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商品及び役務の区分の内容
 商品及び役務の区分は、商標法施行令第1条の別表(以下「政令別表」という。)と商標法施行規則第3条の別表(以下「省令別表」という。)の両者で構成されている。
政令別表
 商標法第6条に規定する「商品及び役務の区分」そのものであり、各区分の表示は、国際分類の類別表(注釈を含む。)を踏まえて代表的な名称付けをしたものである。
 商標法施行令第1条で「各区分に属する商品又は役務は国際分類に即して通商産業省令で定める。」と規定することによって、我が国の「商品及び役務の区分」は国際分類を主たる体系として採用するものであり、各区分に属する「商品又は役務」の実質的内容は商標法施行規則に委任している。
省令別表
 商標法施行令第1条により委任された各区分に属する商品又は役務を国際分類に即して例示したものである。注意しなければならない点を次に述べる。
(1) 旧商品分類は、省令別表において政令別表の表示を頂点に下位概念の商品を順次階層的に配列(概念括り)し、各区分に属すべき商品の範囲を明確にしているのに対し、新分類は、国際分類を主たる体系として採用するものであるため、各区分に属すべき商品又は役務を必ずしも概念別に整理した上で省令別表に例示しているものとはいえない。
 したがって、各区分に属すべき商品又は役務は、省令別表に例示されている商品又は役務によって確認しなければならない。
 また、例示されていない商品又は役務については、国際分類で分類が定められているときはそれにより、それ以外は省令別表の備考(1)〜(8)に従ってその属すべき区分が決定される。
(2) 各区分において、包括表示を付して整理し、列挙している商品又は役務は例示である。
 なお、例示されていない商品又は役務が包括表示下の商品群又は役務群に属すると認められる場合において、その商品又は役務は、国際分類上その類に属する商品又は役務の範囲内で、その包括表示下の商品群又は役務群に包含されるものと解釈する。
(3) 出願の際の商品又は役務の指定方法

(イ)
 省令別表に、指定する商品又は役務と同一のものがあればそれに従う。  省令別表に例示されていない商品又は役務を指定するときは、その商品又は役務の内容及び範囲が明確に把握できるものでなければならない。また、その商品又は役務がどの区分に属するかについては、国際分類で分類が定められているときはそれにより、それ以外は省令別表の備考(1)〜(8)に従って合理的に判断しなければならない。

(ロ)
 政令別表の表示はあくまで各区分の名称付けとしての性格のものであることから、これをもって商品又は役務の指定の具体的な表示として使用できることにはならない。

(ハ)
 新分類の性質上、旧商品分類下において認められていたいわゆる全類指定(例えば「第1類 化学品その他本類に属する商品」というような指定)は、商品又は役務の範囲が不明確なものとして認められない。

(ニ)
 省令別表にある包括表示は、商品又は役務の指定に用いることができる。
 なお、包括表示により指定する場合において、例えば「第1類 化学品」、「第35類 広告」と指定することも、「第1類 ハロゲン化物,その他の化学品」、「第35類 新聞による広告の代理,その他の広告」と指定することも認められる。
 包括表示による指定をした場合は、国際分類上その類に属する商品又は役務の範囲内でその包括表示下の商品又は役務をすべて指定したこととなる。
平成4年3月
    特許庁審査第一部
    商標課長 細井貞行