商標法条約

第三条(出願)
(1)【願書に記載し又は添付するもの及び料金】
(a) 締約国は、願書に次のものの全部又は一部を記載し又は添付するよう要求することができる。
(@) 登録の申請
(A) 出願人の氏名又は名称及び住所
(B) 出願人がいずれかの国の国民である場合には当該国の名称、出願人がいずれかの国に住所を有する場合には当該国の名称及び出願人がいずれかの国に現実かつ真正の工業上又は商業上の営業所を有する場合には当該国の名称
(C) 出願人が法人である場合には、当該法人の法的性質並びにその法令に基づいて当該法人が設立された国の名称及び該当するときは当該国の地域であってその法令に基づいて当該法人が設立されたものの名称
(D) 出願人が代理人を有する場合には、当該代理人の氏名又は名称及び住所
(E)  次条(2)(b)の規定に基づき送達のためのあて先を要求する場合には、当該あて先
(F) 出願人が当該出願人が行つた先の出願に基づく優先権を主張する場合には、当該先の出願に基づく優先権を主張する旨の申立て並びにパリ条約 第四条の規定に従って要求されるときは当該優先権の申立てを裏付ける表示及び証拠
(G) 博覧会において商品又はサービスを展示したことによって生じている保護についての利益を出願人が主張する場合において、自国の法令が要求するときは、その旨の申立て及びこれを裏付ける表示
(H) 自国の官庁が標準とする文字(数字を含む。)を指定する場合において、出願人が標準文字で標章が登録され及び公告されることを希望するときは、その旨の陳述
(I) 出願人が標章の識別性のある特徴として色彩を主張する場合には、その旨の陳述並びに主張される色彩の名称及び各色彩について標章のうち当該色彩である主要部分の表示
(I@) 標章が立体標章である場合には、その旨の陳述
(IA) 標章の一通又は二通以上の複製
(IB) 標章の全部又は一部の音訳
(IC) 標章の全部又は一部の翻訳
(ID) ニース分類の類に従って類別された登録を求める商品又はサービスの名称(類別された商品又はサービスの各群の前には当該群が属する同分類の類の番号を付するものとし、同分類の類の番号の順序で各群を表示する。)
(IE) (4)に規定する者による署名
(IF) 自国の法令が要求する標章の使用意思に関する宣言書
(b)出願人は、(a)(IF)に規定する標章の使用意思に関する宣言書に代えて又はこれに追加して、締約国の法令によって要求される標章の実際の使用に関する宣言書及び証拠を提出することができる。
(c) 締約国は、出願に関し、料金を自国の官庁に支払うよう要求することができる。
(2)【展出】
 願書の提出に関する要件について、次の場合のいずれかに該当する場合には、いかなる締約国も、出願を却下してはならない。
(@) 願書が、書面に記載されて提出された場合において、(3)の規定に従うことを条件として、規則で定める願書様式に相当する様式で提出されたとき。
(A) 当該締約国が自国の官庁に対するファクシミリによる書類の送付を認め、かつ、願書がファクシミリによって送付された場合において、(3)の規定に従うことを条件として、送付された書類の写しが(@)に規定する様式に合致するとき。
(3)【言語】
 締約国は、願書が自国の官庁によって認められた一の言語又は二以上の言語のうちのいずれか一の言語で作成されるよう要求することができる。官庁が二以上の言語を認める場合には、出願人に対し、当該官庁について適用されるその他の言語上の要件を満たすよう要求することができる。ただし、願書については、二以上の言語で作成されるよう要求することができない。
(4)【署名】
(a) (1)(a)(IE)に規定する署名については、出願人又はその代理人の署名とすることができる。
(b) (a)の規定にかかわらず、締約国は、(1)の(a)(IF)及び(b)に規定する宣言書については、出願人が代理人を有する場合であっても、出願人自身が署名するよう要求することができる。
(5) 【二以上の類に属する商品又はサービスに係る単一の出願】
 二以上の商品又はサービスに係る出願については、当該商品又はサービスがニース分類の一の類に属するか二以上の類に属するかにかかわらず、一の願書で行うことができる。
(6)【実際の使用】
 締約国は、使用意思に関する宣言書が(1)(a)(IF)の規定に従つて提出された場合には、出願人に対し、自国の法令によって要求される標章の実際の使用に関する証拠を当該法令で定める期間内に(規則で定める最小眼の期間についての規定に従うことを条件とする。)自国の官庁に提出するよう要求することができる。
(7)【その他の要件の禁止】
 いかなる締約国も、出願に関し、(1)から(4)まで及び(6)に定める要件以外の要件を満たすよう要求することができない。特に、次の要件については、出願が係属している間を通じて要求することができない。
(@) 商業登記簿の証明書及び抄本を提出すること。
(A) 出願人が工業上又は商業上の業務を行っている旨を表示し及びこのことについての証拠を提出すること。
(B) 願書に記載された商品又はサービスに係る業務を出願人が行つている旨を表示し及びこのことについての証拠を提出すること。
(C) 標章が他の締約国又は締約国でないパリ条約の締約国の標章登録簿に登録されていることについての証拠を提出すること。ただし、出願人が同条約 第六条の五の規定の適用を主張する場合は、この限りでない。
(8)【証拠】
 締約国は、自国の官庁が願書に記載された事項の真実性について合理的な疑義を有する場合には、出願の審査において証拠を当該官庁に提出するよう要求することができる。