関税法

 
第六十九条の二(輸出してはならない貨物)
 次に掲げる貨物は、輸出してはならない。
麻薬及び向精神薬、大麻、あへん及びけしがら並びに覚せい剤(覚せい剤取締法(昭和二十六年法律第二百五十二号)にいう覚せい剤原料を含む。)。ただし、政府が輸出するもの及び他の法令の規定により輸出することができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより輸出するものを除く。
児童ポルノ(児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)第二条第三項(定義)に規定する児童ポルノをいう。)
特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権又は育成者権を侵害する物品 (改正):H18法17 H190101、H19法20 H190701(著作権、著作隣接権)
不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第二条第一項第一号から第三号まで(定義)に掲げる行為(これらの号に掲げる不正競争の区分に応じて同法第十九条第一項第一号から第五号まで(適用除外等)に定める行為を除く。)を組成する物品 (改正):H18法17 H190101 本号追加
 税関長は、前項第一号、第三号又は第四号に掲げる貨物で輸出されようとするものを没収して廃棄することができる。
(改正):H18法17 H190101
 税関長は、この章に定めるところに従い輸出されようとする貨物のうちに第一項第二号に掲げる貨物に該当すると認めるのに相当の理由がある貨物があるときは、当該貨物を輸出しようとする者に対し、その旨を通知しなければならない。
 (改正):H18法17 H180601 本条追加
 
第六十九条の三(輸出してはならない貨物に係る認定手続)
 税関長は、この章に定めるところに従い輸出されようとする貨物のうちに前条第一項第三号又は第四号に掲げる貨物に該当する貨物があると思料するときは、政令で定めるところにより、当該貨物がこれらの号に掲げる貨物に該当するか否かを認定するための手続(以下この条から第六十九条の十までにおいて「認定手続」という。)を執らなければならない。この場合において、税関長は、政令で定めるところにより、当該貨物に係る特許権者等(特許権者、実用新案権者、意匠権者、商標権者、著作権者、著作隣接権者若しくは育成者権者又は不正競争差止請求権者(同項第四号に掲げる貨物に係る同号に規定する行為による営業上の利益の侵害について不正競争防止法第三条第一項(差止請求権)の規定により停止又は予防を請求することができる者をいう。次条から第六十九条の八までにおいて同じ。)をいう。以下この条及び次条において同じ。)及び当該貨物を輸出しようとする者に対し、当該貨物について認定手続を執る旨並びに当該貨物が前条第一項第三号又は第四号に掲げる貨物に該当するか否かについてこれらの者が証拠を提出し、及び意見を述べることができる旨その他の政令で定める事項を通知しなければならない。
(改正):H18法17 H190101、H19法20 H190701(著作権者、著作隣接権者)
 税関長は、前項の規定による通知を行う場合には、当該貨物に係る特許権者等に対しては当該貨物を輸出しようとする者及び当該貨物の仕向人の氏名又は名称及び住所を、当該貨物を輸出しようとする者に対しては当該育成者権等者の氏名又は名称及び住所を、併せて通知するものとする。
(改正):H18法17 H190101
 税関長は、認定手続が執られる貨物の輸出に係る第六十七条(輸出又は輸入の許可)の規定に基づく輸出申告書その他の税関長に提出された書類、当該認定手続において税関長に提出された書類又は当該貨物における表示から、当該貨物を生産した者の氏名若しくは名称又は住所が明らかであると認める場合には、第一項の通知と併せて、又は当該通知の後で当該認定手続が執られている間、その氏名若しくは名称又は住所を当該貨物に係る特許権者等に通知するものとする。
(改正):H18法17 H190101
 税関長は、認定手続を経た後でなければ、この章に定めるところに従い輸出されようとする貨物について前条第二項の措置をとることができない。
 税関長は、認定手続が執られた貨物(次項において「疑義貨物」という。)が前条第一項第三号又は第四号に掲げる貨物に該当すると認定したとき、又は該当しないと認定したときは、それぞれその旨及びその理由を当該認定がされた貨物に係る特許権者等及び当該認定がされた貨物を輸出しようとする者に通知しなければならない。ただし、次項の規定による通知をした場合は、この限りでない。
(改正):H18法17 H190101
 税関長は、前項本文の規定による疑義貨物に係る認定の通知をする前に当該疑義貨物が輸出されないこととなつた場合には、当該疑義貨物に係る特許権者等に対し、その旨を通知するとともに、認定手続を取りやめるものとする。この場合において、当該疑義貨物の輸出を取りやめようとする者は、あらかじめその旨を税関長に届け出なければならない。
(改正):H18法17 H190101、H19法20 H190701
 第二項又は第三項の規定による通知を受けた者は、当該通知を受けた事項を、みだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならない。
 (改正):H18法17 H180601 本条追加
 
第六十九条の四(輸出してはならない貨物に係る申立て手続等)
 特許権者等は、自己の特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権若しくは育成者権又は営業上の利益を侵害すると認める貨物に関し、政令で定めるところにより、税関長に対し、その侵害の事実を疎明するために必要な証拠を提出し、当該貨物がこの章に定めるところに従い輸出されようとする場合は当該貨物について認定手続を執るべきことを申し立てることができる。この場合において、不正競争差止請求権者は、不正競争防止法第二条第一項第一号(定義)に規定する商品等表示であつて当該不正競争差止請求権者に係るものが需要者の間に広く認識されているものであることその他の経済産業省令で定める事項について、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣の意見を求め、その意見が記載された書面を税関長に提出しなければならない。
(改正):H18法17 H190101、H19法20 H190701(著作権、著作隣接権)
 税関長は、前項の規定による申立てがあつた場合において、当該申立てに係る侵害の事実を疎明するに足りる証拠がないと認めるときは、当該申立てを受理しないことができる。
 税関長は、第一項の規定による申立てがあつた場合において、当該申立てを受理したときはその旨及び当該申立てが効力を有する期間(税関長がその期間中にこの章に定めるところに従い輸出されようとする貨物のうちに当該申立てに係る貨物があると認めるときは、その都度、当該申立てに基づき認定手続を執ることとなる期間をいう。)を、前項の規定により当該申立てを受理しなかつたときはその旨及びその理由を当該申立てをした者に通知しなければならない。
 税関長は、第一項の規定による申立てを受理した場合において、当該申立てに係る貨物について認定手続を執つたときは、政令で定めるところにより、当該申立てをした者又は当該貨物を輸出しようとする者に対し、それぞれその申請により、当該貨物を点検する機会を与えなければならない。ただし、前条第六項の規定により当該認定手続を取りやめたときは、この限りでない。
 (改正):H18法17 H180601 本条追加
 
第六十九条の五(輸出差止申立てにおける専門委員への意見の求め)
 申立先税関長は、前条第一項の規定による申立てがあつた場合において必要があると認めるときは、知的財産権(知的財産基本法 (平成十四年法律第百二十二号)第二条第二項 (定義)に規定する知的財産権をいう。以下同じ。)に関し学識経験を有する者であつてその申立てに係る事案の当事者と特別の利害関係を有しないものを専門委員として委嘱し、政令で定めるところにより、当該専門委員に対し、前条第一項の規定により提出された証拠が当該申立てに係る侵害の事実を疎明するに足りると認められるか否かについて、意見を求めることができる。ただし、同項後段の規定により経済産業大臣の意見を求めるべき事項については、この限りでない。
 (改正):H18法17 H180601 本条追加、H18法17 H190101(ただし書き)
 
第六十九条の七(輸出してはならない貨物に係る意見を聴くことの求め等)
 特許権、実用新案権又は意匠権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続が執られたときは、当該貨物に係る特許権者等(特許権者、実用新案権者又は意匠権者をいう。以下この条において同じ。)又は輸出者(当該認定手続に係る貨物を輸出しようとする者をいう。以下この条において同じ。)は、政令で定めるところにより、当該特許権者等が第六十九条の三第一項(輸出してはならない貨物に係る認定手続)の規定による通知を受けた日(以下この項及び第六十九条の十第二項(輸出してはならない貨物に係る認定手続を取りやめることの求め等)において「通知日」という。)から起算して十日(行政機関の休日の日数は、算入しない。)を経過する日(第六十九条の十第一項及び第二項において「十日経過日」という。)までの期間(その期間の満了する日前に当該認定手続の進行状況その他の事情を勘案して税関長が当該期間を延長することを必要と認めてその旨を当該特許権者等及び当該輸出者に通知したときは、通知日から起算して二十日(行政機関の休日の日数は、算入しない。)を経過する日(第六十九条の十第一項において「二十日経過日」という。)までの期間)内は、当該認定手続が執られている間に限り、税関長に対し、当該認定手続に係る貨物が当該特許権者等の特許権、実用新案権又は意匠権を侵害する貨物に該当するか否かに関し、技術的範囲等(特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第七十条第一項(特許発明の技術的範囲)(実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第二十六条(特許法の準用)において準用する場合を含む。)に規定する技術的範囲又は意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第二十五条第一項(登録意匠の範囲)に規定する範囲をいう。第九項及び第六十九条の九(輸出してはならない貨物に係る認定手続における専門委員への意見の求め)において同じ。)について特許庁長官の意見を聴くことを求めることができる。
(改正):H19法20 H190401(当該特許権者等が)
 税関長は、前項の規定による求めがあつたときは、政令で定めるところにより、特許庁長官に対し、意見を求めるものとする。ただし、同項の規定による求めに係る貨物が第六十九条の二第一項第三号(輸出してはならない貨物)に掲げる貨物に該当するか否かが明らかであるときその他特許庁長官の意見を求める必要がないと認めるときは、この限りでない。
 税関長は、第一項の規定による求めがあつた場合において、前項ただし書の規定により特許庁長官の意見を求めなかつたときは、第一項の規定による求めをした特許権者等又は輸出者に対し、その旨及びその理由を通知しなければならない。
 特許庁長官は、第二項本文の規定により税関長から意見を求められたときは、その求めがあつた日から起算して三十日以内に、書面により意見を述べなければならない。
 税関長は、第二項本文の規定により特許庁長官の意見を求めたときは、その求めに係る特許権者等及び輸出者に対し、その旨を通知しなければならない。
 税関長は、第四項の規定による意見が述べられたときは、その意見に係る特許権者等及び輸出者に対し、その旨及びその内容を通知しなければならない。
 税関長は、第二項本文の規定により特許庁長官の意見を求めたときは、その求めに係る第四項の規定による意見が述べられる前に、第一項の求めをした者が特許権者等である場合にあつてはその求めに係る貨物が第六十九条の二第一項第三号に掲げる貨物に該当しないことの認定を、第一項の求めをした者が輸出者である場合にあつてはその求めに係る貨物が同号に掲げる貨物に該当することの認定をしてはならない。
 税関長は、第二項本文の規定により特許庁長官の意見を求めた場合において、その求めに係る第四項の規定による意見が述べられる前に、第一項の求めをした者が特許権者等である場合にあつてはその求めに係る貨物が第六十九条の二第一項第三号に掲げる貨物に該当すると認定したとき、若しくは第一項の求めをした者が輸出者である場合にあつてはその求めに係る貨物が同号に掲げる貨物に該当しないと認定したとき、又は第六十九条の三第六項若しくは第六十九条の六第十項(輸出差止申立てに係る供託等)の規定により当該貨物について認定手続を取りやめたときは、その旨を特許庁長官に通知するものとする。この場合においては、特許庁長官は、第四項の規定による意見を述べることを要しない。
 税関長は、特許権、実用新案権又は意匠権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続において、第六十九条の三第一項の規定による認定をするために必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、特許庁長官に対し、当該認定手続に係る貨物が特許権者等の特許権、実用新案権又は意匠権を侵害する貨物に該当するか否かに関し、技術的範囲等について意見を求めることができる。
10 第四項から第六項まで及び次条第五項の規定は、前項の規定により意見を求める場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
 (改正):H18法17 H190101 本条追加
 
第六十九条の八(輸出してはならない貨物に係る認定手続における農林水産大臣等への意見の求め)
 税関長は、育成者権を侵害する貨物又は第六十九条の二第一項第四号(輸出してはならない貨物)に掲げる貨物に該当するか否かについての認定手続において、第六十九条の三第一項(輸出してはならない貨物に係る認定手続)の規定による認定をするために必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、育成者権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続にあつては農林水産大臣に、第六十九条の二第一項第四号に掲げる貨物に該当するか否かについての認定手続にあつては経済産業大臣に対し、当該認定のための参考となるべき意見を求めることができる。
(改正):H18法17 H190101
 農林水産大臣又は経済産業大臣は、前項の規定により税関長から意見を求められたときは、その求めがあつた日から起算して三十日以内に、書面により意見を述べなければならない。
(改正):H18法17 H190101
 税関長は、第一項の規定により意見を求めたときは、認定手続に係る育成者権者又は不正競争差止請求権者及び当該認定手続に係る貨物を輸出しようとする者に対し、その旨を通知しなければならない。
(改正):H18法17 H190101
 税関長は、第二項の規定による意見が述べられたときは、前項の育成者権者又は不正競争差止請求権者及び当該認定手続に係る貨物を輸出しようとする者に対し、その旨及びその内容を通知しなければならない。
(改正):H18法17 H190101
 税関長は、第一項の規定により農林水産大臣又は経済産業大臣の意見を求めた場合において、その求めに係る第二項の規定による意見が述べられる前にその求めに係る貨物が育成者権を侵害する貨物若しくは第六十九条の二第一項第四号に掲げる貨物に該当すると認定したとき若しくは該当しないと認定したとき、又は第六十九条の三第六項若しくは第六十九条の六第十項(輸出差止申立てに係る供託等)の規定により当該貨物について認定手続を取りやめたときは、その旨を農林水産大臣又は経済産業大臣に通知するものとする。この場合においては、農林水産大臣又は経済産業大臣は、第二項の規定による意見を述べることを要しない。
(改正):H18法17 H190101
 (改正):H18法17 H180601 本条追加
 
第六十九条の九(輸出してはならない貨物に係る認定手続における専門委員への意見の求め)
 税関長は、第六十九条の二第一項第三号(輸出してはならない貨物)に掲げる貨物(育成者権を侵害する貨物を除く。)に該当するか否かについての認定手続において、第六十九条の三第一項(輸出してはならない貨物に係る認定手続)の規定による認定をするために必要があると認めるときは、知的財産権に関し学識経験を有する者であつてその認定手続に係る事案の当事者と特別の利害関係を有しないものを専門委員として委嘱し、政令で定めるところにより、当該専門委員に対し、当該認定のための参考となるべき意見を求めることができる。ただし、技術的範囲等については、この限りでない。
 
第六十九条の十一(輸入してはならない貨物)
 次に掲げる貨物は、輸入してはならない。
麻薬及び向精神薬、大麻、あへん及びけしがら並びに覚せい剤(覚せい剤取締法にいう覚せい剤原料を含む。)並びにあへん吸煙具。ただし、政府が輸入するもの及び他の法令の規定により輸入することができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより輸入するものを除く。
けん銃、小銃、機関銃及び砲並びにこれらの銃砲弾並びにけん銃部品。ただし、他の法令の規定により輸入することができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより輸入するものを除く。
爆発物(爆発物取締罰則(明治十七年太政官布告第三十二号)第一条(爆発物の使用)に規定する爆発物をいい、前号及び次号に掲げる貨物に該当するものを除く。)。ただし、他の法令の規定により輸入することができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより輸入するものを除く。
火薬類(火薬類取締法(昭和二十五年法律第百四十九号)第二条第一項(定義)に規定する火薬類をいい、第二号に掲げる貨物に該当するものを除く。)。ただし、他の法令の規定により輸入することができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより輸入するものを除く。
化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律(平成七年法律第六十五号)第二条第三項(定義等)に規定する特定物質。ただし、条約又は他の法令の規定により輸入することができることとされている者が当該条約又は他の法令の定めるところにより輸入するものを除く。
五の二
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第六条第二十項(定義)に規定する一種病原体等及び同条第二十一項に規定する二種病原体等。ただし、他の法令の規定により輸入することができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより輸入するものを除く。 (改正):追加 H18法17 感染症予防改正の日(H190601)、H20法30*H200512(第十九項−>第二十項、第二十項−>第二十一項)
貨幣、紙幣若しくは銀行券又は有価証券の偽造品、変造品及び模造品並びに不正に作られた代金若しくは料金の支払用又は預貯金の引出用のカードを構成する電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)をその構成部分とするカード(その原料となるべきカードを含む。)
公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品(次号に掲げる貨物に該当するものを除く。)
児童ポルノ(児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律第二条第三項(定義)に規定する児童ポルノをいう。)
特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品
不正競争防止法第二条第一項第一号から第三号まで(定義)に掲げる行為(これらの号に掲げる不正競争の区分に応じて同法第十九条第一項第一号から第五号まで(適用除外等)に定める行為を除く。)を組成する物品  (改正):H18法17 H190101((平成五年法律第四十七号)を削除)
 税関長は、前項第一号から第六号まで、第九号又は第十号に掲げる貨物で輸入されようとするものを没収して廃棄し、又は当該貨物を輸入しようとする者にその積戻しを命ずることができる。
 税関長は、この章に定めるところに従い輸入されようとする貨物のうちに第一項第七号又は第八号に掲げる貨物に該当すると認めるのに相当の理由がある貨物があるときは、当該貨物を輸入しようとする者に対し、その旨を通知しなければならない。
 (改正):H18法17 H180601 本条追加(対応する関税定率法第21条削除),H190101(第69条の8−>第69条の11)
 
(注):H19.01.01以前は、第六十九条の九
第六十九条の十二(輸入してはならない貨物に係る認定手続)
 税関長は、この章に定めるところに従い輸入されようとする貨物のうちに前条第一項第九号又は第十号に掲げる貨物に該当する貨物があると思料するときは、政令で定めるところにより、当該貨物がこれらの号に掲げる貨物に該当するか否かを認定するための手続(以下この条から第六十九条の二十までにおいて「認定手続」という。)を執らなければならない。この場合において、税関長は、政令で定めるところにより、当該貨物に係る特許権者等(特許権者、実用新案権者、意匠権者、商標権者、著作権者、著作隣接権者、回路配置利用権者若しくは育成者権者又は不正競争差止請求権者(前条第一項第十号に掲げる貨物に係る同号に規定する行為による営業上の利益の侵害について不正競争防止法第三条第一項(差止請求権)の規定により停止又は予防を請求することができる者をいう。次条から第六十九条の十八までにおいて同じ。)をいう。以下この条において同じ。)及び当該貨物を輸入しようとする者に対し、当該貨物について認定手続を執る旨並びに当該貨物が前条第一項第九号又は第十号に掲げる貨物に該当するか否かについてこれらの者が証拠を提出し、及び意見を述べることができる旨その他の政令で定める事項を通知しなければならない。
(改正):H18法17 H190101
 税関長は、前項の規定による通知を行う場合には、当該貨物に係る特許権者等に対しては当該貨物を輸入しようとする者及び当該貨物の仕出人の氏名又は名称及び住所を、当該貨物を輸入しようとする者に対しては当該特許権者等の氏名又は名称及び住所を、併せて通知するものとする。
 税関長は、認定手続が執られる貨物の輸入に係る第六十七条(輸出又は輸入の許可)の規定に基づく輸入申告書その他の税関長に提出された書類、当該認定手続において税関長に提出された書類又は当該貨物における表示から、当該貨物を生産した者の氏名若しくは名称又は住所が明らかであると認める場合には、第一項の通知と併せて、又は当該通知の後で当該認定手続が執られている間、その氏名若しくは名称又は住所を当該貨物に係る特許権者等に通知するものとする。
 税関長は、認定手続を経た後でなければ、この章に定めるところに従い輸入されようとする貨物について前条第二項の措置をとることができない。
 税関長は、認定手続が執られた貨物(以下この条及び第六十九条の十六(申請者による疑義貨物に係る見本の検査)において「疑義貨物」という。)が前条第一項第九号又は第十号に掲げる貨物に該当すると認定したとき、又は該当しないと認定したときは、それぞれその旨及びその理由を当該認定がされた貨物に係る特許権者等及び当該認定がされた貨物を輸入しようとする者に通知しなければならない。ただし、次項の規定による通知をした場合は、この限りでない。
 税関長は、前項本文の規定による疑義貨物に係る認定の通知をする前に次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなつたときは、当該疑義貨物に係る特許権者等に対し、その旨を通知するとともに、認定手続を取りやめるものとする。
(改正):H18法17 H190101
 第三十四条(外国貨物の廃棄)の規定により当該疑義貨物が廃棄された場合
 第四十五条第一項ただし書(許可を受けた者の関税の納付義務等)(第三十六条、第四十一条の三、第六十一条の四、第六十二条の七及び第六十二条の十五において準用する場合を含む。)の規定により当該疑義貨物が滅却された場合 (改正):H19法20 H191001
 第七十五条(外国貨物の積戻し)の規定により当該疑義貨物が積み戻された場合
 前三号に掲げる場合のほか、当該疑義貨物が輸入されないこととなつた場合
 第二項若しくは第三項の規定による通知を受けた者又は第六十九条の十六第二項の規定により承認を受けた同項に規定する申請者は、当該通知を受けた事項又は当該申請に係る見本の検査(分解を含む。同条において同じ。)その他当該見本の取扱いにおいて知り得た事項を、みだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならない。
(改正):H18法17 H190101
 (改正):H18法17 H180601 本条追加
 
第六十九条の十三(輸入してはならない貨物に係る申立て手続等)
 特許権者、実用新案権者、意匠権者、商標権者、著作権者、著作隣接権者若しくは育成者権者又は不正競争差止請求権者は、自己の特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権若しくは育成者権又は営業上の利益を侵害すると認める貨物に関し、政令で定めるところにより、いずれかの税関長に対し、その侵害の事実を疎明するために必要な証拠を提出し、当該貨物がこの章に定めるところに従い輸入されようとする場合は当該貨物について当該税関長(以下この条及び次条において「申立先税関長」という。)又は他の税関長が認定手続を執るべきことを申し立てることができる。この場合において、不正競争差止請求権者は、不正競争防止法第二条第一項第一号(定義)に規定する商品等表示であつて当該不正競争差止請求権者に係るものが需要者の間に広く認識されているものであることその他の経済産業省令で定める事項について、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣の意見を求め、その意見が記載された書面を申立先税関長に提出しなければならない。
(改正):H20法5 H200401
 申立先税関長は、前項の規定による申立てがあつた場合において、当該申立てに係る侵害の事実を疎明するに足りる証拠がないと認めるときは、当該申立てを受理しないことができる。
 申立先税関長は、第一項の規定による申立てがあつた場合において、当該申立てを受理したときはその旨及び当該申立てが効力を有する期間(税関長がその期間中にこの章に定めるところに従い輸入されようとする貨物のうちに当該申立てに係る貨物があると認めるときは、その都度、当該申立てに基づき認定手続を執ることとなる期間をいう。)を、前項の規定により当該申立てを受理しなかつたときはその旨及びその理由を当該申立てをした者に通知しなければならない。
 税関長は、第一項の規定による申立てを受理した場合又は当該申立てが他の税関長により受理された場合において、当該申立てに係る貨物について認定手続を執つたときは、政令で定めるところにより、当該申立てをした者又は当該貨物を輸入しようとする者に対し、それぞれその申請により、当該貨物を点検する機会を与えなければならない。ただし、前条第六項の規定により当該認定手続を取りやめたときは、この限りでない。
 (改正):H18法17 H180601 本条追加、H20法5 H200401
 
(注):H19.01.01以前は、第六十九条の十二
第六十九条の十五 (輸入差止申立てに係る供託等)
 税関長は、第六十九条の十三第一項(輸入してはならない貨物に係る申立て手続等)の規定による申立てを受理した場合又は当該申立てが他の税関長により受理された場合において、当該申立てに係る貨物についての認定手続が終了するまでの間当該貨物が輸入されないことにより当該貨物を輸入しようとする者が被るおそれがある損害の賠償を担保するため必要があると認めるときは、当該申立てをした者(以下この条において「申立人」という。)に対し、期限を定めて、相当と認める額の金銭をその指定する供託所に供託すべき旨を命ずることができる。
 税関長は、前項の規定により供託された金銭の額が同項に規定する損害の賠償を担保するのに不足すると認めるときは、申立人に対し、期限を定めて、その不足すると認める額の金銭を供託すべき旨を命ずることができる。
 前二項の規定により供託する金銭は、国債、地方債その他の有価証券(社債、株式等の振替に関する法律第二百七十八条第一項 (振替債の供託)に規定する振替債を含む。以下この条及び第六十九条の二十(輸入してはならない貨物に係る認定手続を取りやめることの求め等)において同じ。)で税関長が確実と認めるものをもつてこれに代えることができる。
 第一項又は第二項の規定による命令によりされた供託に係る税関長に対する手続に関し必要な事項は、政令で定める。
 申立人は、政令で定めるところにより、第一項に規定する損害の賠償に充てるものとして所要の金銭が当該申立人のために支払われる旨の契約を締結し、同項又は第二項の規定により定められた期限までにその旨を税関長に届け出たときは、当該契約の効力の存する間、第一項又は第二項の金銭の全部又は一部の供託をしないことができる。
 第一項の貨物の輸入者は、申立人に対する同項に規定する損害に係る賠償請求権に関し、同項及び第二項の規定により供託された金銭(第三項の規定による有価証券を含む。第八項から第十項までにおいて同じ。)について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
 前項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。
 第一項又は第二項の規定により金銭を供託した申立人は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなつたときは、その供託した金銭を取り戻すことができる。
一  供託の原因となつた貨物が第六十九条の十一第一項第九号又は第十号(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物に該当する旨の第六十九条の十二第五項本文(輸入してはならない貨物に係る認定手続)の規定による通知を受けた場合
二  供託の原因となつた貨物について第六十九条の十二第六項の規定による通知を受けた場合
三  第一項の貨物の輸入者が当該供託した金銭の取戻しに同意したこと、同項に規定する損害に係る賠償請求権が時効により消滅したことその他同項に規定する損害の賠償を担保する必要がなくなつたことを税関長に証明し、その確認を受けた場合
四  第五項の契約を締結して、政令で定めるところにより、税関長の承認を受けた場合
五  供託した有価証券が償還を受けることとなつたことその他の事由により現に供託されている供託物に代えて他の供託物を供託することについて、政令で定めるところにより、税関長の承認を受けた場合
 前項の規定による供託した金銭の取戻しに関し必要な事項は、法務省令・財務省令で定める。
10 税関長は、第一項又は第二項の規定により供託すべき旨を命じられた者が、これらの規定により定められた期限までにその供託を命じられた金銭の全部について、供託をせず、かつ、第五項の規定による契約の締結の届出をしないときは、その供託を命じられる原因となつた貨物について認定手続を取りやめることができる。
11 税関長は、前項の規定により認定手続を取りやめたときは、当該認定手続に係る申立てをした者及び当該認定手続に係る貨物を輸入しようとする者に対し、その旨を通知しなければならない。
(改正):H18法17 H180601 本条追加
 
(注):H19.01.01以前は、第六十九条の十三
第六十九条の十六(申請者による疑義貨物に係る見本の検査)
 第六十九条の十三第一項(輸入してはならない貨物に係る申立て手続等)の規定による申立てが受理された特許権者、実用新案権者、意匠権者、商標権者、著作権者、著作隣接権者若しくは育成者権者又は不正競争差止請求権者は、当該申立てに係る貨物について認定手続が執られている間に限り、税関長に対し、当該認定手続に係る疑義貨物について、これらの者がその見本の検査をすることを承認するよう申請することができる。この場合において、当該申請を受けた税関長は、その旨を当該疑義貨物を輸入しようとする者に通知しなければならない。
 税関長は、次の各号のいずれの要件にも該当するときは、前項の申請に応じて、当該申請を行つた者(その委託を受けた者を含む。以下この条(第五項を除く。)において「申請者」という。)が当該認定手続に係る疑義貨物の見本の検査をすることを承認するものとする。ただし、当該申請に係る貨物が第六十九条の十一第一項第九号(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物(回路配置利用権を侵害する貨物を除く。以下この項及び第五項において同じ。)又は同条第一項第十号に掲げる貨物に該当するか否かが明らかであるとき、その他当該見本の検査をすることを承認する必要がないと認めるときは、この限りでない。
一  当該見本に係る疑義貨物が第六十九条の十一第一項第九号に掲げる貨物又は同項第十号に掲げる貨物に該当するものであることについて税関長に証拠を提出し、又は意見を述べるために、当該見本の検査をすることが必要であると認められること。
二  当該見本に係る疑義貨物を輸入しようとする者の利益が不当に侵害されるおそれがないと認められること。
三  前号に掲げるもののほか、当該見本が不当な目的に用いられるおそれがないと認められること。
四  申請者が当該見本の運搬、保管又は検査その他当該見本の取扱いを適正に行う能力及び資力を有していると認められること。
 税関長は、前項の規定により申請者が見本の検査をすることを承認する場合には、その旨を当該申請者(その委託を受けた者を除く。)及び当該見本に係る疑義貨物を輸入しようとする者に通知しなければならない。
 第二項の規定により税関長が承認した場合には、申請者は、当該見本の検査に必要な限度において、当該見本の運搬、保管又は検査の費用その他必要な費用を負担しなければならない。
 前条(第十一項を除く。)の規定は、税関長が第二項の規定により承認する場合について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
読み替える規定読み替えられる字句読み替える字句
第六十九条の十五第一項 当該申立てに係る貨物についての認定手続が終了するまでの間当該貨物が輸入されないことにより 当該見本に係る疑義貨物が第六十九条の十一第一項第九号に掲げる貨物又は同項第十号に掲げる貨物に該当する貨物と認定されなかつた場合に
第六十九条の十五第一項 申立てをした者(以下この条において「申立人 承認の申請をした者(以下この条において「申請者
第六十九条の十五第二項、第五項、第六項及び第八項 申立人 申請者
第六十九条の十五第十項 認定手続を取りやめる 次条第二項の承認をしない
 第二項の規定により承認を受けた申請者が見本の検査をする場合には、税関職員が立ち会うものとする。この場合において、当該見本に係る疑義貨物を輸入しようとする者は、税関長に申請し、これに立ち会うことができる。
 前各項に定めるもののほか、第一項の申請の手続、第四項の費用の負担その他申請者による見本の検査に関し必要な事項は、政令で定める。
(改正):H18法17 H180601 本条追加
 
(注):H19.01.01以前は、第六十九条の十四
第六十九条の十七(輸入してはならない貨物に係る意見を聴くことの求め等)
 特許権、実用新案権又は意匠権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続が執られたときは、当該貨物に係る特許権者等(特許権者、実用新案権者又は意匠権者をいう。以下この条において同じ。)又は輸入者(当該認定手続に係る貨物を輸入しようとする者をいう。以下この条において同じ。)は、政令で定めるところにより、当該特許権者等が第六十九条の十二第一項(輸入してはならない貨物に係る認定手続)の規定による通知を受けた日(以下この項及び第六十九条の二十第二項(輸入してはならない貨物に係る認定手続を取りやめることの求め等)において「通知日」という。)から起算して十日(行政機関の休日の日数は、算入しない。)を経過する日(第六十九条の二十第一項及び第二項において「十日経過日」という。)までの期間(その期間の満了する日前に当該認定手続の進行状況その他の事情を勘案して税関長が当該期間を延長することを必要と認めてその旨を当該特許権者等及び当該輸入者に通知したときは、通知日から起算して二十日(行政機関の休日の日数は、算入しない。)を経過する日(第六十九条の二十第一項において「二十日経過日」という。)までの期間)内は、当該認定手続が執られている間に限り、税関長に対し、当該認定手続に係る貨物が当該特許権者等の特許権、実用新案権又は意匠権を侵害する貨物に該当するか否かに関し、技術的範囲等(特許法第七十条第一項(特許発明の技術的範囲)(実用新案法第二十六条(特許法の準用)において準用する場合を含む。)に規定する技術的範囲又は意匠法第二十五条第一項(登録意匠の範囲)に規定する範囲をいう。第九項及び第六十九条の十九(輸入してはならない貨物に係る認定手続における専門委員への意見の求め)において同じ。)について特許庁長官の意見を聴くことを求めることができる。
(改正):H18法17 H190101、H19法20 H190401(当該特許権者等が)
 税関長は、前項の規定による求めがあつたときは、政令で定めるところにより、特許庁長官に対し、意見を求めるものとする。ただし、同項の規定による求めに係る貨物が第六十九条の十一第一項第九号(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物に該当するか否かが明らかであるときその他特許庁長官の意見を求める必要がないと認めるときは、この限りでない。
(改正):H18法17 H190101
 税関長は、第一項の規定による求めがあつた場合において、前項ただし書の規定により特許庁長官の意見を求めなかつたときは、第一項の規定による求めをした特許権者等又は輸入者に対し、その旨及びその理由を通知しなければならない。
 特許庁長官は、第二項本文の規定により税関長から意見を求められたときは、その求めがあつた日から起算して三十日以内に、書面により意見を述べなければならない。
 税関長は、第二項本文の規定により特許庁長官の意見を求めたときは、その求めに係る特許権者等及び輸入者に対し、その旨を通知しなければならない。
 税関長は、第四項の規定による意見が述べられたときは、その意見に係る特許権者等及び輸入者に対し、その旨及びその内容を通知しなければならない。
 税関長は、第二項本文の規定により特許庁長官の意見を求めたときは、その求めに係る第四項の規定による意見が述べられる前に、第一項の求めをした者が特許権者等である場合にあつてはその求めに係る貨物が第六十九条の八第一項第九号に掲げる貨物に該当しないことの認定を、第一項の求めをした者が輸入者である場合にあつてはその求めに係る貨物が同号に掲げる貨物に該当することの認定をしてはならない。
 税関長は、第二項本文の規定により特許庁長官の意見を求めた場合において、その求めに係る第四項の規定による意見が述べられる前に、第一項の求めをした者が特許権者等である場合にあつてはその求めに係る貨物が第六十九条の十一第一項第九号に掲げる貨物に該当すると認定したとき、若しくは第一項の求めをした者が輸入者である場合にあつてはその求めに係る貨物が同号に掲げる貨物に該当しないと認定したとき、又は第六十九条の十二第六項若しくは第六十九条の十五第十項(輸入差止申立てに係る供託等)の規定により当該貨物について認定手続を取りやめたときは、その旨を特許庁長官に通知するものとする。この場合においては、特許庁長官は、第四項の規定による意見を述べることを要しない。
(改正):H18法17 H190101
 税関長は、特許権、実用新案権又は意匠権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続において、第六十九条の十二第一項の規定による認定をするために必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、特許庁長官に対し、当該認定手続に係る貨物が特許権者等の特許権、実用新案権又は意匠権を侵害する貨物に該当するか否かに関し、技術的範囲等について意見を求めることができる。
(改正):H18法17 H190101
10 第四項から第六項まで及び次条第五項の規定は、前項の規定により意見を求める場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(改正):H18法17 H180601 本条追加
 
第六十九条の十九(輸入してはならない貨物に係る認定手続における専門委員への意見の求め)
 税関長は、第六十九条の十一第一項第九号(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物(育成者権を侵害する貨物を除く。)に該当するか否かについての認定手続において、第六十九条の十二第一項(輸入してはならない貨物に係る認定手続)の規定による認定をするために必要があると認めるときは、知的財産権に関し学識経験を有する者であつてその認定手続に係る事案の当事者と特別の利害関係を有しないものを専門委員として委嘱し、政令で定めるところにより、当該専門委員に対し、当該認定のための参考となるべき意見を求めることができる。ただし、技術的範囲等については、この限りでない。
(改正):H18法17 H180601 本条追加
 
第六十九条の二十(輸入してはならない貨物に係る認定手続を取りやめることの求め等)
 第六十九条の十三第一項(輸入してはならない貨物に係る申立て手続等)の規定による申立てが受理された特許権者、実用新案権者又は意匠権者(以下この条において「申立特許権者等」という。)の申立てに係る貨物について認定手続が執られたときは、当該貨物を輸入しようとする者は、政令で定めるところにより、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める日後は、当該認定手続が執られている間に限り、税関長に対し、当該認定手続を取りやめることを求めることができる。
一  第六十九条の十七第一項(輸入してはならない貨物に係る意見を聴くことの求め等)の規定により十日経過日までの期間を延長する旨の通知を受けた場合 二十日経過日(同条第五項(同条第十項において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定により特許庁長官の意見を求めた旨の通知を受けたときは、二十日経過日とその求めに係る同条第六項(同条第十項において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定による通知を受けた日から起算して十日を経過する日とのいずれか遅い日)
二  前号に掲げる場合以外の場合 十日経過日(第六十九条の十七第五項の規定により特許庁長官の意見を求めた旨の通知を受けたときは、十日経過日とその求めに係る同条第六項の規定による通知を受けた日から起算して十日を経過する日とのいずれか遅い日)
 税関長は、申立特許権者等の申立てに係る貨物について認定手続を執つたときは、十日経過日前に、当該貨物を輸入しようとする者に対し、通知日を通知しなければならない。
 税関長は、第一項の規定により認定手続を取りやめることの求めがあつたときは、当該認定手続に係る申立てをした申立特許権者等に対し、その旨を通知するとともに、当該求めをした者(以下この条において「請求者」という。)に対し、期限を定めて、当該認定手続に係る貨物が輸入されることにより当該申立特許権者等が被るおそれがある損害の賠償を担保するために相当と認める額の金銭をその指定する供託所に供託すべき旨を命じなければならない。
 前項の規定により供託する金銭は、国債、地方債その他の有価証券で税関長が確実と認めるものをもつてこれに代えることができる。
 第三項の規定による命令によりされた供託に係る税関長に対する手続に関し必要な事項は、政令で定める。
 請求者は、政令で定めるところにより、第三項に規定する損害の賠償に充てるものとして所要の金銭が当該請求者のために支払われる旨の契約を締結し、同項の規定により定められた期限までにその旨を税関長に届け出たときは、当該契約の効力の存する間、同項の金銭の全部又は一部の供託をしないことができる。
 第三項の申立特許権者等は、請求者に対する同項に規定する損害に係る賠償請求権に関し、同項の規定により供託された金銭(第四項の規定による有価証券を含む。第九項から第十一項までにおいて同じ。)について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
 前項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。
 第三項の規定により金銭を供託した請求者は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなつたときは、その供託した金銭を取り戻すことができる。
一  第十二項の申立特許権者等が当該供託した金銭の取戻しに同意したこと、第三項に規定する損害に係る賠償請求権が時効により消滅したことその他同項に規定する損害の賠償を担保する必要がなくなつたことを税関長に証明し、その確認を受けた場合
二  第六項の契約を締結して、政令で定めるところにより、税関長の承認を受けた場合
三  供託した有価証券が償還を受けることとなつたことその他の事由により現に供託されている供託物に代えて他の供託物を供託することについて、政令で定めるところにより、税関長の承認を受けた場合
四  前三号に掲げるもののほか、第十二項の申立特許権者等が同項の規定による通知を受けた日から起算して三十日以内に第三項に規定する損害の賠償を求める訴えの提起をしなかつた場合
10 前項の規定による供託した金銭の取戻しに関し必要な事項は、法務省令・財務省令で定める。
11 税関長は、第三項の規定により供託すべき旨を命じられた者が、同項の規定により定められた期限までにその供託を命じられた金銭の全部について、供託をし、又は第六項の規定による契約の締結の届出をしたときは、その供託を命じられる原因となつた貨物について認定手続を取りやめるものとする。
12 税関長は、前項の規定により認定手続を取りやめたときは、当該認定手続に係る貨物を輸入しようとする者及び当該認定手続に係る申立てをした申立特許権者等に対し、その旨を通知しなければならない。
(改正):H18法17 H180601 本条追加
 
第百八条の四(罰則)
 第六十九条の二第一項第一号(輸出してはならない貨物)に掲げる貨物を輸出した者(本邦から外国に向けて行う外国貨物(仮に陸揚げされた貨物を除く。)の積戻し(第六十九条の十一第二項(輸入してはならない貨物)の規定により命じられて行うものを除く。)をした者を含む。)は、十年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(改正):H18法17 H190101、H19法20 H190601(五年--->七年)、H22法13 H220401(七年--->十年)
 第六十九条の二第一項第二号から四号までに掲げる貨物を輸出した者(本邦から外国に向けて行う外国貨物(仮に陸揚げされた貨物を除く。)の積戻し(同項第三号及び第四号に掲げる物品であつて他の法令の規定により当該物品を積み戻すことができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより行うもの及び第六十九条の十一第二項の規定により命じられて行うものを除く。)をした者を含む。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。(改正):H18法17 H180401,H190101、H19法20 H190601(五年−>七年、五百−>七百)、H22法13 H220401(七年--->十年、七百万--->千万)
 前二項の犯罪の実行に着手してこれを遂げない者についても、これらの項の例による。
(改正):H19法20 H190601
 第一項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、五年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(改正):H19法20 H190601 本項追加
 第二項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(改正):H19法20 H190601 本項追加
 (改正):H18法17 H180601 本条追加
 
第百九条(罰則)
 第六十九条の十一第一項第一号から第六号まで(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物を輸入した者は、十年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(改正):H12法26 H120401 本項追加、H18法17 H180601,意匠法改正の日(H190401)、H19法20 H190601(五年−>七年)、H22法13 H220401(七年--->十年)
 第六十九条の十一第一項第七号から第十号までに掲げる貨物を輸入した者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(改正):H12法26 H120401、H17法22 H170401、H18法17 H180601,H190101、H19法20 H190601(五年−>七年、五百−>七百)、H22法13 H220401(七年--->十年、七百万--->千万)
 前二項の犯罪の実行に着手してこれを遂げない者についても、これらの例による。
(改正):H12法26 H120401、H19法20 H190601
 第一項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、五年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(改正):H19法20 H190601 本項追加
 第二項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(改正):H19法20 H190601 本項追加
 
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(平成12年法律第26号改正 施行:平成12年4月1日):
 第百九条の次に次の一条を加える。

第百九条の二
 第六十九条の十一第一項第一号から第四号まで、第五号の二及び第六号(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物(輸入の目的以外の目的で本邦に到着したものに限る。)を第三十条第二項(外国貨物を置く場所の制限)の規定に違反して保税地域に置き、又は第六十五条の二(保税運送ができない貨物)の規定に違反して外国貨物のまま運送した者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(改正):H18法17 H180601,H190101、H19法20 H190601(五年−>七年、五百−>七百)、H22法13 H220401(七年--->十年、七百万--->千万)

 第六十九条の十一第一項第八号から第十号までに掲げる貨物(輸入の目的以外の目的で本邦に到着したものに限り、同項第九号に掲げる貨物にあつては、回路配置利用権のみを侵害するものを除く。)を第三十条第二項の規定に違反して保税地域に置き、又は第六十五条の三の規定に違反して外国貨物のまま運送した者は、十年以下の懲役若しくは七百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(改正):H22法13 H220401(七年--->十年、五百万--->七百万)
 前二項の犯罪の実行に着手してこれを遂げない者についても、同項の例による。
(改正):H19法20 H190601
 第一項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(改正):H19法20 H190601 本項追加
 第二項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、五年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 
第百十条(罰則)
 次の各号の一に該当する者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(改正):H22法13 H220401(五年--->十年、五百万--->千万)
偽りその他不正の行為により関税を免れ、又は関税の払戻しを受けた者 (改正):H22法13*H220401(払いもどし--->払戻し)
関税を納付すべき貨物について偽りその他不正の行為により関税を納付しないで輸入した者
 通関業者の偽りその他不正の行為により関税を免れ、若しくは関税の払戻しを受け、又は関税を納付すべき貨物を関税を納付しないで輸入することとなった場合における当該行為をした通関業者についても、また前項の例による。
 (改正):H22法13*H220401(払いもどし--->払戻し)
 前二項の犯罪の実行に着手してこれを遂げない者についても、これらの項の例による。
(改正):H22法13 H220401
 前三項の犯罪に係る関税又は関税の払戻しの額の十倍が五百万円を超える場合においては、情状により、前三項の罰金は千万円を超え当該関税又は関税の払戻しの額の十倍に相当する金額以下とすることができる。
(改正):H22法13 H220401(五百万--->千万)
 第一項又は第二項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(改正):H22法13 H220401 本項追加
 前項の犯罪に係る関税又は関税の払戻しの額の十倍が五百万円を超える場合においては、情状により、同項の罰金は、五百万円を超え当該関税又は関税の払戻しの額の十倍に相当する金額以下とすることができる。
(改正):H22法13 H220401 本項追加
 
第百十一条(罰則)
 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 一 第六十七条(輸出又は輸入の許可)(第七十五条において準用する場合を含む。次号及び次項において同じ。)の許可を受けるべき貨物について当該許可を受けないで当該貨物を輸出(本邦から外国に向けて行う外国貨物(仮に陸揚げされた貨物を除く。)の積戻しを含む。次号及び次項において同じ。)し、又は輸入した者
 二 第六十七条の申告又は検査に際し、偽つた申告若しくは証明をし、又は偽つた書類を提出して貨物を輸出し、又は輸入した者
(改正):H19法20 H190601
 第六十七条の申告又は検査に際し通関業者の偽つた申告若しくは証明又は偽つた書類の提出により貨物を輸出し、又は輸入することとなつた場合における当該行為をした通関業者についても、また前項の例による。
(改正):H19法20 H190601 本項追加
 前二項の犯罪の実行に着手してこれを遂げない者についても、これらの項の例による。
(改正):H19法20 H190601 本項追加
 第一項又は第二項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(改正):H19法20 H190601 本項追加
 
第百十二条(罰則)
 第百八条の四第一項若しくは第二項(輸出してはならない貨物を輸出する罪)、第百九条第一項若しくは第二項(輸入してはならない貨物を輸入する罪)、第百九条の二第一項(輸入してはならない貨物を保税地域に置く等の罪)又は第百十条第一項(関税を免れる等の罪)の犯罪に係る貨物について、情を知ってこれを運搬し、保管し、有償若しくは無償で取得し、又は処分の媒介若しくはあっせん(以下この条においてこれらの行為を「運搬等」という。)をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(改正):H12法26 H120401、H18法17 H180601、H22法13 H220401(三年--->五年、三百--->五百)
 前項の犯罪に係る貨物についての第百十条第一項の犯罪に係る関税又は関税の払戻しの額の五倍が三百万円を超える場合においては、情状により、前項の罰金は、五百万円を超え当該関税又は関税の払戻しの額の五倍に相当する金額以下とすることができる。
(改正):H22法13 H220401(括弧書き削除、三百--->五百)
 前条第一項の犯罪に係る貨物について情を知って運搬等をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(改正):H22法13 H220401(二年--->三年、二百--->三百)