必要とされる多数の賛成がなお存在する場合には、当該決定は、効力を生ずる。 |
(4) | 〔総会における決定〕 |
| (a) | 総会は、コンセンサス方式によって決定するよう努める。 |
| (b) | コンセンサス方式によって決定することができない場合には、問題となっている事項は、投票によって決定する。この場合には、次のとおり投票する。 |
| | (i) | 国である締約国は、それぞれ一の票を有し、自国の名においてのみ投票する。 |
| | (ii) | 政府間機関である締約国は、当該政府間機関の構成国であってこの改正協定の締約国であるものの総数に等しい数の票により、当該構成国に代わって投票することができる。当該政府間機関は、当該構成国のいずれかが自国の投票権を行使する場合には、投票に参加してはならない。また、当該政府間機関が自らの投票権を行使する場合には、当該構成国のいずれも投票に参加してはならない。 |
| (c) | 千九百六十七年補足協定第二条の規定に拘束される国のみに関する事項については、同条の規定に拘束されない締約国は投票権を有しないものとし、また、締約国のみに関する事項については、締約国のみが投票権を有する。 |
(5) | 〔多数による議決〕 |
| (a) | 総会の決定は、第二十四条(2)及び第二十六条(2)の規定が適用される場合を除くほか、投票数の三分の二以上の多数による議決で行う。 |
| (b) | 棄権は、投票とみなさない。 |
(6) | 〔会合〕 |
| (a) | 総会は、事務局長の招集により、二年ごとに一回、通常会合として会合するものとし、例外的な場合を除くほか、機関の一般総会と同一期間中に同一の場所において会合する。 |
| (b) | 総会は、総会の構成国の四分の一以上の要請又は事務局長の発意に基づき、事務局長の招集により、臨時会合として会合する。 |
| (c) | 各会合の議題は、事務局長が作成する。 |
(7) | 〔手続規則〕 |
総会は、その手続規則を採択する。 |
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第二十二条 国際事務局 |
(1) | 〔管理業務〕 |
| (a) | 国際登録及び関連の任務並びに同盟に関連する全ての管理業務は、国際事務局が行う。 |
| (b) | 国際事務局は、特に、会合の準備を行い、並びに総会並びに総会が設置する専門家委員会及び作業部会の事務局の職務を行う。 |
(2) | 〔事務局長〕 |
事務局長は、同盟の首席の職員とするものとし、同盟を代表する。 |
(3) | 〔総会以外の会合〕 |
事務局長は、総会の設置する委員会及び作業部会並びに同盟に関する問題を取り扱う他の全ての会合を招集する。 |
(4) | 〔総会及び他の会合における国際事務局の役割〕 |
| (a) | 事務局長及び事務局長の指名する者は、総会並びに総会が設置する委員会及び作業部会の全ての会合並びに同盟の後援の下に事務局長によって招集される他の会合に投票権なしで参加する。 |
| (b) | 事務局長又は事務局長の指名する一人の職員は、当然に、総会並びに(a)に規定する委員会、作業部会及び他の会合における事務局の長としての職務を行う。 |
(5) | 〔会議〕 |
| (a) | 国際事務局は、総会の指示に従って改正会議の準備を行う。 |
| (b) | 国際事務局は、(a)に規定する準備に関し政府間機関並びに国際的な及び国内の非政府機関と協議することができる。 |
| (c) | 事務局長及び事務局長の指名する者は、改正会議における審議に投票権なしで参加する。 |
(6) | 〔他の任務〕 |
国際事務局は、この改正協定に関連して国際事務局に与えられる他の任務を遂行する。 |
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第二十三条 財政 |
(1) | 〔予算〕 |
| (a) | 同盟は、予算を有する。 |
| (b) | 同盟の予算は、同盟に固有の収入及び支出並びに機関が管理業務を行っている諸同盟の共通経費の予算に対する同盟の分担金から成る。 |
| (c) | 諸同盟の共通経費とは、同盟にのみでなく機関が管理業務を行っている一又は二以上の同盟以外の諸同盟にも帰すべき経費をいう。共通経費についての同盟の分担の割合は、共通経費が同盟にもたらす利益に比例する。 |
(2) | 〔同盟以外の諸同盟の予算との調整〕 |
同盟の予算は、同盟以外の諸同盟であって、機関が管理業務を行っているものの予算との調整の必要性を十分に考慮した上で決定する。 |
(3) | 〔予算の財源〕 |
同盟の予算は、次のものを財源とする。 |
| | (i) | 国際登録に係る手数料 |
| | (ii) | 国際事務局が同盟に関連して提供する他の役務について支払われる料金 |
| | (iii) | 同盟に関する国際事務局の刊行物の販売代金及び当該刊行物に係る権利の使用料 |
| | (iv) | 贈与、遺贈及び補助金 |
| | (v) | 賃貸料、利子その他の雑収入 |
(4) | 〔手数料及び料金の決定並びに予算の水準〕 |
| (a) | (3)(i)に規定する手数料の額は、事務局長の提案に基づいて総会が決定する。(3)(ii)に規定する料金については、事務局長が定めるものとし、次の会合において総会の承認を得ることを条件として、暫定的に適用する。 |
| (b) | (3)(i)に規定する手数料の額は、手数料及び他の財源による同盟の歳入が少なくとも同盟に関する国際事務局の全ての経費を賄うことができるように決定する。 |
| (c) | 予算は、新会計年度の開始前に採択されなかった場合には、財政規則の定めるところにより、前年度の予算と同等の水準のものとする。 |
(5) | 〔運転資金〕 |
同盟は、超過した収入又は当該収入が十分でない場合には、当該収入及び同盟の各構成国の一回限りの支払金から成る運転資金を有する。当該運転資金が十分でなくなった場合には、総会がその増額を決定する。支払の比率及び条件は、事務局長の提案に基づいて総会が決定する。 |
(6) | 〔接受国による立替え〕 |
| (a) | その領域内に機関の本部が所在する国との間で締結される本部協定には、運転資金が十分でない場合に当該国が立替えをすることを定める。立替えの額及び条件は、当該国と機関との間の別個の取極によってその都度定める。 |
| (b) | (a)に規定する国及び機関は、それぞれ、書面による通告により立替えの約束を廃棄する権利を有する。廃棄は、通告が行われた年の終わりから三年を経過した時に効力を生ずる。 |
(7) | 〔会計検査〕 |
会計検査は、財政規則の定めるところにより、同盟の一若しくは二以上の構成国又は外部の会計検査専門家が行う。これらの構成国又は会計検査専門家は、総会がこれらの構成国又は会計検査専門家の同意を得て指名する |
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第二十四条 規則 |
(1) | 〔対象事項〕 |
規則は、この改正協定の実施に関する細目について規律する。規則は、特に次の事項に関する規定を含む。 |
| | (i) | この改正協定において所定の事項であることが明示的に定められている事項 |
| | (ii) | この改正協定の規定に関する更なる細目又はこの改正協定の規定を実施するために有用な細目 |
| | (iii) | 事務的な要件、事項又は手続 |
(2) | 〔規則の特定の規定の修正〕 |
| (a) | 規則は、その特定の規定について全会一致によってのみ又は五分の四以上の多数による議決によってのみ修正することができることを規定することができる。 |
| (b) | 規則の修正について、全会一致又は五分の四以上の多数による議決の要件を将来においてもはや適用しないものとするためには、全会一致によることを必要とする。 |
| (c) | 規則の修正について、全会一致又は五分の四以上の多数による議決の要件を将来において適用するためには、五分の四以上の多数による議決を必要とする。 |
(3) | 〔この改正協定と規則との抵触〕 |
この改正協定の規定と規則の規定とが抵触する場合には、この改正協定の規定が優先する。 |
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第三章 改正及び修正 |
第二十五条 この改正協定の改正 |
(1) | 〔改正会議〕 |
この改正協定は、締約国の会議によって改正することができる。 |
(2) | 〔特定の規定の改正又は修正〕 |
第二十一条から第二十三条まで及び次条の規定は、改正会議により又は次条の規定に従って総会により修正することができる。 |
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第二十六条 総会による特定の規定の修正 |
(1) | 〔修正の提案〕 |
| (a) | 第二十一条から第二十三条まで及びこの条の規定の総会による修正の提案は、締約国又は事務局長が行うことができる。 |
| (b) | (a)に規定する提案は、総会による審議の遅くとも六箇月前までに、事務局長が締約国に送付する。 |
(2) | 〔多数による議決〕 |
(1)に規定する条の規定の修正の採択は、四分の三以上の多数による議決を必要とする。ただし、第二十一条又はこの(2)の規定の修正の採択は、五分の四以上の多数による議決を必要とする。 |
(3) | 〔効力発生〕 |
| (a) | (1)に規定する条の規定の修正は、(b)の規定が適用される場合を除くほか、当該修正が採択された時に総会の構成国であって当該修正についての投票権を有していた締約国の四分の三から、それぞれの憲法上の手続に従って行われた受諾についての書面による通告を事務局長が受領した後一箇月で効力を生ずる。 |
| (b) | 第二十一条(3)若しくは(4)又はこの(b)の規定の修正は、総会による採択の後六箇月以内にいずれかの締約国が当該修正を受諾しない旨を事務局長に通告した場合には、効力を生じない。 |
| (c) | この(3)の規定に従って効力を生ずる修正は、当該修正が効力を生ずる時に締約国であり、又はその後に締約国となる全ての国及び政府間機関を拘束する。 |
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第四章 最終規定 |
第二十七条 この改正協定の当事者となるための手続 |
(1) | 〔資格〕 |
(2)及び(3)並びに次条の規定に従うことを条件として、次のものは、この改正協定に署名すること及びこの改正協定の当事者となることができる。 |
| | (i) | 機関の加盟国 |
| | (ii) | 政府間機関であって、その設立条約が適用される領域において効果を有する意匠の保護を付与することができる官庁を維持するもの。ただし、当該政府間機関の構成国のうち少なくとも一の国が機関の加盟国であり、及び当該加盟国の官庁が第十九条の規定に基づく通告の対象で
ない場合に限る。 |
(2) | 〔批准又は加入〕 |
(1)に規定する機関の加盟国又は政府間機関は、次のものを寄託することができる。 |
| | (i) | この改正協定に署名している場合には、批准書 |
| | (ii) | この改正協定に署名していない場合には、加入書 |
(3) | 〔寄託が有効となる日〕 |
| (a) | (b)から(d)までの規定が適用される場合を除くほか、批准書又は加入書(この(3)において「文書」と総称する。)の寄託が有効となる日は、文書が寄託された日とする。 |
| (b) | 政府間機関の構成国であって、当該政府間機関が維持する官庁を通じてのみ意匠の保護を付与することができるものの文書の寄託が有効となる日は、当該政府間機関の文書が寄託された日が当該国の文書が寄託された日よりも遅い日である場合には、当該政府間機関の文書が寄託された日とする。 |
| (c) | 第十九条に規定する通告を含み、又は伴う文書の寄託が有効となる日は、当該通告を行った国の集団に属する国の最後の文書が寄託された日とする。 |
| (d) | いずれの国も、この改正協定の締約国となる資格を有する他の一の国若しくは一の政府間機関、他の二の国又は他の一の国及び一の政府間機関の文書も寄託されることを自国が文書を寄託したとみなされる条件とする旨の宣言を文書に含め、又は伴わせることができる。この場合において、これらの他の国又は政府間機関については、その名称を明示する。当該宣言を含み、又は伴う文書は、当該宣言に明示する条件が満たされた日に寄託されたものとみなされる。ただし、当該文書は、当該宣言に明示する文書がそれ自体同種の宣言を含み、又は伴う場合には、当該同種の宣言に明示する条件が満たされた日に寄託されたものとみなされる。 |
| (e) | (d)の規定に基づいて行われた宣言は、いつでも、その全部又は一部を撤回することができる。その撤回は、事務局長が当該撤回の通告を受領した日に効力を生ずる。 |
|
第二十八条 批准及び加入の効力発生の日 |
(1) | 〔考慮されるべき文書〕 |
この条の規定の適用上、前条(1)に規定する機関の加盟国又は政府間機関によって寄託され、かつ、同条(3)の規定に従ってその寄託が有効となった批准書又は加入書のみが考慮される。 |
(2) | 〔この改正協定の効力発生〕 |
この改正協定は、六の国が批准書又は加入書を寄託した後三箇月で効力を生ずる。ただし、国際事務局によって収集された最新の年次統計において、当該六の国のうち少なくとも三の国のそれぞれが少なくとも次のいずれかの条件を満たしていなければならない。 |
| | (i) | 意匠の保護を求める出願が当該国において及び当該国について三千以上行われていること。 |
| | (ii) | 意匠の保護を求める出願が当該国において及び当該国について、当該国以外の国の居住者により千以上行われていること。 |
(3) | 〔批准及び加入の効力発生〕 |
| (a) | この改正協定の効力発生の日の三箇月前までに批准書又は加入書を寄託した国又は政府間機関は、この改正協定の効力発生の日にこの改正協定に拘束される。 |
| (b) | その他の国又は政府間機関は、批准書若しくは加入書を寄託した日の後三箇月で、又はこれらの文書に明示されたそれ以降の日に、この改正協定に拘束される。 |
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第二十九条 留保の禁止 |
この改正協定に対するいかなる留保も、認められない。 |
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第三十条 締約国が行う宣言 |
(1) | 〔宣言が行われる時〕 |
第四条(1)(b)、第五条(2)(b)、第七条(2)、第十一条(1)、第十三条(1)、第十四条(3)、第十六条(2)又は第十七条(3)(c)の規定に基づく宣言は、次の時に行うことができる。 |
| | (i) | 第二十七条(2)に規定する文書の寄託の時。この場合には、当該宣言は、当該宣言を行った国又は政府間機関がこの改正協定に拘束される日に効力を生ずる。 |
| | (ii) | 第二十七条(2)に規定する文書の寄託の後。この場合には、当該宣言は、事務局長が当該文書を受領した日の後三箇月で、又は当該宣言において明示されたそれ以降の日に、効力を生ずる。もっとも、その効力が生ずる日以降の日を国際登録の日とする国際登録についてのみ適用する。 |
(2) | 〔共通の官庁を有する国による宣言〕 |
(1)の規定にかかわらず、(1)に規定する宣言であって、第十九条(1)の規定に基づき一又は二以上の他の国と共に、共通の官庁が国内の官庁を代行することを事務局長に通告した国によって行われたものは、当該他の国が相応の宣言を行った場合にのみ効力を生ずる。 |
(3) | 〔宣言の撤回〕 |
(1)に規定する宣言は、事務局長に宛てた通告によりいつでも撤回することができる。その撤回は、事務局長が当該通告を受領した日の後三箇月で、又は当該通告において明示された日以降の日に、効力を生ずる。第七条(2)の規定に基づいて行われる宣言の場合には、当該撤回は、その効力が生ずる前に提出された国際出願に影響を及ぼすものではない。 |
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第三十一条 千九百三十四年改正協定及び千九百六十年改正協定の適用 |
(1) | 〔この改正協定及び千九百三十四年改正協定の双方を締結した国の間又はこの改正協定及び千九百六十年改正協定の双方を締結した国の間の関係〕 |
この改正協定及び千九百三十四年改正協定の双方を締結した国の間又はこの改正協定及び千九百六十年改正協定の双方を締結した国の間の相互の関係においては、この改正協定のみを適用する。ただし、それらの国は、この改正協定がその相互の関係において適用される日前に国際事務局に寄託された意匠については、千九百三十四年改正協定又は千九百六十年改正協定を適用する。 |
(2) | 〔この改正協定及び千九百三十四年改正協定の双方を締結した国又はこの改正協定及び千九百六十年改正協定の双方を締結した国と千九百三十四年改正協定又は千九百六十年改正協定を締結した国であって、この改正協定を締結していないものとの間の関係〕 |
| (a) | この改正協定及び千九百三十四年改正協定の双方を締結した国は、千九百三十四年改正協定を締結した国であって、千九百六十年改正協定又はこの改正協定を締結していないものとの関係において、千九百三十四年改正協定を引き続き適用する。 |
| (b) | この改正協定及び千九百六十年改正協定の双方を締結した国は、千九百六十年改正協定を締結した国であって、この改正協定を締結していないものとの関係において、千九百六十年改正協定を引き続き適用する。 |
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第三十二条 この改正協定の廃棄 |
(1) | 〔通告〕 |
いずれの締約国も、事務局長に宛てた通告によりこの改正協定を廃棄することができる。 |
(2) | 〔効力発生の日〕 |
廃棄は、事務局長がその通告を受領した日の後一年で、又は当該通告において明示されたそれ以降の日に、効力を生ずる。廃棄は、これを行った締約国に関し、当該廃棄が効力を生ずる時に係属中の国際出願及び効果を有する国際登録についてのこの改正協定の適用に影響を及ぼさない。 |
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第三十三条 この改正協定の言語及び署名 |
(1) | 〔原本及び公定訳文〕 |
| (a) | この改正協定については、ひとしく正文である英語、アラビア語、中国語、フランス語、ロシア語及びスペイン語による原本一通について署名する。 |
| (b) | 事務局長は、関係政府と協議の上、総会が指定するその他の言語による公定訳文を作成する。 |
(2) | 〔署名のための期間〕 |
この改正協定は、その採択の後一年間、機関の本部において署名のために開放しておく。 |
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第三十四条 寄託者 |
この改正協定の寄託者は、事務局長とする。 |
外務大臣岸田文雄
経済産業大臣宮沢洋一
内閣総理大臣安倍晋三 |