農薬取締法
第三条(農薬の登録)

 製造者又は輸入者は、農薬について、農林水産大臣の登録を受けなければ、これを製造し若しくは加工し、又は輸入してはならない。ただし、その原材料に照らし農作物等、人畜及び生活環境動植物(その生息又は生育に支障を生ずる場合には人の生活環境の保全上支障を生ずるおそれがある動植物をいう。以下同じ。)に害を及ぼすおそれがないことが明らかなものとして農林水産大臣及び環境大臣が指定する農薬(以下「特定農薬」という。)を製造し若しくは加工し、又は輸入する場合、第三十四条第一項の登録に係る農薬で同条第六項において準用する第十六条の規定による表示のあるものを輸入する場合その他農林水産省令・環境省令で定める場合は、この限りでない。
2 前項の登録の申請は、次に掲げる事項を記載した申請書及び農薬の安全性その他の品質に関する試験成績を記載した書類その他第四項の審査のために必要なものとして農林水産省令で定める資料を提出して、これをしなければならない。この場合において、試験成績のうち農林水産省令で定めるもの(以下「特定試験成績」という。)は、その信頼性を確保するために必要なものとして農林水産省令で定める基準に従って行われる試験(以下「基準適合試験」という。)によるものでなければならない。
 一 氏名(法人の場合にあっては、その名称及び代表者の氏名。第十二号を除き、以下同じ。)及び住所
 二 農薬の種類、名称、物理的化学的性状並びに有効成分とその他の成分との別にその各成分の種類及び含有濃度(第十一号に掲げる事項を除く。)
 三 適用病害虫の範囲(農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる薬剤にあっては、適用農作物等の範囲及び使用目的。以下同じ。)、使用方法及び使用期限
 四 人畜に有毒な農薬については、その旨、使用に際して講ずべき被害防止方法及び解毒方法
 五 生活環境動植物に有毒な農薬については、その旨
 六 引火し、爆発し、又は皮膚を害する等の危険のある農薬については、その旨
 七 農薬の貯蔵上又は使用上の注意事項(第四号に掲げる事項を除く。)
 八 農薬の製造場の名称及び所在地
 九 製造し、又は加工しようとする農薬については、製造方法及び製造責任者の氏名
 十 販売しようとする農薬については、その販売に係る容器又は包装の種類及び材質並びにその内容量
 十一 農薬原体の有効成分以外の成分の種類及び含有濃度
 十二 農薬原体を製造する者の氏名(法人の場合にあっては、その名称)及び住所並びに農薬原体の製造場の名称及び所在地
 十三 農薬原体の主要な製造工程
3 第一項の登録の申請をする者は、当該申請に係る農薬の農薬原体が、現に同項又は第三十四条第一項の登録を受けている農薬の農薬原体とその成分及び毒性の強さにおいて同等であるときは、農林水産省令で定めるところにより、前項の規定により提出すべき資料の一部を省略することができる。
4 農林水産大臣は、第一項の登録の申請を受けたときは、最新の科学的知見に基づき、第二項の申請書及び資料に基づく当該申請に係る農薬の安全性その他の品質に関する審査を行うものとする。
5 農林水産大臣は、独立行政法人農林水産消費安全技術センター(以下「センター」という。)に、前項の審査に関する業務の一部を行わせることができる。
6 農林水産大臣は、第一項の登録の申請に係る農薬が、病害虫の防除若しくは農作物等の生理機能の増進若しくは抑制において特に必要性が高いもの又は適用病害虫の範囲及び使用方法が類似する他の農薬と比較して特に安全性が高いものと認めるときは、当該申請に係る農薬についての第四項の審査を、他の農薬の審査に優先して行うように努めるものとする。
7 第四項の審査の実施に関して必要な事項は、農林水産省令で定める。
8 第一項の登録の申請をする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
9 農林水産大臣は、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除き、第一項の登録の申請に係る農薬を登録し、かつ、次に掲げる事項を記載した登録票を交付しなければならない。
 一 登録番号及び登録年月日
 二 第二項第二号、第三号、第四号(被害防止方法に係る部分に限る。)、第八号及び第十一号に掲げる事項
 三 水質汚濁性農薬(第二十六条第二項に規定する水質汚濁性農薬をいう。第十六条第五号及び第二十条において同じ。)に該当する農薬にあっては、「水質汚濁性農薬」という文字
 四 製造者又は輸入者の氏名及び住所