〔1〕特許法又は実用新案法に規定する期間に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
1 パリ条約による優先権の主張の基礎とされた出願の日が2000年(平成12年)2月29日(火曜日)であるとき、優先権証明書を提出できる期間の末日は、平成13年6月29日(金曜日)である。
2 審決の謄本の送達が平成13年3月23日(金曜日)にあり、その審決に対する訴えを提起することができる不変期間についての付加期間が、15日と定められているとき、当該付加期間の末日は、平成13年5月8日(火曜日)である。なお、平成13年4月22日は日曜日である。
3 在外者が、特許出願についての拒絶査定に対する審判の請求を平成13年1月30日(火曜日)にしたとき、平成13年3月2日(金曜日)以後であっても、特許法第17条の2第1項第3号の規定による明細書又は図面についての補正をすることができる。
4 平成7年11月17日(金曜日)にした特許出願を、平成13年5月18日(金曜日)以後は実用新案登録出願に変更することはできない。
5 審判の手続の中断により期間の進行が停止し、その後、その中断が解消したとき、改めて進行する期間は、当該中断までに進行した期間を除いた、残余期間となる。
〔2〕特許権に基づく差止請求権に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
1 専用実施権の設定の登録をした特許権者は、当該設定行為で定めた範囲内の侵害行為を差し止めることはできない。
2 特許権者が独占的通常実施権を許諾したとき、当該通常実施権者は、いわゆる固有の差止請求権を有する。
3 ある製品の製造を行うために、甲の有する特許に係る検査方法による品質検査が義務づけられていたところ、乙は、無許諾で当該検査方法を使用し、当該製品を製造した。この場合、甲は、乙による当該製品の製造・販売行為を差し止めることができる。
4 日本で特許権を有している甲が、アメリカで当該特許製品を製造し、乙にこれを販売した。その際、甲と乙は、当該特許製品の販売先から日本を除外する旨を合意し、甲はその旨を特許製品に明確に表示していた。乙の市販した当該製品をアメリカで適法に購入した丙が当該製品を日本に輸入した場合、甲は丙の輸入行為を差し止めることができない。
5 特許権者は、侵害行為を組成した物の廃棄に代えて、その引き渡しを請求することはできない。
〔3〕次の(イ)〜(チ)のうち、意匠登録の対象とならないものは、いくつあるか。
(イ) 人工知能を搭載し、赤外線センサーで人間の動きを感知してお手をするなど、自在に動く猫の形をしたロボットおもちゃ
(ロ) 紙のように折りたたんだり曲げたりすることができる、柔らかいフィルム素材で作られた表示部を有するテレビ受像機
(ハ) 空き巣の侵入を感知するため設けられた防犯警報器が発するレーザービーム
(ニ) 裏面に細かな文字で約款が印刷されている為替手形用紙
(ホ) 雪まつりのおみやげ用に販売されている、氷で作られたコップ
(ヘ) 黄緑色と白色の異なる素材で縞状に作られたうどん
(ト) 情報配信業者から提供され、インターネット上で取り引きされるデジタル画像
(チ) カンパリとオレンジジュースのように、比重と色の異なる2種類の液体を注ぎ重ねて二層状にしたカクテル
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 なし
〔4〕商標登録出願等に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。
1 商標法条約の締約国の領域内でその地方公共団体の許可を受けた者が開設す る国際的な博覧会に出展した役務について使用をした商標について、その商標 の使用をした役務を出展した者がその出展の日から6月以内にその役務を指定 役務として商標登録出願をしたときは、その商標登録出願は、商標法第9条第 1項(出願時の特例)の規定の適用を受けることができる場合がある。
2 商標登録出願に係る商標が、当該指定商品の形状であってその指定商品の機 能を確保するために不可欠な立体的形状を含む場合であっても、当該商標は、 立体商標として商標登録を受けることができる場合がある。
3 商標権の設定の登録を受ける者は、その登録料を分割して納付することがで きるが、防護標章登録に基づく権利の設定の登録を受ける者は、その登録料を 分割して納付することができない。
4 使用により識別力を有するに至った商標であっても、商標登録出願の時から、 他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがあるものは、商標登録 を受けることができない。
5 特定の料理の提供を指定役務とし、当該料理の素材として不可欠であること が需要者間に周知であるものを写実的に表した立体的形状の表面に識別力のあ る文字が表示されている商標は、立体商標としては商標登録を受けることがで きない。
〔5〕パリ条約のストックホルム改正条約における商標の保護に関し、次の(イ)〜(ニ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
(イ) 監督用及び証明用の公の記号及び印章の禁止に関する規定は、当該記号又は印章を含む商標が当該記号又は印章の用いられている商品と同一の商品について使用されるものである場合に限り、適用される。
(ロ) 外国登録商標が、保護が要求される他の同盟国における第三者の既得権を害するようなものであるかどうかを判断するに当たっては、その商標が使用されてきた期間を考慮しなければならない。
(ハ) 同盟国Xの国民が登録出願した商標が、同盟国Yにおいて登録されるに当たって、同盟国Yの国内法令等により、その商標が使用される商品の性質が妨げとなる場合がある。
(ニ) 不法に商標を付した産品は、その商標について法律上の保護を受ける権利が認められている同盟国に輸入される際には、当該同盟国において常に差し押えられる。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 なし
〔6〕特許出願の審査における、「最後の拒絶理由通知」(特許法第17条の2第1項第2号に規定する最後に受けた拒絶理由通知をいう。)の際に指定された期間内にした明細書又は図面についての補正の却下に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。ただし、文中に特に示した場合を除き、出願は国際特許出願でも外国語書面出願でもないものとする。
1 補正が特許請求の範囲を拡張するものであるときには、補正は却下される。
2 補正が、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内で、請求項に記載した発明を特定するために必要と認める事項を限定するものであり、かつ、補正後の請求項に記載した発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであっても、補正は却下される場合がある。
3 特許請求の範囲についての補正であって、明りょうでない記載の釈明のみを目的とし、最後の拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものである場合、補正後の請求項に記載した発明が特許法第29条の規定により特許を受けることができないとき、補正は却下される。
4 補正が、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内で、特許請求の範囲についてするものであって、誤記の訂正のみを目的とするものであるとき、補正は却下されない。
5 補正が、願書に添付した外国語書面に記載した事項の範囲外でするものであるとき、補正は却下される場合がある。
〔7〕特許法に規定する訴えに関し、次の(イ)〜(ヘ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
(イ) 拒絶査定に対する審判において、補正の却下の決定を受けた場合には、東京高等裁判所に補正の却下の決定に対する訴えをすることができる。
(ロ) 特許異議の申立てについての審理において、特許権者側への参加を申請した者がその申請を拒否された場合、その者は、取消決定に対する訴えを提起することができる。
(ハ) 審決又は決定の取消しの判決が確定したとき、当該事件についてさらに審理を行い、審決又は決定を行う審判官は、その判決に拘束される。
(ニ) 審判官の忌避の申立てについて認めない旨の決定があり、その申立てに係る審判官がその事件について審決をした場合、その審決の取消訴訟において、その決定の当否を争うことができる。
(ホ) 特許の無効の審判の請求が不適法なものであってその補正をすることができないものであるとしてその請求を却下する旨の審決があったとき、その審決に対する訴えは、特許庁長官を被告としなければならない。
(ヘ) 特許の無効の審判の審決がなされ、それに対する訴えが裁判所に係属しているときは、当該審判と同一の事実及び同一の証拠に基づいて新たに特許の無効の審判を請求することができない。
1 2つ
2 3つ
3 4つ
4 5つ
5 6つ
〔8〕意匠法に規定する先願に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、特に文中に示した場合を除き、意匠登録出願は、いかなる優先権の主張も伴わず、分割、変更に係るものでも、補正後の新出願でもないものとする。
1 甲が、「携帯電話機」の操作ボタン部分にかかる部分意匠イの意匠登録出願Aをし、当該願書に添付した図面にイとイを含む携帯電話機の全体の形状が記載されている場合において、Aの出願の日後に、乙が、「携帯電話機」の意匠ロの意匠登録出願Bをし、ロがAの図面に記載された携帯電話機の全体の形状と同一であるとき、ロは、意匠法第9条第1項の規定により意匠登録を受けることができない。
2 甲の意匠イについての意匠登録出願Aと乙のイに類似する意匠ロについての意匠登録出願Bとが同日にあり、甲、乙は、意匠法第9条第2項の協議が成立しないことを理由に拒絶をすべき旨の査定を受けた。甲は、これを不服として審判を請求したが、Bについては拒絶すべき旨の査定が確定した。このとき、甲は、イについて意匠登録を受けることができる。
3 甲は、意匠登録出願Aに係る意匠イについて意匠登録を受け、乙は、Aの出願の日後であってイが意匠公報に掲載される前に、イに類似する意匠ロについて意匠登録出願Bをした場合において、イについて、意匠法第3条第1項第3号に該当することを理由とする意匠登録の無効の審判が請求され、その登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、乙は、ロについて意匠登録を受けることができる場合がある。
4 甲が、実用新案登録出願Aを意匠イについての意匠登録出願Bに変更し、その後Bを放棄した。乙が、Aの出願の日後に、意匠ロについて意匠登録出願Cをし、ロがイに類似するものであるとき、ロについて意匠登録を受けることができる場合はない。
5 甲が、意匠イについて意匠登録出願Aをし、同日に、乙が、イに類似する意匠ロについて意匠登録出願Bをした場合において、A及びBの出願前に、イに類似しないがロに類似する意匠ハが刊行物に記載されていたとき、甲は、乙と意匠法第9条第2項の協議をせずにイについて意匠登録を受けることができる場合がある。
〔9〕商標登録出願に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。
1 同一の商品について使用をする類似の商標について同日に2以上の商標登録 出願があった場合で特許庁長官が行う公正な方法によるくじの結果、その商標 について商標登録を受けることができる1の商標登録出願人が決定したときは、 他の商標登録出願人の商標登録出願は、取り下げたものとみなされる。
2 商標登録出願に係る商標が、その商標登録出願の時から、世界貿易機関の加 盟国のぶどう酒の産地を表示する標章のうち当該加盟国において当該産地以外 の地域を産地とするぶどう酒について使用をすることが禁止されているものを 有する商標に該当する場合であっても、そのぶどう酒の産地について誤認を生 ずるおそれがないときは、その商標について商標登録を受けることができる。
3 商標登録出願に係る商標が、外国の国旗と同一又は類似のものであっても、 その国旗を現に国旗としている当該国を我が国が承認していない場合は、その 商標について商標登録を受けることができる。
4 商標登録出願に係る商標が、後願に係る他人の登録防護標章と同一の商標で あって、その防護標章登録に係る指定商品について使用をするものである場合、 その商標は、商標登録を受けることができない。
5 甲が、「おもちゃ,人形」を指定商品とする商標イについて商標登録出願Aをし た日から6月を経過した後、乙が、「人形」を指定商品とするイに類似する商標ロ について商標登録出願Bをした。その後、甲が、Aの一部を商標法第10条第1項 (商標登録出願の分割)の規定により「人形」を指定商品とするイについての新たな 商標登録出願Cをしたとき、Cは、Bに係るロが商標登録されているときは、こ れを理由として商標法第4条第1項第11号の規定により拒絶される場合がある。
〔10〕パリ条約のストックホルム改正条約における工業所有権独立の原則に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
1 工業所有権独立の原則のもとでは、同盟国の国民が各同盟国において出願した特許、実用新案、意匠及び商標は、同盟国であるかどうかを問わず他のすべての国において同一対象について成立した特許、実用新案、意匠及び商標から独立したものとして取り扱わなければならない。
2 工業所有権独立の原則は、工業所有権の相互依存を否定し、各国の工業所有権が、その発生、変動、消滅に関して相互に独立であること、すなわち、工業所有権自体の存立が、他国の工業所有権の無効、消滅、存続期間等により影響を受けないというものであって、工業所有権の行使に関するものではない。
3 工業所有権独立の原則のもとでは、他国で成立が認められなかった特許権、実用新案権、意匠権及び商標権について、自国でそれぞれの権利の成立を認めることができ、また、他国で特許権、実用新案権、意匠権及び商標権の侵害が肯定された場合であっても、自国でそれぞれの権利の侵害を否定することができる。
4 工業所有権独立の原則のもとでも、現存する外国特許の存在を前提として付与される輸入特許等のような特殊な特許について、対応する外国特許の無効、消滅等に従属させてそれらの特許を無効にし、又は消滅させる等の措置を講じたり、本国において正規に登録された商標について、そのままその登録を認める措置をとることは許される。
5 工業所有権独立の原則のもとでは、優先権の利益なしに付与された特許権、実用新案権、意匠権及び商標権の存続期間がそれぞれの国内出願日から開始するのに対し、優先権の利益によって付与された特許権、実用新案権、意匠権及び商標権の存続期間は、それぞれの第一国出願日から開始する、という制度を設けることは許されない。
〔11〕実用新案技術評価に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
1 実用新案権が消滅し、その後に実用新案登録の無効の審判により無効にされた後であっても、実用新案技術評価の請求をすることができる。
2 実用新案技術評価の請求があった場合は、特許庁長官によりその旨が実用新案公報に掲載される。
3 実用新案法第3条第1項第3号の規定に係る技術的な評価は、実用新案登録出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された考案に基づくものに限られる。
4 実用新案技術評価の請求は、実用新案権の設定の登録までは請求項ごとにすることができない。
5 実用新案技術評価の請求は、その実用新案技術評価書の謄本の送付前であれば取り下げることができる。
〔12〕特許出願についての拒絶査定に対する審判又は前置審査に関し、次の(イ)〜(ホ)のうち、誤っているものは、いくつあるか。
(イ) 拒絶査定に対する審判において、いわゆる新規事項の追加を伴わない限り、願書に添付した明細書の特許請求の範囲を拡張する補正をすることができる場合がある。
(ロ) 拒絶査定に対する審判において、さらに審査に付すべき旨の審決があった場合、審査官は拒絶をすべき旨の査定をすることができる場合はない。
(ハ) 外国語特許出願についての拒絶査定に対する審判の請求の日から30日以内であって誤訳訂正書によらないでした明細書又は図面の補正が、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないと前置審査において認められたとき、審査官はそのことを理由とする拒絶の理由を通知しなければならない。
(ニ) 甲は拒絶をすべき旨の査定を受けた後に、当該特許を受ける権利を乙に特定承継し、乙が拒絶査定に対する審判を請求した。当該特定承継についての特許庁長官への届け出が審判請求後であっても審判請求期間内になされれば、乙は審判請求人としての地位を有する。
(ホ) 国内で手術のため入院していたところ、拒絶をすべき旨の査定を受けたことを家人からの連絡で知った出願人は、拒絶査定に対する審判の請求期間の経過後であっても、退院した日から14日以内でその期間の経過後6月以内にその請求をすることができる。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ
〔13〕意匠法に規定する通常実施権について、次のうち、正しいものは、どれか。
1 甲は、自ら創作した意匠イについて意匠登録出願Aをしたが、イが公然知られた意匠に類似するとしてAの拒絶の査定が確定し、一方、乙は、イに類似する意匠ロについてAより後日に意匠登録出願Bをし、ロについて意匠登録を受けた。Bに係る意匠権の設定の登録の際に、甲は、イとロに類似する意匠ハを実施していたときは、ハにつき乙の意匠権について通常実施権を有する。
2 補正後の意匠についての新出願に係る意匠の意匠権について、他人が先使用による通常実施権を有するのは、その手続補正書の提出の際において、現に日本国内においてその意匠又はこれに類似する意匠の実施である事業、又はその事業の準備をしている者に限られる。
3 意匠権者甲は、甲の意匠権のうち登録意匠に類似する意匠に係る部分がその意匠登録出願の日前の出願に係る乙の意匠権と抵触するときであっても、その部分について丙に通常実施権を許諾することができる。
4 他人の意匠権と抵触する意匠権の存続期間が満了したとき、当該原意匠権者は、その満了する際に当該意匠又はこれに類似する意匠の実施をしている場合に限り、原意匠権の範囲内において意匠法第31条第1項(意匠権等の存続期間満了後の通常実施権)に規定する通常実施権を有する。
5 甲は、自ら意匠を創作し、その意匠についての意匠登録を受ける権利を乙に譲渡し、乙がその意匠について意匠登録を受けた場合において、乙の意匠登録出願の際現に日本国内においてその意匠の実施である事業をしていたときは、甲は、乙の意匠権について先使用による通常実施権を有する。
〔14〕商標権等の効力に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。
1 甲が、自己の芸名を、不正競争の目的でなく、普通に用いられる方法で表示する商標の使用をする場合、商標権者乙が、甲の当該使用の差止めを請求することができる場合がある。
2 団体商標に係る商標権を有する団体の構成員甲が、その地位に基づき、当該商標権を侵害する者乙に対し、その侵害行為の差止めを請求することができる場合がある。
3 商標権に抵触する先願の特許権の存続期間満了後の商標の使用をする権利(商標法第33条の2第1項)を有する者甲より、一般承継ではなく甲の当該業務を承継した者乙が、不正競争の目的でなく継続して当該商品について当該商標の使用をするとき、商標権者丙は、乙の当該使用の差止めを請求することができる。
4 甲の登録防護標章とは色彩が違う商標を、当該登録防護標章に係る指定商品に使用する乙の行為が、登録防護標章に係る当該商標権の侵害となる場合がある。
5 商標登録出願をした者甲が、出願公開前に当該出願に係る内容を記載した書面を提示して警告した場合、その警告後商標権の設定の登録前に当該出願に係る商標を指定商品に使用した者乙に対して、いわゆる設定の登録前の金銭的請求権を有する場合がある。
〔15〕パリ条約のストックホルム改正条約における優先権に関し、次の(イ)〜(ニ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
ただし、PCTは特許協力条約、WTOは世界貿易機関をいう。
(イ) PCTによる国際出願が受理官庁により受理された時は、国際出願は、パリ条約第4条A(3)に基づき当然に優先権を生じさせる。
(ロ) この条約の締約国の国民又はいずれかの同盟国の領域内に住所又は現実かつ真正の工業上若しくは商業上の営業所を有するものは、優先権の利益を享受できるが、WTO加盟国の国民は、WTO加盟国でした出願に基づくパリ条約上の優先権主張の場合に限り優先権を主張することができる。
(ハ) この条約第4条C(1)によれば、優先期間は特許及び実用新案については12月、意匠及び商標については6月である。したがって、いずれかの同盟国でした実用新案登録出願に基づく優先権主張をして他の同盟国に意匠登録出願をする場合、12月の優先期間が適用される。
(ニ) 先の出願が公衆の閲覧に付されないで、後の出願の日までに取り下げられ、放棄され又は拒絶の処分を受けた場合であって、当該先の出願がまだ優先権の主張の基礎とされていないときはいつでも、当該先の出願と同一の対象について同一の同盟国にされた後の出願は優先権の主張の基礎とすることができる。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 なし
〔16〕特許法に関し、次のうち、最も不適切なものは、どれか。
1 株式会社の従業員が、その職務に属する発明をして、特許権を取得した場合は、会社は無償の通常実施権を取得する。
2 株式会社の代表取締役のした発明についての特許を受ける権利は、その会社に帰属しない。
3 特許法第35条により通常実施権を取得した株式会社は、登録をしなくても、特許権の譲渡を受けた者に対して通常実施権を主張することができる。
4 株式会社は、従業員の入社時に、在職中のすべての発明について、特許を受ける権利を譲り受けることを契約することができる。
5 株式会社が、就業規則により、従業員の職務に属する発明についての特許を受ける権利を譲り受けるときは、対価を支払わなければならない。
〔17〕審判における審理に関し、次の(イ)〜(ヘ)のうち、誤っているものは、いくつあるか。
(イ) 口頭審理による審判において、当事者の一方が耳が聞こえない者であるため通訳人を立ち会わせる場合、当該通訳人について誠実に通訳をすることを妨げるべき事情があるときは、通訳事項について陳述をする前に、当事者は当該通訳人に対し忌避の申立てをすることができる。
(ロ) 口頭審理による審判において、調書の記載について当事者が異議を述べたときは、その旨を調書に記載しなければならない。
(ハ) 権利者が異なる2の特許についてそれぞれ特許の無効の審判が特許庁に係属している場合、それらの審判の請求人が同一であれば、その審理の併合をすることができる。
(ニ) 特許を無効にすべき旨の審決に対する訴えにおいて、原告の請求を棄却する旨の判決がなされたので、上告をするとともに訂正の審判を請求したが、当該上告を棄却する旨の判決がなされた。このとき当該訂正の審判の請求は、審決をもって却下される。
(ホ) 特許の無効の審判において、証拠を追加する請求書の補正を行っても、請求書の要旨を変更するものでない場合がある。
(ヘ) 証拠調べにおいて、当事者の一方が検証物の提示命令に従わなかったとき、審判官は、そのことを理由として、その検証物に関する相手方の主張を真実と認めることができる。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ
〔18〕意匠の新規性に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
ただし、特に文中に示した場合を除き、意匠登録出願は、意匠の新規性の喪失の例外の規定の適用を受けたものではなく、また、いかなる優先権の主張も伴わず、分割、変更に係るものでも、補正後の新出願でもないものとする。
1 意匠登録を受ける権利を有する者の意に反して意匠法第3条第1項第2号に該当するに至った意匠について該当するに至った日から180日後にその者が意匠登録出願をした。このとき、その意匠について同法第4条第1項(意匠の新規性の喪失の例外)の規定の適用を受けることができる場合がある。
2 乗用自動車の意匠が外国において公然知られたものとなり、その2日後に、その乗用自動車の形状と類似する「自動車おもちゃ」の意匠イについて意匠登録出願をしたとき、イについては、意匠法第3条第1項第3号に該当するものとして拒絶される。
3 意匠登録出願に係る意匠イが、当該出願前に外国において頒布された刊行物に記載されたものであり、かつ、当該出願前にイの属する分野における通常の知識を有する者が日本国内において公然知られた形状に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものであるとき、イは、意匠法第3条第1項第2号に該当し、意匠登録を受けることができない。
4 デザイン学科の学生が演習の課題として自ら意匠を創作し、その意匠を担当教授に提出した後、その学生がその意匠について意匠登録出願をしたとき、その意匠は、公然知られたものとして意匠登録を受けることができないとは限らない。
5 意匠登録を受ける権利を有する者が、自己の意匠イを記載した刊行物を頒布し、頒布日から30日後にその者がイに類似する意匠ロについて意匠登録出願をした。当該出願のときに、イについて意匠法第4条第2項(意匠の新規性の喪失の例外)の規定の適用を受けるための手続をし、かつ、当該出願の日から10日後に同法第4条第3項に規定する書面を提出した。このとき、ロについて意匠登録を受けることができる場合がある。
〔19〕専用使用権、通常使用権等に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。
1 商標権者が、国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関、公益に関する 団体であって営利を目的としないもの又は公益に関する事業であって営利を目 的としないものを行っている者であるときは、当該商標権者は、その団体等を 表示する著名な標章からなる商標登録出願に係る商標権について、他人に通常 使用権を許諾することができる。
2 団体商標に係る商標権を有する団体の構成員は、当該団体の定めるところに より有する指定商品又は指定役務について団体商標に係る登録商標の使用をす る権利を、当該団体の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、 移転することができる。
3 専用使用権が共有に係るときは、各共有者は、商標権者の承諾及び他の共有 者の同意を得なければ、その持分を目的として質権を設定することができない。
4 他人の商標登録出願前から日本国内において不正競争の目的でなくその商標 登録出願に係る指定商品についてその商標イに類似する商標ロの使用をしてい た結果、その商標登録出願の登録査定時にロが自己の業務に係る商品を表示す るものとして需要者の間に広く認識されるようになったときは、その者は、継 続してその商品についてロを使用する場合は、その商品についてロの使用をす る権利を有する。
5 専用使用権者は、設定行為で定めた範囲内において、指定商品と同一又は類 似の商品について登録商標の使用をする権利を専有する。
〔20〕特許法に規定する国際特許出願に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
1 日本国のみを指定国として含む国際出願を基礎とした優先権の主張を伴う国際特許出願において、優先権書類が優先日から16月以内に受理官庁に提出されていないことを理由として、その優先権の主張は無視されることがある。
2 国内書面提出期間内に明細書又は請求の範囲の翻訳文が提出されていないことを理由として、外国語特許出願が取り下げられたものとみなされる場合には、あらかじめ出願人に補充の機会が必ず与えられる。
3 外国語特許出願において、特許協力条約第19条の補正による補正後の請求の範囲の翻訳文に記載した事項が、国際出願日時点の明細書又は図面に記載した事項の範囲内にないときは、特許法第17条の2第3項(明細書又は図面について補正ができる範囲)の規定により拒絶の理由となる。
4 外国語特許出願が、特許法第29条の2の規定によるいわゆる拡大された先願の地位を有するためには、当該国際出願日における明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明が、国内公表として特許公報に記載されていることが必要である。
5 国際特許出願において、所定の期間内に記録原本を受理しなかったという国際事務局の認定に対し、当該出願人からの検査の申出があり、特許庁長官が、その認定が正当でない旨の決定をしたときには、当該出願は特許法の規定により出願公開がされる。
〔21〕特許法に規定する手続に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
1 本人が未成年であったときに法定代理人が委任した代理人の代理権は、本人が成年に達しても消滅しない。
2 被保佐人は、保佐人の同意を得なくとも、特許の無効の審判を請求することができる。
3 甲、乙が特許出願の共同出願人となっており、代表者を甲と定めて特許庁に届け出ている場合、甲は、単独で出願公開の請求をすることができる。
4 法定代理人が後見監督人の同意を得ないでした手続は、後見監督人が追認することができる。
5 審決の謄本の送達後に中断した手続について受継の申立てがあったとき、審判官は、受継の申立てに理由がないと認めるとき以外は、決定をしなくてよい。
〔22〕特許法に規定された審判に関し、次の(イ)〜(ヘ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
(イ) 特許の無効の審判の請求があった場合に、審判長がその旨を通知しなければならない者は、当該特許権についての専用実施権者及び登録された通常実施権者に限られる。
(ロ) 共有に係る特許権について存続期間の延長登録が複数なされ、当該延長登録出願のいずれもが、共有者の全員によってなされたものでなかった場合、いわゆる共同出願違反を理由とする存続期間の延長登録の無効の審判は、1の審判で請求することができる。
(ハ) 存続期間の延長登録の無効の審判は、その特許権の延長された存続期間が満了した後においても請求することができる場合がある。
(ニ) 「特許がされた後において、その特許権者が特許法第25条の規定により特許権を享有することができない者になった」ことを理由として、特許を無効にすべき旨の審決が確定した場合には、当該特許権は、当該審決が確定したときから存在しなかったものとみなされる。
(ホ) 訂正の審判を請求したところ、いわゆる独立特許要件を満たしていない旨の通知をうけた。この場合、審判請求書に添付した訂正した明細書の特許請求の範囲を更に減縮する補正をすることができる。
(ヘ) 訂正の審判が特許庁に係属しているときに特許の無効の審判が請求された場合、特許の無効の審判の答弁書の提出期間内であっても明細書又は図面の訂正を請求することはできない。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ
〔23〕意匠登録出願の分割、変更に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
1 2以上の意匠を包含する意匠登録出願についての拒絶査定に対する審判の審決に対する訴えを東京高等裁判所に提起し、その事件が同裁判所に係属しているときは、当該意匠登録出願人は、その意匠登録出願の分割をすることができる。
2 2以上の意匠を包含する意匠登録出願の一部を分割して新たな意匠登録出願とする場合において、もとの意匠登録出願が、意匠法第4条第2項(意匠の新規性の喪失の例外)の規定の適用を受けるための手続をしたものであるときは、新たな意匠登録出願について、同法第4条第3項の規定により提出しなければならない書面及び書類は、その旨を願書に表示してその提出を省略することができる。
3 甲が意匠イを創作し、乙がイと同時に使用する物品の意匠ロを創作し、イとロについて甲と乙が共同で一の意匠登録出願をしたが、意匠法第7条の規定に違反する旨の拒絶理由の通知を受けた。このとき、甲は、もとの意匠登録出願の一部を同法第10条の2の規定により分割して、イについて甲を意匠登録出願人とした新たな意匠登録出願とすることができる。
4 相互に類似する2つの意匠を包含する意匠登録出願をした場合において、その出願の一部を分割して一の新たな意匠登録出願とし、同時に、もとの意匠登録出願について分割に係る意匠を削除する補正をし、新たな意匠登録出願については、もとの意匠登録出願に係る意匠を本意匠とする関連意匠の意匠登録出願とすることができる。
5 2以上の意匠を包含する意匠登録出願を実用新案登録出願に変更する場合、その意匠登録出願を各意匠ごとの新たな意匠登録出願に分割した後でなければ変更することができない。
〔24〕いわゆる不使用による商標登録の取消しの審判(商標法第50条第1項、以下「不使用取消審判」という。)に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。
1 登録商標が、その指定商品について日本国内で継続して3年以上正当な理由 がなく使用されなかった場合は、たとえ当該登録商標が、商標登録の日から4 年経過後になされた不使用取消審判の請求時において、日本国内でいわゆる駆 け込み使用でなくその請求に係る指定商品について使用がされているとしても、 当該請求に係る指定商品についての商標登録の取消しを免れることはできない。
2 不使用取消審判によって商標登録を取り消すべき旨の審決を受けた商標権者 であった者は、その審決が確定した日から5年を経過した後でなければ、その 取り消された商標登録に係る指定商品又はこれに類似する商品について、その 登録商標又はこれに類似する商標についての商標登録を受けることができない。
3 不使用取消審判の請求人適格について、商標法は明文の規定を設けていない が、利害関係を有する者に限られると解するべきである。
4 不使用取消審判においては、請求に係る指定商品についての登録商標の使用 が当該審判の請求の登録前継続して3年以上日本国内において商標権者、専用 使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないことを請 求人が証明しない限り、その請求に係る指定商品についての商標登録は取り消 されることはない。
5 不使用取消審判の請求前3月から請求の日までの間に、商標権者が日本国内 において、その請求に係る指定役務についての登録商標の使用をした場合であ って、その登録商標の使用が、審判の請求がされることを知った後であること を請求人が証明したときは、被請求人がその登録商標を使用したことについて 正当な理由があることを明らかにしない限り、その請求に係る指定役務につい ての商標登録は取り消される。
〔25〕パリ条約のストックホルム改正条約における特許発明の不実施等に対する制裁について、次のうち、正しいものはどれか。
1 特許権者が、特許を取得した同盟国で特許発明に係る物を製造せず、非同盟国でその物を製造して当該特許を取得した同盟国に輸入したり、あるいは特許発明に係る方法を非同盟国で実施して製造した物を当該特許を取得した同盟国に輸入する場合でも、その特許は効力を失わない。
2 特許発明が実施されず又はその実施が十分でないことを理由として強制的に設定された実施権は、特許権者が、自ら実施したり第三者に実施権を許諾することを禁止するものではないが、上記と同一の理由で強制的に設定された実施権については、その実施の事業とともに移転する場合を除くほか、再実施権の許諾の形式でも移転することはできない。
3 特許発明が実施されず又はその実施が十分でないことを理由とする実施権の強制的設定は、特許出願の日から4年の期間又は特許が与えられた日から3年の期間のうちいずれか遅く満了した後にその請求があったときは、いかなる場合においても、これを設定しなければならない。
4 各同盟国は、特許に基づく排他的権利の行使から生ずることがある弊害を防止するため、実施権の強制的設定について規定する立法措置をとることができるが、この弊害による立法措置は、当該特許発明が実施されない場合のほか、公共の利益のために必要な場合にもとることができる。
5 各加盟国は、特許に基づく排他的権利の行使から生ずることがある弊害を防止するために実施権の強制的設定では十分でない場合に限り、いつでも当該特許の効力を失わせることができる。
〔26〕出願の分割又は変更に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
1 特許異議の申立ての審理において、取消理由通知の際に指定された期間内に、
特許に係る出願の一部を新たな特許出願とすることができる場合がある。
2 発明イを包含する特許出願において、補正によりイがその特許出願に含まれ
ないこととなった後、その特許出願をもとの特許出願として、イについて新たな特許出願をすることができる場合はない。
3 出願の分割に係る新たな特許出願についてする出願審査の請求は、その新た
な特許出願の日から30日を経過した後にすることができる場合がある。
4 特許法第41条に基づく優先権の主張を伴う特許出願を意匠登録出願に変更するときは、もとの特許出願の際に主張した優先権を主張することができる。
5 実用新案登録出願を変更した特許出願でも、特許法第41条に基づく優先権主張の基礎となる場合がある。
〔27〕実用新案登録の無効の審判に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、実用新案登録は、国際実用新案登録出願に係るものではないものとする。
1 実用新案登録の無効の審判が特許庁に係属しているときにされた明細書又は図面の訂正は、当該審判の請求が取り下げられたときは、なかったものとされる。
2 2の請求項イ、ロに係る実用新案登録を無効とする審判が請求され、図面を追加する補正が願書に最初に添付した明細書又は図面の範囲内においてしたものでないことを無効の理由としている場合、当該補正がイのみに関連するものであるときは、このことを理由としてロに係る実用新案登録が無効とされることはない。
3 実用新案登録を無効にすべき旨の審決に対する訴えが裁判所に係属している場合において、明細書又は図面の訂正があったとき、審判長は、その副本を当該審判の請求人に送達しなければならない。
4 登録実用新案については公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがない場合であっても、考案の詳細な説明にそのようなおそれのある記載があるときは、そのことを理由として、当該実用新案登録は無効とされる。
5 複数の請求項に係る実用新案登録に対し1の実用新案登録の無効の審判が請求されている場合、審理の終結の通知があった後、当該審決の謄本の送達がされるまでの間は、審理の再開がされない限り、明細書又は図面の訂正をすることができない。
〔28〕組物の意匠に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
1 同時に使用される2以上の物品であるが、経済産業省令で定める組物のいずれにも属さない物品に係る意匠について意匠登録出願をしたとき、当該出願に係る2以上の物品の構成が経済産業省令で定める組物と同程度であれば、その意匠について意匠登録を受けることができる。
2 同日に、「一組の酒器セット」の組物について、甲と乙がそれぞれ意匠登録出願Aと意匠登録出願Bをした。Aに係る組物の意匠イとBに係る組物の意匠ロは類似しないが、イのグラスの意匠とロのグラスの意匠が類似するものであるとき、甲が、イについて意匠登録を受けるためには、乙と協議をしなければならない場合がある。
3 意匠登録出願人は、「一組のオーディオ機器セット」の組物としてした意匠登録出願について拒絶すべき旨の査定を受けたとき、当該査定の謄本の送達後において、その意匠登録出願の一部を分割して「スピーカーボックス」の意匠についての新たな意匠登録出願とすることができる場合がある。
4 組物を構成する物品に係る意匠についての意匠登録が、組物全体として統一がない意匠についてされたとき、そのことを理由として、意匠登録の無効の審判を請求することができる。
5 「一組の応接家具セット」の組物につき、その組物を構成する複数の安楽いすを並べたときにその背もたれ部分に特徴ある形状が表われる場合、その安楽いすの背もたれ部分の形状にかかる部分意匠については、組物の意匠として意匠登録を受けることができる場合がある。
〔29〕商標登録出願についての補正に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。
1 願書に記載した指定商品「自動車,自転車」を「自動車」に減縮する補正をした 後に、指定商品に再度「自転車」を追加する補正は、指定商品の要旨の変更とな る。
2 願書に記載した商標登録を受けようとする商標の一部に付記的に記載された 文字を削除する補正は、いかなる場合も商標の要旨の変更となる。
3 願書に記載した商標登録を受けようとする商標が、商標法第5条第3項(標準 文字)に基づく文字のみからなる場合、当該商標の文字を現実に使用している特 殊な書体の文字に変更する補正は、商標の要旨の変更とはならない。
4 願書に記載した指定商品を減縮する補正のみならず、指定商品に類似する商 品を追加する補正も指定商品の要旨の変更とはならない。
5 色彩は文字、図形と異なり独立して商標の構成要素とはならないので、願書 に記載した商標登録を受けようとする商標の色彩のみを変更する補正は、いか なる場合も商標の要旨の変更とはならない。
〔30〕知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPs協定)に関し、次の(イ)〜(ニ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
(イ) TRIPs協定によれば、加盟国は、原則として、知的所有権の保護に関し、自国民に与えるよりも不利でない待遇を、他の加盟国の国民に与えなければならない。
(ロ) 加盟国が、知的所有権の保護に関し、他の加盟国の国民に、自国民に与えるよりも有利な待遇を与えても、TRIPs協定には反しない。
(ハ) TRIPs協定によれば、加盟国は、原則として、自国が他国(X国)の国民に与える利益、特典、特権又は免除を、そのX国が加盟国であるか否かにかかわらず、他のすべての加盟国の国民に対し、即時かつ無条件に与えなければならない。
(ニ) 加盟国が、知的所有権の国際的消尽を定めることは、いかなる場合にもTRIPs協定違反となる。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 なし
〔31〕特許法に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。
1 利用発明の特許権の通常実施権者も、裁定の請求をすることができる。
2 特許庁長官は、5年以上継続して、日本国内で実施がなされていない特許を取り消すことができる。
3 特許庁長官が不実施を理由とする裁定をする場合には、工業所有権審議会の意見に従わなければならない。
4 公益上の理由があるときは、経済産業大臣は特許権を収用することができる。
5 利用発明について、裁定の請求があった場合には、被請求人も裁定の請求をすることができる。
〔32〕特許権の侵害に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
1 特許権者は、当該特許権を侵害する行為に用いられる汎用部品を供給する者に対して、損害賠償の請求をすることができる場合はない。
2 独占的通常実施権者は、侵害者に対して損害賠償の請求をすることができない。
3 甲は、乙の製造する物が製造開始時点で甲の特許に係る方法の発明の実施にのみ使用する物であったとしても、侵害訴訟の口頭弁論終結時までに他の用途が開発されていた場合には、損害賠償の請求をすることができない。
4 特許権侵害に基づく損害賠償請求権が民法第724条に規定する3年の短期消滅時効により消滅した後であっても、特許権侵害によって生じた損失の補填を求める法的手段はある。
5 特許権者が自ら当該特許発明の実施を行っていない場合には、特許権者は、特許法第102条第3項に規定されている「特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金銭」しか損害の額としてその賠償の請求をすることができない。
〔33〕甲は、意匠イ、ロ、ハ及びニを自ら創作した。イとニは類似していなかったが、ロはイ、ハ及びニに類似していた。次の記述のうち、正しいものは、どれか。
1 甲は、イについての意匠登録出願Aと同日に、ロ及びハについてイを本意匠とする関連意匠の意匠登録出願B及びCをし、ニについては通常の意匠登録出願Dをすれば、イ、ロ、ハ及びニのすべてについて意匠登録を受けることができる。
2 甲は、ロについての意匠登録出願Bと、イ、ハ及びニについてロを本意匠とする関連意匠の意匠登録出願A、C及びDを同日にする場合において、Bに係るロについて秘密にすることを請求することができる。
3 甲は、ロを本意匠とし、イ、ハ及びニについてロを本意匠とする関連意匠の意匠登録を受けた後に、本意匠ロの意匠権と関連意匠ハの意匠権が登録料の不納付により消滅した場合、関連意匠ニの意匠権は、関連意匠イの意匠権と分離して移転することができる。
4 甲は、ロを本意匠とし、イ、ハ及びニについてロを本意匠とする関連意匠の意匠登録を受けた場合において、乙は、ニがハにのみ類似するものであることを理由として、ニについて意匠登録の無効の審判を請求することができない。
5 甲は、ロを本意匠とし、イ、ハ及びニについてロを本意匠とする関連意匠の意匠登録を受けた場合において、イ、ハ及びニの意匠権については、同一の者に対し同時に設定する場合に限り、専用実施権を設定することができる。
〔34〕次の(イ)〜(ヘ)のうち、左欄の商標登録出願に係る商標(以下「出願に係る商標」という。)又は防護標章登録出願に係る標章(以下「出願に係る標章」という。)が、右欄の先願に係る登録商標又は登録防護標章の存在を理由として拒絶される場合は、いくつあるか。
ただし、商標又は標章「太陽」と「Sun」は類似するものとし、また、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。
|
左 欄
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右 欄
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(イ)
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出願人
甲
指定役務 広告
出願に係る標章 太陽 |
権利者 乙
指定役務 広告
登録商標 太陽 |
(ロ)
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出願人 甲
指定商品 化粧品
出願に係る商標 太陽 |
権利者 乙
指定商品 化粧品
登録防護標章 太陽 |
(ハ)
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出願人 甲
指定役務 広告
出願に係る標章 太陽 |
権利者 甲
指定役務 広告
登録防護標章 Sun |
(ニ)
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出願人 甲
指定商品 化粧品
出願に係る商標 太陽 |
権利者 甲
指定商品 化粧品
登録防護標章 太陽 |
(ホ)
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出願人 甲
指定役務 広告
出願に係る標章 太陽 |
権利者 乙
指定役務 広告
登録防護標章 太陽 |
(ヘ)
|
出願人 甲
指定商品 化粧品
出願に係る商標 太陽 |
権利者 乙
指定商品 化粧品
登録商標 Sun |
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ
〔35〕特許協力条約における国際公開に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
1 自国に関する限り国際出願の国際公開を行う必要がないことの宣言を行っている国のみの指定が国際出願に含まれている場合において、その国際出願は、出願人からの請求があったときは、優先日から18月を経過する前に国際公開されることがある。
2 特許法に規定する日本語でされた国際特許出願の出願人には、国際公開がその出願人の請求により優先日から18月を経過する前に行われた場合であっても、国際公開されたときから補償金請求権が発生する。
3 国際公開の技術的な準備が完了する前に国際出願が取り下げられた場合には、その国際出願の国際公開は行われない。
4 国際出願が、英語、スペイン語、中国語、ドイツ語、日本語、フランス語又はロシア語(国際公開の言語)でない言語でされた場合の国際公開は、常に英語による翻訳文により行われる。
5 請求の範囲について、この条約第19条の規定に基づく補正がされた場合であっても、国際公開には、常に出願時における請求の範囲の全文が含まれる。ただし、請求の範囲には公序良俗に反する表現又は誹謗の記載は含まれていないものとする。
〔36〕特許法第30条(発明の新規性の喪失の例外)について、次のうち、正しいものは、どれか。
1 共同発明者の1人が特許出願前にその発明を公表してしまった場合であっても、その公表日から6月以内に特許出願をするときは、発明の新規性の喪失の例外の適用を受けることができる場合がある。
2 特許を受ける権利を有する者が、特許出願前に出願に係る発明を複数回にわたって公開した場合には、その発明は新規性を喪失したものとされ、発明の新規性の喪失の例外の適用を受けることはない。
3 外国の特許公報によって公開された発明であっても、その公開日から6月以内に特許出願をするときは、発明の新規性の喪失の例外の適用を受けることができる。
4 特許法第30条の適用を受けようとする者はすべて、その旨を記載した書面を特許出願と同時に特許庁長官に提出しなければならない。
5 特許を受ける権利を有する者が、特許庁長官の指定する学術団体が開催する研究集会において文書をもって発表したが、その前日にその内容を研究集会の予告として電気通信回線を通じて発表していた。この場合でも、研究集会から6月以内に出願すれば、発明の新規性の喪失の例外の適用を受けることができる。
〔37〕特許異議の申立てに関し、次の(イ)〜(ヘ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
(イ) すべての請求項に係る特許権が放棄され、放棄による消滅が特許原簿に登録された場合であっても、特許掲載公報の発行の日から6月以内であれば、特許異議の申立てをすることができる。
(ロ) 2の請求項イ、ロに係る特許について、イに係る特許異議の申立てとロに係る特許異議の申立てがなされた場合、それらの審理は特別の事情があるときを除き併合される。
(ハ) 特許の取消しの理由の通知があった後は、当該特許権に関し利害関係を有する者が、当該特許異議申立てについての審理に参加できる場合はない。
(ニ) 特許権者及び参加人に対して特許の取消しの理由の通知があった後であっても、当該特許権者及び参加人の承諾を得れば、当該特許異議の申立てを取り下げることができる。
(ホ) 2以上の請求項に係る特許について、一の請求項に係る特許異議の申立てをした者は、特許掲載公報の発行の日から6月以内であっても、他の請求項の表示並びに当該他の請求項に係る特許異議の申立ての理由及び必要な証拠の表示を追加する補正をすることはできない。
(ヘ) 特許異議の申立てにおいて訂正の請求をする場合、特許異議の申立てがされていない請求項については訂正を請求することができない。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ
〔38〕秘密意匠に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
1 意匠登録出願に係る意匠を秘密にすることを請求する者は、願書に秘密意匠の登録を受けようとする意匠を記載した図面を添付し、特許庁長官が指定した期間内にその意匠を秘密にすることを請求する期間を記載した書面を提出すれば足りる。
2 意匠登録出願人が意匠権の設定の登録の日から3年未満の期間についてその意匠登録出願に係る意匠を秘密にすることを請求した場合には、秘密にする期間が通算して3年を超えない範囲で、秘密請求期間を1回に限り延長することができる。
3 秘密登録意匠に係る意匠権についての専用実施権者は、意匠公報の掲載事項を記載し、特許庁長官の証明を受けた書面を提示して警告をした後でなければ、差止請求権を行使することができない。
4 利害関係人が、意匠権者の氏名又は名称及び登録番号を記載した書面その他経済産業省令で定める書面を特許庁長官に提出して秘密登録意匠の開示を請求したときは、特許庁長官は、秘密にすることを請求されている期間内であっても、その意匠を意匠公報に掲載しなければならない。
5 秘密登録意匠に係る意匠権についての専用実施権者が損害賠償請求権を行使する場合、秘密請求期間が経過したときは、直ちに侵害行為についての過失の推定規定の適用がある。
〔39〕商標登録の無効の審判に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。
1 商標登録出願に係る商標が、その出願の後、登録査定時までの間に、その指定商品について慣用されている商標に該当するものとなっている場合、そのことを理由として、無効の審判を請求することはできない。
2 商標権の設定の登録の日から5年を経過した後は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標を、他人に損害を加える目的で商標登録を受けた場合、そのことを理由として、無効の審判を請求することはできない。
3 二人の者が共同で創作した商標を、一人の者が単独で商標登録出願して商標登録を受けた場合、そのことを理由として、無効の審判を請求することはできない。
4 代表者の定めのある市民団体であっても、当該団体が、業として、商品を生産し、証明し、又は譲渡する者でもなく、業として、役務を提供し、又は証明する者でもない場合は、無効の審判を請求することはできない。
5 登録商標が、その登録の後、無効の審判の請求時までの間に、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標に該当するものとなっている場合、そのことを理由として、無効の審判を請求することはできない。
〔40〕知的所有権に係る諸条約等に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
1 国際特許分類に関するストラスブール協定は、この国際特許分類がパリ条約のすべての締約国に対して有する重要性を考慮して協定されたものであって、パリ条約のすべての締約国は、この国際特許分類を主たる体系として又は副次的な体系として採用し、特許に係る文書を単に公衆の閲覧に供する場合であっても、その国際特許分類の記号を、原則的には完全な形で、その特許に係る文書に付与しなければならない。
2 世界知的所有権機関は、ベルヌ条約で保護する文学的、美術的著作物とパリ条約で保護する工業所有権とを含む知的所有権の保護、改善を図ること及び知的所有権に係る諸同盟の管理業務を行うことを主な任務とする機関であるが、世界知的所有権機関の加盟国の地位は、世界貿易機関のすべての加盟国に対して開放されている。
3 商標法条約においては、締約国は、出願人に対し、標章の使用意思に関する宣言書の提出に代えて、願書に記載された商品又はサービスに係る業務を出願人が行っている旨の証拠を提出するよう要求することができる。
4 マドリッド協定の議定書において、国際事務局は適式な国際出願があった場合には、当該標章を、本国官庁が国際出願を受理した日(又は国際事務局が国際出願を受理した日)を国際登録の日として登録し、関係締約国の官庁に通報するが、関係締約国の官庁は、所定の期間内に、当該標章に対する保護を当該締約国においては与えることができない旨の通報を行うことができる。
5 パリ条約の同盟国の国民が他の同盟国にした出願に関し、他の同盟国による条約の適用、解釈に疑義がある場合には、その国民は、パリ条約第28条の規定に基づき、その解決を国際司法裁判所に付託することができる。
〔41〕外国語書面出願に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
1 外国語書面の図面中に説明がない場合には、翻訳文として図面を提出しなくても、その外国語書面の図面が、特許法第36条第2項所定の願書に添付した図面とみなされる。
2 外国語書面出願についての翻訳文を提出しなければ、その外国語書面出願に基づく優先権の主張を伴う特許出願をすることはできない。
3 外国語書面出願についての翻訳文を提出しなくとも、その外国語書面出願の一部を新たな特許出願とすることができる。
4 外国語書面出願において、誤訳訂正書を提出してした明細書の補正が、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであるが、誤訳の訂正を目的とするものではないとき、その外国語書面出願は、その補正が誤訳の訂正を目的とする補正でないことを理由として拒絶される。
5 外国語書面出願について最後に受けた拒絶理由通知の際に指定された期間内(特許法第17条の2第1項第2号)にした、誤訳訂正書の提出による明細書の補正が、外国語書面に記載した事項の範囲内においてしたものであるときでも、その補正は却下される場合がある。
〔42〕特許料又は手数料に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
1 国と国以外の者との共有に係る特許権についての持分の定めが1/2ずつであるとき、国以外の者がする当該特許権に関する証明の請求についての手数料は、特許法第195条第1項の規定により納付すべき手数料の金額の1/2(十円未満の端数は切り捨て)である。
2 審判長は、特許の無効の審判の請求に係る手数料の納付をすべきことを命じた請求人が指定した期間内にその手数料を納付しないとき、審決をもって当該請求を却下することができる。
3 実用新案権者が設立後5年以内の中小企業である場合、その中小企業に当該実用新案技術評価の請求の手数料を納付する資力がないときでも、その手数料が免除されることはない。
4 特許法第107条第1項の規定による第1年から第3年までの各年分の特許料について、同法第109条の規定による軽減を許可する旨の決定があったときは、軽減された特許料が納付される前であっても当該特許権の設定の登録がなされる。
5 特許法第112条の2第2項の規定により特許権が回復した場合において、同法第112条第1項の規定により特許料を追納することができる期間の経過後特許権の回復の登録前に善意で当該発明の実施である事業をしている者は、その実施をしている発明及び事業の目的の範囲内において当該特許権について通常実施権を有する。
〔43〕特許権の共有に関し、法律又は判例の解釈上誤っているものは、次のうち、どれか。
1 特許権の共有者は、他の共有者と共にでなくとも、共有持分を譲渡することができる。
2 特許権の共有者は、他の共有者と共にでなくとも、特許を無効とする審決に対する訴えを提起することができる。
3 特許権の共有者は、他の共有者と共にでなくとも、共有持分を放棄することができる。
4 特許権の共有者は、他の共有者と共にでなくとも、特許発明の実施をすることができる。
5 特許権の共有者は、他の共有者と共にでなくとも、侵害差止めの訴えを提起することができる。
〔44〕意匠の審判又は判定に関し、次の(イ)〜(ホ)のうち、誤っているものは、いくつあるか。
(イ) 意匠権者は、願書に添付した図面の一部が明りょうでないことを発見した場 合、意匠の要旨を変更しない範囲において、願書に添付した図面の訂正をする ことについて審判を請求することができる。
(ロ) 拒絶査定に対する審判を請求した者は、その事件について、審理の終結の通 知がなされた後であっても、願書に添付した図面について補正をすることがで きる場合がある。
(ハ) 意匠権の存続期間中の侵害行為に対する損害賠償の請求をされた者は、その 意匠権の存続期間満了により消滅した後であっても、その意匠登録を無効にす ることについて審判を請求することができる。
(ニ) 審判の請求後において図面についてした補正が、要旨を変更するものとして 決定をもって却下されたとき、その決定に対する訴えは、特許庁長官を被告と して東京高等裁判所に提起しなければならない。
(ホ) 甲が乙を被請求人とする判定を求めた場合において、乙からの答弁書の提出があった後であっても、甲は、乙の承諾を得ることなく、その判定の求を取り下げることができる。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 なし
〔45〕商標法におけるマドリッド協定の議定書に基づく特例に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
1 特許庁長官は、国際登録出願の願書及び必要な書面を国際事務局に送付する 場合において、当該願書の記載事項とその基礎とした防護標章登録の記載事項 が一致するときは、その旨及び国際登録出願の受理の日を願書に記載しなけれ ばならない。
2 国際登録に基づく商標権の放棄による消滅は、国際登録簿に登録しなければ、 その効力を生じない。
3 国際登録に係る商標権であったものについての議定書の廃棄後の商標登録出 願(商標法第68条の33第1項)であって、当該国際登録の日にされたものとみな された商標登録出願は、商標法第6条第1項又は第2項(一商標一出願)に規定 する要件を満たしていないことを理由として拒絶される場合がある。
4 日本国を指定する領域指定が事後指定によりなされた商標登録出願に係る国 際登録に基づく商標権の存続期間は、当該事後指定の日から10年をもって終了 する。
5 国際登録に基づく登録商標が、その商標登録前の国内登録に基づく登録商標 と同一であり、かつ、国際登録に基づく登録商標に係る指定役務が国内登録に 基づく登録商標に係る指定役務と重複している場合であって、国際登録に基づ く登録商標に係る商標権者と国内登録に基づく登録商標に係る商標権者が同一 であるときは、国際商標登録出願はその重複している範囲については、国内登 録に基づく登録商標に係る商標登録出願の日にされていたものとみなされる。
〔46〕特許協力条約及びそれに基づく規則における国際調査及び国際予備審査に関し、次の(イ)〜(ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
(イ) 国際調査機関は、国際出願が規則に定める発明の単一性の要件を満たしていないと認めた場合には、出願人に対し追加手数料の支払を求めるが、出願人は、追加手数料の支払に代えて、国際事務局に補正書を提出して、国際出願の請求の範囲を補正することにより、発明の単一性の要件を満たすようにすれば、追加手数料を支払うことなく、補正された請求の範囲に記載されたすべての発明について、国際調査を受けることができる。
(ロ) 国際調査は、国際出願に係る発明に関連のある先行技術を発見することを目的として行われるものであり、国際調査機関は可能な限り多くの関連のある先行技術を発見するよう努めるものとし、国際調査を行うときは、いかなる場合にも規則に定める最小限資料と呼ばれる資料を調査する。
(ハ) 国際出願の請求の範囲に記載されている発明が、いずれかの産業の分野においてその発明の対象がその発明の性質に応じ技術的な意味において生産し又は使用することができるものである場合には、産業上の利用可能性を有するものとされる。
(ニ) 国際予備審査機関が、支払時期までに支払われていない予備審査手数料の支払を出願人に求め、かつ出願人がその求めの日から1月の期間内に予備審査手数料を支払わないときは、いかなる場合にも、当該国際予備審査の請求は、行われなかったものとみなされる。
(ホ) 出願人は、国際予備審査機関に対する答弁のための期間の経過後は、補正書又は抗弁を提出するための追加の機会が与えられない限り、請求の範囲、明細書中の特定の箇所及び特定の図面の削除はできないが、明白な誤りの訂正をすることができる場合がある。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ
〔47〕出願公開及び特許法に規定するいわゆる補償金請求権に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
1 特許権の設定の登録の日から3年を経過した後は、補償金請求権の行使をすることができる場合はない。
2 特許出願に係る発明の内容を知らないで自らその発明をし、特許出願の際現に日本国内においてその発明の実施である事業の準備をしている者が、その特許出願の出願公開後であって特許権の設定登録前に、その事業をしたときは、その者は特許権者に補償金を支払わなければならない。
3 外国語書面出願についての出願公開の請求は、翻訳文を提出する前であっても、することができる。
4 出願公開の請求があった後に特許出願が取り下げられたとしても、その特許出願は特許法第29条の2に規定するいわゆる拡大された範囲の先願の地位を有する。
5 補償金請求の訴訟においては、裁判所が補償金額を立証するために必要な事項について鑑定を命じたときに、当事者が鑑定人に対して鑑定をするために必要な事項について説明する義務を負うことはない。
〔48〕 特許法に規定された審判又は再審に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
1 特許法第139条各号のいずれかに規定する除斥の原因が審判官にあったとしても、当事者又は参加人による除斥の申立てがなければ、その審判官は当該職務の執行から除斥されることはない。
2 甲が単独で特許出願をしたところ、特許を受ける権利が甲及び乙の共有に係るとのいわゆる共同出願違反を理由として拒絶をすべき旨の査定を受けた。この拒絶査定に対する審判の請求は、甲及び乙が共同してしなければならない。
3 審判請求をすることができる期間を経過した後の審判の請求については、当該審判請求人に対し弁明書を提出する機会を与えなければ、審決をもって却下することができない。
4 甲を請求人、乙を被請求人とする特許の無効の審判について、特許を無効にすべき旨の審決が確定した場合、甲を被請求人として当該確定審決に対する再審を請求することができるのは、乙又は当該審判に参加していた者に限られない。
5 特許を無効にすべき旨の確定審決に対する再審において、審判官は当事者又は参加人が申し立てない理由についても審理することができる。
〔49〕特許協力条約及びそれに基づく規則における国際出願の手続等に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
1 国際出願の記録原本が出願人の過失により13月以内に国際事務局に到達せず、その結果当該国際出願が取下げとみなされてしまったとしても、出願人は、国際事務局に国際出願に関する書類の写しを特定の指定官庁に送付するように請求し、また、必要な国内手数料の支払及び所定の適当な翻訳文の提出を所定期間内にすることにより、当該特定の指定官庁による検査を受けることが可能な場合もある。
2 優先日から19月を経過する前に国際予備審査請求を行っていれば、19月を経過した後に、後にする選択により選択国を追加した場合であっても、翻訳文の各選択官庁への提出は、優先日から30月を経過する時までにすればよい。
3 国際出願に係る手続を日本における管轄受理官庁にする場合には、その手続きは、出願人、又は二人以上が共同して国際出願した場合における出願人の代表者が行うほか、法定代理人、特許管理人、弁理士又は弁護士によって行うことができる。
4 各指定国の国内法令は、国際出願が、その形式又は内容において、条約及び規則に定める要件と異なる要件又は追加する要件を満たすことを要求することは、原則として、できないが、各指定国は、特許性の実体的な条件に係る発明の新規性、進歩性及び産業上の利用可能性の要件について、指定国の国内法令上の基準を適用することは自由である。
5 指定官庁は、出願人の明示の請求があれば、国際出願の処理を行うことができるところ、一旦国際出願の処理が指定官庁において始まると、その国際出願の取下げが、優先日から20月を経過する前に受理官庁又は国際事務局に対して通告されたとしても、その指定官庁については、当該国際出願が取り下げられたことにならない。
〔50〕特許法、実用新案法、意匠法、商標法に関して比較した次の(イ)、(ロ)、(ハ)の記述の中から、正しいものを選択しているのは、どれか。
(イ) 特許権侵害訴訟において、特許権者が侵害の行為を組成したものとして主張する物件の具体的態様を相手方が否認するときは、明らかにすることができない相当な理由がない場合は、相手方は自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならないが、実用新案権侵害訴訟において、実用新案権者が侵害の行為を組成したものとして主張する物件の具体的態様を相手方が否認するときは、明らかにすることができない相当な理由がない場合であっても、相手方は自己の行為の具体的態様を明らかにすることを要しない。
(ロ) 意匠登録出願の審査において、補正の却下の決定がなされたときは、審査官は、その決定の謄本の送達があった日から30日を経過するまでは、当該出願について査定をしてはならず、また、特許出願の審査において、補正の却下の決定がなされたときは、審査官は、その決定の謄本の送達があった日から30日を経過するまでは、当該出願について査定をしてはならない。
(ハ) 特許権についてのいわゆる先使用による通常実施権は、当該実施の事業とともにする場合、特許権者の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り移転をすることができ、また、商標権についてのいわゆる先用権は、当該業務とともにする場合に限り移転をすることができる。
1 (イ)が正しい
2 (ロ)が正しい
3 (ハ)が正しい
4 (イ)、(ロ)、(ハ)のうちのいずれか二つが正しい
5 (イ)、(ロ)、(ハ)のすべてが正しい
|
問題番号 |
正解枝 |
1 |
4 |
2 |
5 |
3 |
3 |
4 |
5 |
5 |
1 |
6 |
3 |
7 |
2 |
8 |
5 |
9 |
4 |
10 |
1 |
11 |
2 |
12 |
3 |
13 |
3 |
14 |
2 |
15 |
5 |
16 |
4 |
17 |
1 |
18 |
2 |
19 |
3 |
20 |
5 |
21 |
1 |
22 |
1 |
23 |
4 |
24 |
5 |
25 |
2 |
|
|
問題番号 |
正解枝 |
26 |
3 |
27 |
5 |
28 |
3 |
29 |
1 |
30 |
3 |
31 |
5 |
32 |
4 |
33 |
2 |
34 |
2 |
35 |
4 |
36 |
1 |
37 |
2 |
38 |
3 |
39 |
3 |
40 |
4 |
41 |
5 |
42 |
3 |
43 |
2 |
44 |
1 |
45 |
4 |
46 |
3 |
47 |
4 |
48 |
4 |
49 |
2 |
50 |
3 |
|
|
【問い合わせ先】
特許庁総務部秘書課弁理士係
TEL:03(3580)5864
担当:深沢、安原、柴崎、山口
※なお、試験問題及び解答について、試験委員への個々の問い合わせには、一切応じませんので、ご了承下さい。
[更新日 2001.5.21]