民 法
第九百五十六条【管理人の代理権の消滅時期】

 管理人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に消滅する。2 前項の場合には、管理人は、遅滞なく相続人に対して管理の計算をしなければならない。

第九百五十七条【債権者及び受遺者に対する弁済】

 第九百五十二条第二項に定める公告があった後二箇月以内に相続人のあることが明かにならなかったときは、管理人は、遅滞なく一切の相続仮権者及び受遺者に対し、一定の期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。但し、その期間は、二箇月を下ることができない。
2 第七十九条第二項、第三項〈法人の清算における公告・催告の方法〉及び第九百二十八条乃至第九百三十五条〈限定承認における相続財産の清算〉の規定は、前項の場合にこれを準用する。但し、第九百三十二条但書の規定は、この限りでない。

第九百五十八条【相続人捜索の公告】

 前条第一項の期間の満了後、なお、相続人のあることが明かでないときは、家庭裁判所は、管理人又は検察官の請求によって、相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならない。但し、その期間は、六箇月を下ることができない。

第九百五十八条の二【公告による余斥】

 前条の期間内に相続人である権利を主張する者がないときは、相続人並びに管理人に知れなかった相続債権者及び受遺者は、その権利を行うことができない。

第九百五十八条の三【特別縁故者への相続財産の分与】

 前条の場合において相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
2 前項の請求は、第九百五十八条の期間の満了後三箇月以内に、これをしなければならない。

第九百五十九条【相続財産の国庫帰属】

 前条の規定によって処分されなかった相続財産は、国庫に帰属する。この場合には、第九百五十六条第二項〈管理人の計算義務〉の規定を準用する。