行政不服審査法

(平成26年6月13日法律第68号)
 
第九条(審理員)
 第四条又は他の法律若しくは条例の規定により審査請求がされた行政庁(第十四条の規定により引継ぎを受けた行政庁を含む。以下「審査庁」という。)は、審査庁に所属する職員(第十七条に規定する名簿を作成した場合にあっては、当該名簿に記載されている者)のうちから第三節に規定する審理手続(この節に規定する手続を含む。)を行う者を指名するとともに、その旨を審査請求人及び処分庁等(審査庁以外の処分庁等に限る。)に通知しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに掲げる機関が審査庁である場合若しくは条例に基づく処分について条例に特別の定めがある場合又は第二十四条の規定により当該審査請求を却下する場合は、この限りでない。
 一 内閣府設置法第四十九条第一項若しくは第二項又は国家行政組織法第三条第二項に規定する委員会
 二 内閣府設置法第三十七条若しくは第五十四条又は国家行政組織法第八条に規定する機関
 三 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百三十八条の四第一項に規定する委員会若しくは委員又は同条第三項に規定する機関
 審査庁が前項の規定により指名する者は、次に掲げる者以外の者でなければならない。
 一 審査請求に係る処分若しくは当該処分に係る再調査の請求についての決定に関与した者又は審査請求に係る不作為に係る処分に関与し、若しくは関与することとなる者
 二 審査請求人
 三 審査請求人の配偶者、四親等内の親族又は同居の親族
 四 審査請求人の代理人
 五 前二号に掲げる者であった者
 六 審査請求人の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人
 七 第十三条第一項に規定する利害関係人
 審査庁が第一項各号に掲げる機関である場合又は同項ただし書の特別の定めがある場合においては、別表第一の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとし、第十七条、第四十条、第四十二条及び第五十条第二項の規定は、適用しない。
 前項に規定する場合において、審査庁は、必要があると認めるときは、その職員(第二項各号(第一項各号に掲げる機関の構成員にあっては、第一号を除く。)に掲げる者以外の者に限る。)に、前項において読み替えて適用する第三十一条第一項の規定による審査請求人若しくは第十三条第四項に規定する参加人の意見の陳述を聴かせ、前項において読み替えて適用する第三十四条の規定による参考人の陳述を聴かせ、同項において読み替えて適用する第三十五条第一項の規定による検証をさせ、前項において読み替えて適用する第三十六条の規定による第二十八条に規定する審理関係人に対する質問をさせ、又は同項において読み替えて適用する第三十七条第一項若しくは第二項の規定による意見の聴取を行わせることができる。
 
第十一条(総代)
 多数人が共同して審査請求をしようとするときは、三人を超えない総代を互選することができる。
 共同審査請求人が総代を互選しない場合において、必要があると認めるときは、第九条第一項の規定により指名された者(以下「審理員」という。)は、総代の互選を命ずることができる。
 総代は、各自、他の共同審査請求人のために、審査請求の取下げを除き、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。
 総代が選任されたときは、共同審査請求人は、総代を通じてのみ、前項の行為をすることができる。
 共同審査請求人に対する行政庁の通知その他の行為は、二人以上の総代が選任されている場合においても、一人の総代に対してすれば足りる。
 共同審査請求人は、必要があると認める場合には、総代を解任することができる。
 
第十八条(審査請求期間)
 処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して三月(当該処分について再調査の請求をしたときは、当該再調査の請求についての決定があったことを知った日の翌日から起算して一月)を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
 処分についての審査請求は、処分(当該処分について再調査の請求をしたときは、当該再調査の請求についての決定)があった日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
 次条に規定する審査請求書を郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便で提出した場合における前二項に規定する期間(以下「審査請求期間」という。)の計算については、送付に要した日数は、算入しない。
 
第二十五条(執行停止)
 審査請求は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない。
 処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てにより又は職権で、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止その他の措置(以下「執行停止」という。)をとることができる。
 処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない審査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てにより、処分庁の意見を聴取した上、執行停止をすることができる。ただし、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止以外の措置をとることはできない。
 前二項の規定による審査請求人の申立てがあった場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるために緊急の必要があると認めるときは、審査庁は、執行停止をしなければならない。ただし、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるときは、この限りでない。
 審査庁は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たっては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。
 第二項から第四項までの場合において、処分の効力の停止は、処分の効力の停止以外の措置によって目的を達することができるときは、することができない。
 執行停止の申立てがあったとき、又は審理員から第四十条に規定する執行停止をすべき旨の意見書が提出されたときは、審査庁は、速やかに、執行停止をするかどうかを決定しなければならない。
 
第四十六条(処分についての審査請求の認容)
 処分(事実上の行為を除く。以下この条及び第四十八条において同じ。)についての審査請求が理由がある場合(前条第三項の規定の適用がある場合を除く。)には、審査庁は、裁決で、当該処分の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない場合には、当該処分を変更することはできない。
 前項の規定により法令に基づく申請を却下し、又は棄却する処分の全部又は一部を取り消す場合において、次の各号に掲げる審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、当該各号に定める措置をとる。
 一 処分庁の上級行政庁である審査庁 当該処分庁に対し、当該処分をすべき旨を命ずること。
 二 処分庁である審査庁 当該処分をすること。
 前項に規定する一定の処分に関し、第四十三条第一項第一号に規定する議を経るべき旨の定めがある場合において、審査庁が前項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該定めに係る審議会等の議を経ることができる。
 前項に規定する定めがある場合のほか、第二項に規定する一定の処分に関し、他の法令に関係行政機関との協議の実施その他の手続をとるべき旨の定めがある場合において、審査庁が同項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該手続をとることができる。
 
第四十七条(  )
 事実上の行為についての審査請求が理由がある場合(第四十五条第三項の規定の適用がある場合を除く。)には、審査庁は、裁決で、当該事実上の行為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、次の各号に掲げる審査庁の区分に応じ、当該各号に定める措置をとる。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁以外の審査庁である場合には、当該事実上の行為を変更すべき旨を命ずることはできない。
 一 処分庁以外の審査庁 当該処分庁に対し、当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更すべき旨を命ずること。
 二 処分庁である審査庁 当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更すること。
 
第四十九条(不作為についての審査請求の裁決)
 不作為についての審査請求が当該不作為に係る処分についての申請から相当の期間が経過しないでされたものである場合その他不適法である場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を却下する。
 不作為についての審査請求が理由がない場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却する。
 不作為についての審査請求が理由がある場合には、審査庁は、裁決で、当該不作為が違法又は不当である旨を宣言する。この場合において、次の各号に掲げる審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、当該各号に定める措置をとる。
 一 不作為庁の上級行政庁である審査庁 当該不作為庁に対し、当該処分をすべき旨を命ずること。
 二 不作為庁である審査庁 当該処分をすること。
 審査請求に係る不作為に係る処分に関し、第四十三条第一項第一号に規定する議を経るべき旨の定めがある場合において、審査庁が前項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該定めに係る審議会等の議を経ることができる。
 前項に規定する定めがある場合のほか、審査請求に係る不作為に係る処分に関し、他の法令に関係行政機関との協議の実施その他の手続をとるべき旨の定めがある場合において、審査庁が第三項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該手続をとることができる。